焼肉市場学~A5ランク・炭火焼肉・国産和牛だけでは、なぜ勝てないのか~①

焼肉市場学~A5ランク・炭火焼肉・国産和牛だけでは、なぜ勝てないのか~①

今回のコラムでは、焼肉市場の分析を5回のシリーズで行います。

とくに考えたいのは、なぜ焼肉市場が好調なのか。さらに激化するライバル店との競争でいかに勝ち抜くのか、というテーマです。

世の中の焼き肉店では、お得な食べ放題やボリューム感をアピールして家族層や若者層を集めている店舗も少なくありません。

一方で、他店とは差別化をするためにA5ランクや炭火焼肉、国産和牛といった高級感・安心感を打ち出すケースも数多くあります。

しかしながら実際のところ、価格戦略や食材にこだわると似たり寄ったりになる傾向があります。

お客様にとって、魅力的な焼肉店とはなにか。
どうすれば他店よりも来店してもらう動機づけとなるのか。

そもそもなぜ焼肉が多くの支持を集めているのか。
本質を掘り下げることによって、焼肉市場で成功する条件を考えていきます。

まずは焼肉市場の現状を見ながら、人気の背景に迫っていきましょう。

焼肉人気の現状

今回焼肉市場に注目したのは、ある理由があります。

ここ最近の動向として、外食市場全体の規模が拡大していっています。
株式会社リクルートライフスタイルの「外食市場市場調査(2017年10月度)」(1)によると、8か月連続で前年比プラスという伸び。
焼肉・ステーキ・ハンバーグ等の専業店
とりわけ好調な動向を示しているのが、「和食料理店」「焼肉・ステーキ・ハンバーグ等の専業店」の業態でした。前年に比べて売上を47億円以上、拡大させています。

ですが「和食料理店」はすしや割烹、料亭を含む業態ですが、景気に左右されてしまう傾向があります。場合によっては、食べ物のトレンドにも影響されます。
居酒屋(焼鳥・串焼き・串揚げなどを含む)
これは「和食料理店」だけではなく、「居酒屋」「中華料理店」「フレンチ・イタリアン料理店」にも当てはまることだと言えます。安定した売上を継続的に期待することは、決して簡単な業態ではありません。

一方で「焼肉・ステーキ・ハンバーグ等の専業店」は、一定の人気があります。約300億円規模の売上を行き来しながら、堅調に伸ばしています。なかでも焼肉は、安定した売上が期待できる業態です。

BSE問題・食中毒などの影響を受けて、左右されることもあります。しかしながら、人気の高さはほかのジャンルと比べても圧倒的と言えるでしょう。

博報堂生活総合研究所による定点調査(2)によれば、「好きな料理は何ですか?」という質問に対して「焼肉」と答えた人の割合は70.5%と公表されています。

「焼肉」以外には「ラーメン」「寿司」にも、高い支持が集まっています。国民的フードと言えるほどの「焼肉」ですが、その人気は300億円という市場規模にもきちんと反映されていると言えるでしょう。

次回のコラムでは、焼肉がこれほどまでの人気を誇っている理由を探ります。

【参考文献・サイト】
(1)外食市場市場調査(2017年10月度)|株式会社リクルートライフスタイル

(2)生活定点1992‐2016|博報堂生活総合研究所

PAGE TOP