なぜ、あの店は欲しい人材を難なく採用できるのか(前編)

なぜ、あの店は欲しい人材を難なく採用できるのか(前編)

飲食業界が直面している問題の1つに、人材不足があります。
これは飲食業界に限ったことではありません。

帝国データバンクの調査(1)では、企業の45.4%で正社員が不足している実情が明らかになりました。とりわけ飲食店においては、8割近くの店舗が非正規社員の不足を感じています。

すなわち飲食業界では正社員はもちろん、とくにアルバイトやパートの欠員が際立っている状況です。

確かに、弊社が運営している関西の飲食業界に特化した求人情報サイト「食ジョブ」(https://shokujob.com/)
でも、アルバイト・パートの求人数が731件、正社員が611件と前者の総数が上回っています。(2017年11月9日時点)

いずれにしても採用に苦戦している現状は変わりありません。求人募集の張り紙を出したり、求人サイト・求人誌に広告を掲載したりしている店舗も少なくないでしょう。もし反応がなければ、本当に採用が出来るのかどうか不安が募るばかりではないでしょうか。

今回は正社員と非正規社員の不足を解決する糸口について、シリーズでコラムをお届けします。どちらの雇用形態も人材が枯渇している状況で、どのような突破口を見出せるでしょうか。

人材不足と言っても、「正社員」と「非正規社員」では問題が違う

人材不足と言っても、「正社員」と「非正規社員」では問題が違う

具体的なノウハウを解説する前に、整理しておきたいことが1つあります。人材不足と言っても、正社員と非正規社員では取り組むべき問題が異なるということです。

一体、どういうことでしょうか。

筆者がいつも取材で数々の飲食店を巡っている中で、実感していることが1つあります。それは非正規社員の不足に喘ぎながらも、採用に至りにくいのは正社員ということです。

ただし正社員を雇用する意思はなく、オーナーシェフ・料理長1名とアルバイトスタッフのみで運営をする店舗は例外とします。

このようなケースは個人店に多く、アルバイト・パートを雇用するためには競合店との差別化が求められます。他店が好条件で募集をすれば、求職者はそちらへ流れていく傾向にあります

さらにはフリーターをはじめ学生や主婦も対象になるため、ターゲットとなる求職者のライフスタイルに合ったが募集条件を設定しなければなりません。

話を戻しましょう。求人数および求職者数で見れば、非正規雇用の総数が上回るものの、人材を確保する上で困難を極めるのは正社員です。より小さなマーケットで雇用を創出しなければなりません。

一方で、正社員として飲食店で働きたい求職者のみが対象となるため、長期的な労働やキャリアデザインを考慮した求人内容が求められます。

そのため雇用者も被雇用者も、慎重になってしまう要素があります。結果的に、成功しづらい状況に陥っているのです。

さいごに

人材不足と言っても、「正社員」と「非正規社員」では問題が違う

ここまでの内容をまとめておきましょう。

<正社員>
■求職者・募集店:アルバイト・パートに比べると少ない。
■求職者タイプ:就職・転職希望者
■重要ポイント:キャリアデザイン・プランニング

<非正規社員>
■求職者・募集店:極めて多い。
■求職者タイプ:フリーターおよび学生、主婦
■重要ポイント:好条件

雇用形態によって生じる問題を解決する方法について、今回のシリーズでお届けします。理想的な人材の獲得に成功した実例を、中編では正社員、後編では非正規社員のケースで紹介します。

【参考文献】
(1)人手不足に対する企業の動向調査(2017年7月)|帝国データバンク

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