マクドナルドから学ぶ売上アップ術~なぜ25か月売上高を伸ばし続けているのか~②

マクドナルドから学ぶ売上アップ術~なぜ25か月売上高を伸ばし続けているのか~②

今回はシリーズで、日本マクドナルドHDの復活劇についてコラムをお届けしています。

2017年12月時点で25か月連続、既存店の売上高を伸ばしてきた同社。2014年~2015年にかけて不祥事を起こして、349億円という赤字を記録しました。

なぜ黒字に転換することが出来たのか。

前回は、代表取締役社長兼CEOであるサラ・カサノバ氏がテレビ出演した際の発言を参考にしながら、従業員へ行った対策を紹介しました。

特記すべきは売上が低迷する中で、社員の基本給をアップさせたこと。

カサノバ氏は、現場主義を徹底しています。47都道府県の店舗に足を運んで、スタッフをはじめお客様の不安や不満を的確に読み取り、解消させる方法が極めて秀逸です。

今回は、お客様に対して行った施策を紹介します。

社長がマック離れしたママ層とミーティング

注目したいのは、ママ層と向き合った点です。
というのも、食に対してもっともシビアな層だからです。
タウンミーティングwithママ
そこでカサノバ氏は「タウンミーティングwithママ」を47都道府県で開催しました。

一連の事件以降も来店し続けているママ層に来店しなくなったママ友を連れてきてもらって、想いの内を聞くというミーティングです。

352名のママから、食の安全性やトレーサビリティ、健康面に関する意見・質問が集まりました。

結果、包装前面にQRコード(原産国や栄養情報にアクセスできる)の表示や、Q&Aサイトの公開といった対策を行いました。

また子供たちが野菜を手軽に食べれるように「ミネストローネ」や「コーンクリームスープ」など、野菜が豊富なスープメニューを新発売。

さらには「妖怪ウォッチ」や「すみっコぐらし」、「キュウレンジャー」と「ハローキティ&サンリオキャラクターズ」「ポケモンGO」といった人気キャラクターとコラボをして、ハッピーセットのおもちゃを充実させました。

子供たちが安心して楽しく食事が出来るようにすることは重要です。しかし、それ以上に功を奏したことがあります。

不安材料を解消することで、必然的にママ層・ファミリー層の客足・売上が伸びたことです。ハッピーセットは460円~500円。お子様の顧客単価は決して高くはありません。

一方で、ママ層・ファミリー層は、主軸商品・セットをオーダーします。とりわけ客単価を押し上げることに成功した商品があります。価格を下げるのではなく、品質を上げることに成功しました。

例えば、2017年に発表したレギュラー商品「グラン」が挙げられます。肉厚のビーフで作る本格ハンバーガーです。

「グラン」の種類は「クラブハウス」(490円)、「ベーコンチーズ」(390円)、「てりやき」(390円)の3つ。

ちなみに今までもっとも高いレギュラー商品は「ビッグマック」(380円)でした。

「グラン」だけではなく、「チキンマックナゲット」の期間限定ソース「夢のオマールエビソース」と「贅沢チーズフォンデュ ソース」や、「三角チョコパイ」といったサイドメニュー・スイーツも好評で、顧客単価をアップさせて行きます。

結果的に月次IRニュース(2018年1月5日発表)によると、2017年1月~12月にかけて客数が8.9%、客単価が3.0%、前年比でアップしました。(1)

一般的な常識で見れば、一度離れてしまったママ層と向き合うことには抵抗があります。厳しい批判を受ける可能性があるからです。

しかしカサノバ氏は自ら近づいて、ママ層を味方にしたのです。現場の不安や不満をいかに汲み取って、解消することができるか。

これが窮地を脱するたった1つの手立てだと教えられているようです。

最後に

現場の不安や不満をいかに汲み取って解消することができるか
マクドナルドHDは今回紹介した内容だけではなく、もちろんですが様々な対策をしてきました。その多くが、約6,000名のお客様から集めた声に応えたもの。

ちなみに不祥事に対する不安ではなく、店舗やトイレの清掃・衛生面、ネット環境やテーブル配置など使い勝手の良さに対する意見が多かったようです。これは現場でしかわからないことではないでしょうか。

もし経営陣が現場に出向かず、不祥事の解決にだけ専念していれば復活は困難だったでしょう。

今後もどのように売上を伸ばしていくのか、カサノバ氏をはじめとする経営陣の手腕に目が離せません。

【参考文献・サイト】
(1)日本マクドナルドホールディングス株式会社(2702)【月次IRニュース】

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