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外国人・留学生を採用したい飲食店が知るべき「特定技能」入門(中編)

外国人・留学生を採用したい飲食店が知るべき「特定技能」入門(中編)

人材不足で悩む飲食店オーナー・店長にとって、問題解決の糸口となるのが「特定技能」という新しい在留資格です。

日本人の採用だけでは、労働力をカバーしきれない時代となりました。即戦力となる外国人労働者の雇用によって、売上・集客を伸ばしたいのであれば、「特定技能」は知っておくべき内容です。

外国人・留学生の採用を考えている飲食店関係者に、「特定技能」の基本的な内容と、外食産業における活かし方を、シリーズで紹介します。

今回は、外国人材の受け入れ拡大に向けて「特定技能」の詳しい内容と、外食業における活かし方を解説します。

「特定技能」には2種類ある

外国人・留学生を採用したい飲食店が知るべき「特定技能」入門(中編)

ここ大阪市内にある居酒屋の店主が、「特定技能」について、ある考えを話してくださいました。

「最近、外国人のお客さんが増えてるんです。でも、対応しきれていない。だからといって、海外からの需要にこたえてばかりいると、常連さんへのサービスがおろそかになる。外国人のお客さんが、ずっと足を運んでくれるとは限らないしね。「特定技能」を活かしたいと思ってるんです。5年っていう時間が決まっているじゃないですか、今の海外ニーズに対応したい飲食店にとってはおいしいと思うんですよ。」

訪日外国人対策として、店主が期待を寄せている「特定技能」とは、どんなものなのでしょうか。理解しておくべき、基本的な内容からお伝えします。

「特定技能」によって、受け入れ対象となる外国人労働者は、法務省⁽¹⁾によって定められています。

・相当程度の知識又は経験を要する技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格「特定技能1号」と,同分野に属する熟練した技能を要する 業務に従事する外国人向けの在留資格「特定技能2号」を新設する

・ある程度日常会話ができ,生活に支障がない程度の日本語能力を有することが基本

「特定技能」には2種類あることがわかります。1号と2号です。

1号は即戦力となる人材であり、外食業でも注目を集めている資格です。2号は、熟練度の高い人材が取得することができます。それぞれの違いを説明しておきます。

<1号>
対象業種:14業種
最長滞在年数:最大でも通算5年が上限
家族の同帯:不可
開始:2019年4月

<2号>
対象業種:2業種
最長滞在年数:永住も可能
家族の同帯:可
開始:2021年を予定

1号から2号へと進むことが可能です。1号の修了者が、試験をパスすることが求められます。どちらの「特定技能」でも共通して言えるのは、受入企業(正式には、特定技能所属機関)と雇用契約を直接的に締結できることです。

注意点としては、イランやトルコなど強制送還を受け入れない国家に「特定技能」は発行されません。

現行の在留資格の1つである「技能実習」を取得した外国人でも、「特定技能」へと移行することができます。

「技能実習」とは「我が国で開発され培われた技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、その開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的とする制度」⁽¹⁾です。

技能実習法の規定には、「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない。」⁽²⁾とあります。「技能実習」では、即戦力として、または単純労働者として、外国人を受け入れることができませんでした。

しかし「技能実習」では、外食業の実績がありません。外食企業の食品製造部門(セントラルキッチン)において、「技能実習」から「特定技能」への移行が見込まれます。

直接の雇用だけではなく、転職をすることも可能になりました。農業と漁業に限られますが、派遣形態での契約もできます。

注意点としては、イランやトルコなど強制送還を受け入れない国家に「特定技能」は発行されません。

1号の取得条件は、

➢ 技能水準は,受入れ分野で即戦力として活動するため に必要な知識又は経験を有することとし,業所管省庁が 定める試験等によって確認する
➢ 日本語能力水準は,ある程度日常会話ができ,生活に 支障がない程度の能力を有することを基本としつつ,受 入れ分野ごとに業務上必要な能力水準を考慮して定める 試験等によって確認する
➢ 技能実習2号を修了した者は,上記試験等を免除

と法務省⁽³⁾によって定められています。

「特定技能」の対象業種

「特定技能」の対象業種について、1号の14業種、2号の2業種を紹介します。

<1号>
①建設業
②造船・舶用工業
③自動車整備業
④航空業
⑤宿泊業
⑥介護
⑦ビルクリーニング
⑧農業
⑨漁業
⑩飲食料品製造業
⑪外食業
⑫素形材産業
⑬産業機械製造業
⑭電気電子情報関連産業

<2号>
①建設業
②造船・舶用工業

以上の業種において、2019年から10年間をかけて、26万~35万6,500人の受け入れが想定されています。

外食業では4.1万~5.3万人が見込まれいます。しかし外食業における人材不足は、20数万人以上いることから、外国人材を採用しても、完全に人手不足が解決するわけではありません。

