最寄駅から外れにあっても繁盛店を作るノウハウ~料理編~

最寄駅から外れにあっても繁盛店を作るノウハウ~料理編~

「駅遠」であっても集客に成功している飲食店が、注目を浴びています。

ビジネスニュースサイト「Business Insider Japan」では、「KURAND SAKE MARKET」という日本酒を中心とした居酒屋を事例にして、都市圏での「駅遠」飲食店ブームについて迫っています。(1)

1等地である条件は、駅近であり路面店やテナントビル1階に店を構えていること。

一方で、2.5等地と呼ばれる立地があります。
最寄駅から徒歩10分以上離れており、雑居ビルの空中階にある不動産が該当します。

一般的な常識から見れば、このような物件は飲食店出店において人気がありません。
なぜなら、効率的な集客を見込めないためです。

しかしながら、デメリットを逆手にとって成功している飲食店があることも事実です。
今回は、料理で不利をカバーしている店舗を事例に紹介します。

結論を先に言えば、「わざわざ食べに行きたい料理」を創出することで繁盛させること。
では1等地にある飲食店で食べるよりも、優位性のあるメニューとはどのようなものでしょうか。

「食べやすさ」の追及

実際にインタビューをさせていただいたのは、堺市内で創作和食の居酒屋を営むオーナーシェフです。

最寄駅からは、徒歩で10分ほど。
数多くの飲食店が集まる中心地からは外れにあります。

決して利便性はよくありませんが、連日常連客で賑わっています。

日常的な飲食だけではなく、団体の宴会にも対応。
客席は30席を有する居酒屋です。

お造りや焼き鳥、揚げ物など、定番メニューがほとんど。
では、どこにお店のオリジナリティがあるのでしょうか。

オーナーシェフは、このように語ります。

「うちの強みは、食べやすさです。お客さんが、もっとも食べやすい状態で提供します。例えば、人気メニューの1つに、カニ料理があります。うちではカニの身をすべてほぐしてから、出しています。ほとんどのお店は、お客さんに身をとってもらうスタイル。でも、手間じゃないでしょうか。手も汚れてしまうし。甲羅やツメって鋭利なんで、危ないですよね。ある種、凶器です(笑)。お客さんによっては身をうまく取れない人もいる。綺麗にとるにはコツがいるんです。だからプロの料理人がやった方がいい。味噌もすべて食べやすい状態で出すべきです。」

食べにくいものほど、食べやすくして提供するという発想は頷けます。

手間を省く

お客様が外食をする目的の1つに、手間を省くことが挙げられます。
買い物に行く手間。調理をする手間。そして片付ける手間。

食べる上での手間を省くことも、飲食店に求められる重要な仕事なのかもしれません。

さらに、食べやすさに徹底することで集客が上手くいっていることも打ち明けてくださいました。

「お客さんの年齢層は幅広いんです。60代以上のお客さんもいるし、お子さんも来ます。さっきの続きで言えば、カニって家で調理するのは面倒くさいでしょ。それに高級な食材だったら間違いないものを仕入れて、美味しく食べたいはずです。でも、わざわざお店に行っても食べにくい状態で出てくるし、値段も高い。うちなら食べやすい上に、市街地よりも2~3割ほど安いんです。高級店に行かなくても、家よりも手間がかからずに、安くで贅沢な食事ができる店。これが好評なんですよ。」

では、どうすればお客様の目線に立った食べやすさを実現できるのでしょうか。

不便や不都合、不快を改善

オーナーシェフによると、批判精神を大切にされているようです。
具体的には人気の飲食店で食事をして、不便や不都合、不快を感じるポイントをピックアップ。
それを改善する方法を考えて、メニューに反映しているとのこと。

このような工夫によって「わざわざ食べに行きたい料理」が完成していきます。

さいごに

味や食材、盛りつけにこだわる飲食店が多い中で、食べやすさの徹底ぶり。

すなわち2.5等地にあるからこそ、1等地のデメリットをついたサービスを展開すべきということでしょう。

このような実例があるからこそ、立地のせいで集客できないという理由は成立しなくなります。「駅遠」にしかできない、独自の経営手腕が問われるのではないでしょうか。

【参考文献・サイト】
(1)「都市圏でなぜ「駅遠」の人気飲食店が増えるのか? 駅前2.5等地ブームの舞台裏」|Business Insider Japan

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