大阪・黒門市場に、京都・錦市場、神戸・南京町。観光客が増える名所で、飲食店が失敗しがちな集客のワナ①

大阪・黒門市場に、京都・錦市場、神戸・南京町。観光客が増える名所で、飲食店が失敗しがちな集客のワナ①

今回のコラムは観光スポット界隈の飲食店が、どうすれば地元客・旅行先どちらも集客に成功できるのか。

その方法を探っていきます。

過熱する日本の観光市場

過熱する日本の観光市場

京都タワーの地下1階にオープンした「京都タワーサンド」(https://www.kyoto-tower-sando.jp/)など、食べ歩きできる観光スポットが脚光を浴びています。

とりわけ客数を著しく伸ばしているのが、大阪市中央区にある黒門市場です。

鮮魚店や青果店、精肉店がイートンできるスペースを設けたり、食べ歩きできる商品を売り出したりして連日、多くの観光客で賑わいを見せています。

MasterCardが調査した『2017年の世界渡航先ランキング』(1)によると、渡航者数の成長率を比較した「急成長渡航先ランキング」で大阪が1位にランクイン

今、世界中でもっとも海外の観光客が訪れる都市、大阪。関西圏では大阪だけではなく京都や神戸でも、客足を伸ばしています。

同時に、日本人の国内旅行消費も増加の一途をたどっています(2)。過熱する日本の観光市場。

トレンドに合わせて観光スポット界隈では、訪日外国人や旅行客をターゲットにしたビジネスが繰り広げられています。このような状況で、飲食店はどのような集客をするのが正解なのでしょうか。

とくに現在問われている課題は、一過性の可能性もあるニーズに依存するのではなく流行に左右されない飲食店経営です。

今回のコラムでは観光スポット周辺で、継続的な成功をするための集客方法を考えていきましょう。

継続的な集客は第三の道で拓く

継続的な集客は第三の道で拓く

そもそも今回、なぜ継続性を重視したのか。その理由から説明しておきます。

一時的なニーズだけに応えてしまうことで、リピーターや地元客の獲得に失敗するリスクがあるためです。さらには理想とするお店の発展につながらない可能性もあります。

例えば、訪日外国人が増加しているエリアが抱えている問題は、地元客の減少や客離れです。

京都の二条城近辺で和食店を営む店主に、筆者がインタビューしたところ、ある悩みごとを打ち明けてくださいました。

『もともと全席喫煙だったんです。ここ数年で国内外問わず観光客が増えてきて、禁煙にしてほしいというリクエストが集まりました。で禁煙にしたら、次は常連のお客さんから不満の声。店の玄関に喫煙スペースを設けて対処しました。でも、海外のお客さんで喫煙する方は、店外で大声を出したり、私有地に入ったりと次は近隣の方からクレームが入る始末。以前に比べると、常連さんは減りましたね。』

喫煙だけではなく、このような問題に悩んでいる飲食店は少なくありません。さきほど挙げた黒門市場でも該当することです。

例えば、集団でお店の出入り口で立ち止まったり、大型キャリーバッグで移動したり、地元民の通行や流入を妨げているケースが見受けられます。

目先のことだけではなく、中長期的に見てどう向き合えばいいのでしょうか。課題を解決するために手がかりになるアイデアを1つあげておきましょう。

都市観光論を専門とする大阪府立大学の橋爪紳也教授がしめしているのは、共存の道です。

「地域住民が楽しめる商店街なら外国人も楽しめる。地域でのブランド力をもっと磨き、独自の楽しみ方を打ち出してほしい」(3)

訪日外国人か地元客という枠踏みだけではなく、新規顧客か既存の顧客、観光客か常連客。どちらか、ではなく、どちらもという第三の道。

この意見をヒントにすれば、これからの時代に求められる集客は、どちらの声にも応えていくことではないでしょうか。

さいごに

言葉にするのは簡単ですが、具体的にどのような第三の道があるのか、常連客・観光客それぞれにどのようなニーズがあるのか、次回以降のコラムでお届けします。

今回は、目前の声にこたえているだけでは失敗しやすいことを、ある事例とともにお伝えしました。ワナに陥らないための実践方法を探っていきましょう。

【参考文献・サイト】
(1)Defining What Makes a City a Destination|MasterCard

(2)旅行・観光消費動向調査(平成29年年間値(速報)、平成29年10-12月期(速報)|観光庁

(3)訪日客の「次」へ商店街動く 黒門市場や神戸元町(インバウンド関西) |日本経済新聞

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