コラム173『料亭から学ぶ、気難しい顧客を味方につける接客術』【タイトル】

「料亭から学ぶ、気難しい顧客を味方につける接客術」

人気漫才師・和牛の水田信二さんが、飲食店でのクレームエピソードをテレビ番組で披露して、SNS上でも一気に拡散しました。

2018年3月13日に放送されたバラエティー番組「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ)で、「最近ムカついたこと」をテーマに話すコーナーでのこと。

後輩芸人と2人でランチに出かけた水田さん。
後輩が頼んだ料理はすぐに出てきました。

しかし、自分が注文した分はなかなか出てこないため、スタッフに確認。
「あと7分くらい」という回答に、ストップウォッチで計り始めました、

結局は12分後、しかも後輩が食べ終わった後で出されたとのこと。
食事はせずに、お代だけ支払ってお店を後にしたというのとです。

このトラブルは、スタジオでもインターネットでも賛否両論がありました。
共感する声から否定的な反応まで。いずれにしても、神経質なキャラクターとして認知されている水田さん。

世間でも飲食店での接客やマナー、サービスについて、彼のように厳しい視線で見る方は少なくありません。

なかにはクレームに発展する場合もあれば、難しい要求に応じなければいけないケースも出てきます。

このような顧客は一般的に、気難しい顧客として認知されています。独自のこだわりや考え方を持っているお客様です。

どちらかと言えば、接客が一筋縄ではいかないタイプ。

一体、どのような接客をするのが正解なのでしょうか?

今回のコラムでは、筆者による取材をもとに紐解いていきます。

【忙しい時に「カキフライ」を1個だけ食べたいと言われたら、どうするか】

コラム173『料亭から学ぶ、気難しい顧客を味方につける接客術』【①】

インタビューをさせて頂いたのは大阪・松原市内で割烹料理店を営む店主。
有名な料亭で修行を積んだ後に、独立。

茶懐石をベースにした旬の和食でもてなすお店をきりもりしています。
松原の地で開業をして、おおよそ20年。ずっと通い続けてくれる常連客が、お店を支えてくれているのだと語ってくださいました。

「ここの土地柄、不便でしょ。駅も各駅しか止まらへんし、周りも住宅街やから夜は8時以降になったら暗くなるし。オープン当初は、こんな場所で店やっても儲かるわけないって、皆から言われましてね。でも、なんやかんやで続いています。この場所にしてよかったと今になって思います。決して多いわけじゃありませんが、ずっと贔屓にしてくれはるお客さんのおかげなんです。それが皆さん、ちょっと変わった人というか、気難しい方ばっかりなんですよ。」

とくに思い入れのある方を、例に挙げてくださいました。

「堺市にあるお寺の住職さんです。数年前に亡くなったんですけど、結構なお偉いさんやったんです。うちの店を、なぜか気に入ってくれはってね。ちょっと変わった人でね、忙しい時に無茶なことばっかり言ってきはるんですよ。でも、きちんと対応したら喜びはるんです。困るのは、お店が混んでて手が回ってない時に言う、ホントにつまらないギャグ。これを無視したら、本当にすねるというかムスっとします。でも、ちょっとでも笑って反応すると機嫌いいんです。」

語り口調に、関係性の深さを読み取れたので、さらに話を伺いました。

「カキフライでもね、1個だけ食べたいって言うんですよ。ざる蕎麦も半人前で、海苔なしでネギだけ。もう20年近く前のことですけど、活きたカニを置いていたんです。めちゃくちゃ好評でね。こういうのは、サッと茹でて食べるのが、美味しいんですよ。でも生で食べたいって、その人が言ってね。それも忙しい時に、ホントに面倒なことを。むちゃぶりでしょ。もちろん、生でさばいてお出ししましたよ。そこからですかね、通ってくれるようになったんです。ほかの店では対応しれくれないでしょ。」

どんな要求にも応じてきた店主ですが、決してお客様の言いなりになっているわけではありません。また、どんなお客様にも対応しているわけではありません。

しっかりビジネス関係を構築できる方と、良識内でのリクエストに応じていらっしゃいます。

コラム173『料亭から学ぶ、気難しい顧客を味方につける接客術』【②】

「向こうのリクエストに応じて来ましたが、こちらが困っている時には助けてもらいましたよ。まだお店が軌道に乗ってない時に、仕出しをやってみるかって言われたんです。お弁当をお寺まで届けたんですが、仕出しをするのは初めてやってね。段取りがわからず、2時に持って行かなあかんのに、結局届けられたのは3時。でも、今からちょうど食べ始めるところやねん、いいタイミングやわって笑顔で受け取ってくれたんです。ほかにもね、雨の日に急いでて、お弁当を1個だけお寺の玄関でこぼした時があってね。かき集めて、仕方なく持って行ったんです。そうしたら、こぼしたのは僕が食べるから置いておいてって全く怒らないんですよ。なんて凄い人なんやって、心底思いました。そこからお節料理もやってみいへんかって提案してくれたり、幾度となく助けてもらいましたよ。」

【さいごに】

周りから気難しいと言われている人こそ、味方にすべき。

言い換えれば、独自のこだわりがある顧客こそ、最強の味方になる可能性があることを教えられるエピソードでした。

一方的に嫌煙するのではなく、誠実に向き合うことによって良好な関係を構築されてみてはいかがでしょうか。

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