“具のないおでん”と呼ばれたアイドルの復活劇から学ぶ経営力アップ術(後編)
「具のないおでん」「イチゴのないショートケーキ」と称されるまでの経緯を説明しました。
今回のテーマは復活劇。
苦境を乗り越えるには、2つのポイントがありました。
キャラ化の重要性
各メンバーの個性が、以下のように明確になったことです。
さらに4人のイメージがインテリ派、歌唱派の2つに分かれたことも、
キャラクターの確立を後押しします。
■インテリ派
・小山慶一郎=キャスターキャラ
(「news every.」(日本テレビ)のキャスター/「「NEWS」な2人」(TBS)という社会派の番組MC)
・加藤シゲアキ=作家キャラ
(小説家(映画化・ドラマ化もされている)/「「NEWS」な2人」(TBS)という社会派の番組MC)
■歌唱派
・増田貴久=ファッションキャラ
(ファッション雑誌「mina」で連載/コンサートの衣装担当/人気ユニット「テゴマス」のメンバー)
・手越祐也=バラエティ・スポーツキャラ
(「世界の果てまでイッテQ」(日本テレビ)レギュラー/FIFAクラブワールドカップメインキャスター/人気ユニット「テゴマス」のメンバー)
4人の強みが前面に打ち出された結果、
メディアへの露出が増えて、知名度が上がりました。
彼らの世界観に惹かれてファンになる方が、徐々に増えていったのです。
個性で勝負することは最大の武器となります。
団結することの重要性
精神論に偏ってしまいたくはないのですが、彼らを支えたのが
「辞めていった人気メンバーに負けない」という気持ちでした。
あまり良い表現ではありませんが、「イチゴのないショートケーキ」でも、
「イチゴのあるショートケーキ」に必ず打ち勝つという覚悟で、結束力を固めました。
彼らの深い絆に魅了されるファンも少なくありません。
しかし、彼らの根底にはピンチでも支えてくれたファンの気持ちに応えたいという想いが流れています。
「NEWS」の回復劇を飲食店経営に活かす
一見すれば、巷のビジネス論に溢れる、ありふれたアイデアやヒントかもしれません。
しかし、実行するのは難しいことです。
飲食店経営において、現在看板メニューではない商品、オーダー数の少ないドリンク、売上に貢献しきれていないスタッフ、
すべてを見直すチャンスです。
お客様に魅力が伝われば、ファンは増えて売上につながります。
個性や強みを考えるのは難しい場合は、キャラ化してあげるのも1つ。
例えば、接客が苦手なキッチンスタッフでも、誰よりも早くて正確な仕込みやお客様から感動される掃除など、
圧倒的に強みを活かせる分野を開拓して、“仕込みマスター”“掃除の師匠”と称してあげる方法です。
さらに危機的状況で、スタッフが離れていくような職場ではなく、
一丸となって乗り越えたいと思ってもらえる環境づくりも重要ではないでしょうか。
コツは、負けたくない気持ちや悔しさを共有することです。
例えば「人気のスタッフが辞めて独立をしたけど、その店には絶対に負けない!」という想いを、
スタッフみんなで持つことで結束力は生まれます。
今回取り上げた記事の内容が、今までにない飛躍となるヒントになれば幸いです。