著作権の侵害に!?TVを設置・放送する飲食店が注意すべき法律のこと

2021年に開幕を控えた東京オリンピックに、 2026年のFIFAワールドカップ。 世界各国の人々の注目を集める五輪オリンピックやW杯は、 飲食店にとって集客アップの絶好のチャンス! それも、2014~2018年にかけて サッカーや五輪競技を応援するスポーツバーが続々と登場し オリンピックやW杯などの大きな試合中継は、 家でなくスポーツバーなどの飲食店のテレビで大勢の人と 観戦するという文化が日本でも定着しました。 もはや見逃すことのできない特大イベントだといえます。

これって違法⁉五輪をテレビ放送する飲食店が注意すべき驚きの事実

そんな、大盛り上がりのパブリックビューイングですが、 実は、飲食店にとってとっても危険な落とし穴があることをご存知でしょうか…。 それは、「著作権の侵害」となる可能性が高いということ。 意外と知られていないのですが、 不特定多数の人が出入りするお店でTV放送を流すことは 場合によって「著作権の侵害」となるケースがあるのです。

◆どこまでOK?著作権を侵害するということ

これって違法⁉五輪をテレビ放送する飲食店が注意すべき驚きの事実

著作権とは、

知的財産権の一。文芸・学術・美術・音楽の範囲に属する著作物をその著作者が独占的に支配して利益を受ける権利。著作物の複製・上演・演奏・放送・口述・上映・翻訳などの権利を含む。著作権は、著作物が創作された時に発生し、原則として著作者の死後50年を経過するまで存続する。

デジタル大辞泉より引用) 上記のことで、これらを無断で利用した場合に 「著作権の侵害」として違法判決されます。 近年よくあるのが、お店の雰囲気に合った映画や DVDをスクリーンで流しているバルやダイニングバー。 実は、これも著作権の侵害に値するのです。 このように、知らず知らず著作権を侵害していたことを 警告の書面が届いて初めて知ったというパターンも珍しくはありません。 飲食店オーナーの皆さんのお店は大丈夫でしょうか? TVスクリーンや観戦ができることをウリに媒体や雑誌で打ち出してはいませんか? 知らなかったという方は今すぐ要改善してください。 何がダメで何がいいのかを1つ1つ検証していきましょう。

1:テレビ放送

これって違法⁉五輪をテレビ放送する飲食店が注意すべき驚きの事実

バラエティーやニュースなどリアルタイムで放送されている番組を 店舗のテレビで流すことは、著作権の侵害にはあたりません。

ただし、違法でないのは以下のケースです。

  • 営利を目的としない場合(鑑賞料がある場合NG)
  • 有線放送でリアルタイムで放送されている番組に限る

※通常の家庭用受信装置を用いてする場合も同様。 上著作権法38条3項にある 上記条件を満たしている場合のみに限ります。

2:DVD上映

これって違法⁉五輪をテレビ放送する飲食店が注意すべき驚きの事実

一方で、DVD上映は注意が必要です。 私たちがテレビ番組を録画し後から観るのは あくまでも「私的利用のための複製」にあたります。

しかし、飲食店など不特定多数の人が入退店する環境で 録画番組を流すのは「私的利用」の範囲を 大きく超えることになってしまうのです。 それがたとえ購入したDVDだったとしても、 無断で上映すると「上映権の侵害」となります。

中には「自分のお金で買ったんだから大丈夫でしょ!?」 と考える方もいるかもしれません。 しかし、購入者が得たのは「DVDの所有権」であって 収録されている映像の「著作権」ではないのです。

それでも「DVDを店舗で上映したい」という場合は 「業務用DVD」を使用することをおすすめします。 これは映像の著作権を持っている映画会社から 許可を得ているDVDであるため、 店舗などでも問題なく流すことができますよ。

3:パブリックビューイング

これって違法⁉五輪をテレビ放送する飲食店が注意すべき驚きの事実

最後は、本日のお題「パブリックビューイング」です。

近年の飲食店では、 世界大会などスポーツのテレビ中継がある時に 「日本代表を応援しよう!」 「大型スクリーンで試合を鑑賞」 と大々的に宣伝している店舗が目立ちます。

しかし、このような運営方法をしている店舗は 著作権法上問題になる可能性があるのです。

理由は主に2つ。

1つめは、パブリックビューイングで上映するスポーツ中継は、 著作権法の「映画著作物」に該当すると考えられている点。 2つめは、家庭用ではない大きなスクリーンで営利的観戦を行う点。

これらが「違法」だと見なされる要因となるのです。 過去、W杯の南アフリカ大会が開催されていた際、 山梨県のとあるホテルが300インチの大型モニターで パブリックビューイングを行っていたことがあります。

しかし・・・

  • 著作権元のFIFAから上映の許諾を得ていなかったこと
  • 観戦に2,500円の飲み放題プランを含めていたこと

上記が問題視され、実際に上映の中止を求められてしまいました。 許可を得ないパブリックビューイングは 違法になる可能性があるため注意が必要です。

2020五輪オリンピック・2026年W杯に備えて

これって違法⁉五輪をテレビ放送する飲食店が注意すべき驚きの事実

店内でスポーツ中継を観戦することや 録画したDVDを流すことが著作権の侵害になるなんて 思いもよらなかったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

皆さんもお考えの通り、五輪オリンピックやワールドカップは 集客をするには申し分のない世界的ビッグイベントです。 しかし「10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金、 5年以下の懲役又は500万円以下の罰金」などといった 著作権侵害のリスクを考えると慎重にならざるを得ません。

もし今後、店舗でパブリックビューイングを打ち出したい場合は 権利を所有している各窓口に問い合わせた上で行うようにしましょう。 以上、五輪目前に著作権の侵害⁉TVを置いているお店が知っておくべき驚きの事実でした。

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