「特定技能」1号の取得者は、期間限定での雇用となるため、継続的な採用活動が求められます。「特定技能」を活かす方法について、考えておく必要があるでしょう。

外食業で外国人材を活かすために

外国人・留学生を採用したい飲食店が知るべき「特定技能」入門(中編)

外食業で、外国人材はどのような業務に関われるのでしょうか。農林水産省⁽⁴⁾の資料に目を通してみましょう。

○ 外食業分野の対象は、日本標準産業分類の「飲食店」、「持ち帰り・配達飲食 サービス業」に該当する事業者が行う業務とする。 例:食堂、レストラン、料理店、喫茶店、ファーストフード店、 テイクアウト専門店(店内で調理した飲食料品を渡すもの)、宅配専門店(店内で調理した飲食料品を配達するもの)、仕出し料理店 など

○ 1号特定技能外国人が従事する業務は、外食業全般(飲食物調理、接客、 店舗管理)。

○ あわせて、当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務(原料の調達・受入れ、配達作業等)に付随的に従事することは差し支えない。

上記に該当する業務内で人材を採用したい場合、外国人に従事してもらうことが可能です。週28時間の時間制限があるアルバイトではなく、フルタイム勤務ができるようになります。

5年間という期間ですが、短期的な活かし方と、中長期的な活かし方があります。

2020年の東京オリンピック、2025年の大阪万博に向けて、訪日外国人の需要が拡大していくため、短期的な人材補強には最適です。海外からの顧客は多い観光地や繁華街で出店をする飲食店にとって、強い味方になるでしょう。

訪日外国人の集客については、『いつも外国人観光客で賑わっているレストランは○○を活用していた』(https://colum.shokujob.com/news/2018/07/3398/)や、「『なぜ、あの飲食店は中国人観光客(訪日外国人)といい関係を築くことができるのか』(https://colum.shokujob.com/news/2018/06/3078/)というコラムで取り上げてきました。

中国や韓国など、それぞれの国に応じられるスタッフが常駐していれば、語学対応や接客ができて、顧客満足度・集客力を上げられるようになります。

外国人採用には迷っているが、外国語対応だけでも対策したい場合は、大阪観光局による外国語メニュー作成サービスを利用できます。

わたしたちの会社でも外国語メニュー作成(https://www.ppr-do.co.jp/other/)をお受けできますので、導入されたい場合は、お問い合わせください。

話を本題に戻します。

中長期的な視点では、期間をずらして、受け入れ続けるサイクルの仕組みを構築することです。居酒屋・ファストフード店など、大量の労働力が求められる大手チェーンなどで、積極的に活かされるでしょう。

一般社団法人日本フードサービス協会(https://www.jfnet.or.jp/contents/gaikokujinzai/)は、2019年3月、新設される在留資格「特定技能」の取得試験にむけて、学習テキストを作成・公表しました。4月からは国内試験が予定されています。

14業種でも、ほかの業種に先駆けて、外食業は新しい動きが起きています。

さいごに

外国人・留学生を採用したい飲食店が知るべき「特定技能」入門(中編)

「特定技能」の基本的な内容と、外食業での活かし方を解説しました。今回の内容を、3点にまとめておきましょう、

①「特定技能」には、即戦力となる1種と、熟練度の高い2種の2タイプがある。
②「特定技能」の対象業種は、1種が14業種、2種が2業。直接雇用でフルタイム勤務が可能。
③外食業では短期的にはインバウンド対策、中長期的に大量の人材確保として活かす。

次回は、「特定技能」を外食業で活かすための注意点と、人材活用に成功するための着眼点を解決します。

わたしたちは、関西に特化した飲食業界で働くための求人サイト「食ジョブ」(https://shokujob.com/)を運営しています。飲食で働くことに興味のある幅広い世代の方から高い評価をいただいています。掲載や採用に関して、お気軽にお問い合わせください。

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(*本文は2019年4月15日時点の情報です)

【参考文献・サイト】
⁽¹⁾厚生労働省|運用要領
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/global_cooperation/01.html
⁽²⁾電子政府の総合窓口|外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/428AC0000000089_20171101_000000000000000/0?revIndex=1&lawId=428AC0000000089
⁽³⁾法務省|新たな外国人材の受入れに関する在留資格「特定技能」の創設について
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/gaikokujinzai/kaigi/dai2/siryou2.pdf
⁽⁴⁾農林水産省|外食業分野における新たな外国人材の受入れについて
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/gaisyoku/attach/pdf/gaikokujinzai-5.pdf

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