現役営業マンが語る、個人事業主が法人化するデメリットとは

今回のコラムでは某飲食店サポート社の現役営業マネージャー直伝の【個人事業主が法人化するメリットとデメリット】をご紹介します。

「経営者の方はいつも悩んでいる!」と現役営業マンI氏が語る『事業の法人化』。個店の飲食店オーナーの中でも、法人化を視野に入れている方も多いのではないでしょうか。しかし、法人化することで結果どういったことが変わっていくのか分からないまま、結局決定を先延ばしにしている方も少なくはありません。

果たして、経営は法人化するほうが良いのか否か。今回はより良い経営をしていただくため、個人事業主が法人化するメリットとデメリットをわかりやすく説明していきます。

納税…支出が多すぎてお金が残らない!

「店長、損してない?」現役営業マンが語る、個人事業主が法人化するメリットとは?
「どんなに売上が良くても、支出が多くて、結局残るお金はたったわずかなんだよ。」
昔、筆者が学生時代働いていたアルバイト先(個店の焼鳥屋)の店主がそう嘆いていました。

材料費、人件費、家賃、光熱費、そして納税…など、売上が多くても支出は減らない。
個人事業主のオーナーにとって、結局自分の手もとに残るお金はほんのわずか。このことで悩んでいるオーナーも多いはず。

『「少しでも手元に残るお金を増やしたい。」そう考える飲食オーナーは、法人化を視野に入れるのも1つの方法です』と現役営業マンのI氏は語ります。

法人化する「メリット」3つ

「店長、損してない?」現役営業マンが語る、個人事業主が法人化するメリットとは?
個人事業主が法人化することで生まれるメリットは主に3つ。

①節税対策になる
②有限責任にできる
③対外的信用力があがる

という3点です。
では、具体的にはどういった利点につながるのか詳しく見ていきましょう。

①節税対策

「店長、損してない?」現役営業マンが語る、個人事業主が法人化するメリットとは?
まず1つめは、多くの飲食店オーナーにとってうれしい『節税』ができるということ。
企業の利益にかかる税金は、「法人税」+「法人住民税」+「法人事業税」を合わせた実効税率で34.62%と一定。一方で、個人の所得に対し課税される「所得税」には累進課税がとられているため、所得が増えるほど納税の金額が上がっていくという仕組みがあるのです。

この税を年間計算すると年間の所得が500万円を超えるときには法人化したほうが節税になると言います。

実際に財務省が提唱する所得税の税率構造をもとに、個人の所得に対する累進課税を所得別に比べてみると・・・

・所得195万円以下の部分は5%
・所得195万円を超えて330万円以下の場合は10%
・所得330万円を超えて695万円以下の部分は20% (平成25年改正)

(参照元:https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/income/b02.htm

上記のように、利益に比例して納税の金額が高くなっていくのがわかります。
税率は所得によっては、最高40%に及ぶケースも考えられます。
そうなると、法人の実効税率より6.38%も高い税金を納めているということになり、オーナーとしてはちょっぴり損した気分。「せっかく頑張って稼いだのにお金がない!」と感じる方が多いのは、この累進課税による所得税が原因かもしれません。

ちなみに「住民税」に関しては、どの市区町村に住んでいても、一律で所得の10%を支払う「所得割」+市区町村により算出の仕方が異なる「均等割」の合計を支払うということになっています。

②有限責任にできる

「店長、損してない?」現役営業マンが語る、個人事業主が法人化するメリットとは?
2つめは有限責任にできるという点です。

個人事業では、経営が悪化した際に、仕入れ先への未払いや金融機関からの借入金、滞納している税金などを個人の負債として背負い続けることになります。

一方、法人化し「株式会社」や「合同会社」にした場合は、個人保証による借入をのぞくと、会社の出資金の範囲内での責任のみ背負うという形になります。

このことは、万が一のことがあった場合に、オーナー個人の責任ではなく「会社」という枠組みの責任として処理することができるため、オーナー個人のリスクが低くなるというメリットがあります。

ただし、取締役(オーナー)の会社に対する損害賠償の有限責任については、原則として株主全員の同意がなければ免除することができません。(会社法424条)しかしこの原則だけが一貫すると、高額な損害賠償が請求されるなといったリスクから、経営が萎縮してしまう可能性が生じます。

そのため、会社法は取締役(オーナー)が善意・無重過失であった場合に、一定の範囲で責任の減免できると定めています。これが2つめのメリット「有限責任にできる」ことの仕組みです。

③対外的な信用力が上がる

「店長、損してない?」現役営業マンが語る、個人事業主が法人化するメリットとは?
3つめは法人化することで信用が上がるという点。これによるメリットは

⑴取引先の幅が広くなる
⑵求人・採用面で強くなる

という2点が挙げられます。

実は、仕入れ先や契約企業の中には、未払い金のリスクなどを懸念して取引先を法人に限定している企業も多く実在するのです。

金融機関からお金を借りる際も、個人では事業目的の融資は受けにくく、借入できても保証人を求められる場合が多いのが現実。

また、採用面においても

「無理な働きを求められるのではないか。」
「福利厚生が整っていない。」

などの問題や先入観から求職者が集まりにくいということもあります。
これらの点を踏まえ、法人したほうが相手に安心感を与えられ、人材を得やすくなるメリットも生まれるのです。

信用力を上げるには、株式会社化するのが、もっとも近道です。株式会社は、前株・後株どちらにすべきか迷う方が少なくありません。具体的な付け方はこちらをご覧ください。

店長、損してない?知識もしっかり身に着けることが大切!

以上、個人事業主が法人化するメリットを3つに分けてご紹介しました。

⑴節税 ⑵オーナー個人のリスクの減少 ⑶対外的な信用度の獲得

事業の拡大には欠かせないこの3つの要素。
オーナーのお店の将来に関わる大きなメリットだと言えるでしょう。

また、現役営業マンI氏は次のように述べます。

「お店の金銭回りを税理士に丸投げのオーナーさんも多いですが、あまり良いとは言えません。経済に詳しい税理士さんも飲業界についてはさほど知らない、ということもあるでしょう。通常の営業をしながらすべてを管理することは難しいですが、オーナー自身がしっかりと正しい知識を得てお店の現状を知っていくことも大切です。」

「何か損してるなぁ」とお考えの飲食オーナーさんは、一度自分のお店を法人化するということを視野に入れてみてもいいかもしれませんね。

関西のエース税理士法人には飲食店に特化した専門の税理士・社労士さんもいらっしゃいます。
お悩みのオーナーはぜひ株式会社PPRへお気軽にご相談ください。

続編では、もっと詳しく知りたい方のために、個人事業主が法人化することのデメリットをご紹介します。

【参照URL】
〇「経営ハッカー」 https://keiei.freee.co.jp/
〇「弁護士法人クラフトマン」 http://www.ishioroshi.com/biz/kaisetu/kaishahou/index/torisimariyaku_sekinin/
〇財務省 https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/income/b02.htm

〇飲食サポート会社株式会社PPR公式HP https://www.ppr-do.co.jp/
〇エース税理士法人 https://af-zeikin.com/

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