なぜ、あの人気リストランテは70席も有しているにも関わらず、シェフ2名で運営できるのか

なぜ、あの人気リストランテは70席も有しているにも関わらず、シェフ2名で運営できるのか

今回は、「優秀な人材が育たない」「スタッフの雇用に苦戦している」といったことでお悩みの経営者様に向けて、コストを抑えながら効率的な店舗運営・人材づくりをする方法についてご紹介します。

取り上げる実例は、神戸市内にあるリストランテのオーナーシェフにインタビューさせていただいた内容をもとにしています。

“10年先も勝ち続けるための店づくり”とは

口コミサイトでも高評価で、デートスポットとしても人気の店舗。
神戸市内では大型のリストランテで、約70席を有します。

10年近く前は、大勢のスタッフを抱えていたというオーナーシェフ。
しかしながら、現在はたった2名でキッチンを回していると言います。

「現在、スタッフは募集中です。でも人材が集まらなくても、お店を運営できる仕組みを作っています。さらには、どんな能力のスタッフが入ってきても、料理のクオリティに差は出ません。」

その内容を掘り下げてみると、

「例えばにんにくを切るのに、包丁は使いません。まな板も使いません。機材も使いません。かわりにスライサーを使います。理由は、誰でも同じ薄さでスライスできるからです。また、にんにくを包丁でカットすると、人によって大きさがバラバラになります。焦げやすくなるんです。スライサーであれば均一の大きさですし、焦げないんですよ。」

にんにくの大きさが統一されるだけではなく、スライサーを使うと調理もしやすくなるそうです。

スライサーが大事!

さらに続けて、

「あと、包丁とまな板も汚れるでしょ。機材を使うと電気代がかかるでしょ。洗うことも手間ですし、無駄です。スライサー1個あれば、十分なんですよ。うちには包丁とまな板は少ないですが、スライサーは沢山ありますよ(笑)。」

シェフによって技術レベルに差があっても、スライサーを導入することで調理に差が出ません。さらに下ごしらえや洗い物で、無駄がなくなります。
ちょっとした工夫の積み重ねが、労力削減につながっています。

ほかにもお店でハーブをカットする際は、美容師用のハサミを使用。
香草を手でちぎってしまうと、断面を綺麗に、かつ均等に切れないためです。
切れ味のいいハサミを使うことで、素材の良さ・鮮度を保っています。

また店舗は、予約制でコース料理のみ。
すべて段取りできるので、当日キッチンで慌ただしく仕事をする必要もありません。
片付けもスピーディーです。

すべての工程において作業を見直して、効率化を実現。
最少人数で営業ができるシステムを構築しています。

このような仕組みづくりをしているのは、きっかけがあったようです。

「ここ数年で、一気に優秀なシェフが辞めてしまったんですよ。新しくスタッフを雇っても、能力・技術に差がありました。さらに、募集をかけても採用に苦戦しました。そこで、これからの時代を考えたんです。出来る人材を一から育てて行くには時間がかかる。アクティブな人ほど他店でも経験したい気持があるし、独立志向も高いから辞めていく。今後、飲食店が生き残るためには、どんな人材を雇ってもレベルの高い料理を提供できる仕組みが必要。さらに最小限の人材で、いかに効率的に良い仕事が出来るかも大切。もし私が病気で倒れて、お店に出れなくてもお店が経営できるようにしなければと思ったんです。」

さいごに

人材の育成

これからの時代は、技術者が少なくなるというオーナーシェフ。
沢山の人材を抱えて今までの一般的なやり方で人材育成をしても、あらゆる面で非効率になると考えます。

むしろ、どんな人材であっても、同レベルのサービスが提供できる仕組みづくりにコストと時間をかけるべき。
今後の時代に合わせたシステム構築を考えることが重要だと言います。

ここで気づかされたことが1つあります。

オーナーシェフは人材を育成・募集することに、心労を重ねていないということです。
なぜなら変えられること・構築できるシステムにフォーカスしているからです。

不確定なことに、あれこれと頭を悩ませてしまうこと自体が効率を下げてしまうのではないでしょうか。むしろ、効率を良くしていくために、変えられることから、次から次へと変革していかなければならない。オーナーシェフの根底には、そのような考え方もあるのかもしれません。

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