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なぜ外国人の行列が絶えない?人気ラーメン店の理由を探る①

なぜ外国人の行列が絶えない?人気ラーメン店の理由を探る①

 
東京や大阪、福岡の市街地では、外国人客がラーメン店に並ぶ光景をよく見かけます。
近年、人気を急上昇させている日本食、ラーメン。

大手チェーンの『一蘭』やミシュランで星を獲得した『蔦』など、名立たるラーメン店が、世界から高い評価を集めています。一方で、訪日外国人の心をつかみきれていないお店もあります。

なぜ、あの人気ラーメン店には外国人客の行列ができるのでしょうか。この問題について、今回はシリーズにわたって解説をします。

前編では、日本食として外国人から高評価を受けているラーメン店ですが、ラーメン店ごとに人気に差が生じる理由がどこにあるのかを説明します。

後編では、これからインバウンド対策をしたいラーメン店が、訪日外国人を集客するうえで押さえておくべきポイントを3つにまとめています。

日本食・ラーメンの人気ぶりとは

日本食・ラーメンの人気ぶりとは

 
本題を説明する前に、近年の訪日外国人の食事情を学んでおきましょう。

訪日外国人が訪日前に期待していたことについて、国土交通省による調査報告⁽¹⁾が公表されています。

・1位「日本食を食べること」(76.2%)
・2位「ショッピング」(56.6%)
・3位「自然・景勝 地観光」(46.8%)
・4位「繁華街の街歩き」 (40.0%)
・5位「温泉入浴」(33.4%)

日本食への関心の高さが、調査結果からわかります。
しかし日本食と言っても、多岐にわたります。

どんな日本食が人気で、ラーメンはどれほど支持を集めているのでしょうか。

訪日外国人消費動向調査⁽²⁾では、「日本滞在中の飲食で最も満足したもの」というアンケートに対して「寿司」と「ラーメン」、「肉料理」、「魚料理」に人気が集中しています。

とくに最も満足した飲食の割合を国籍・地域別にみると、韓国と香港は「肉料理」(それぞれ 26.8%、22.6%)、台湾は「ラーメン」(27.4%)、中国は「魚料理」 (22.0%)、米国は「寿司」(23.4%) の割合が高いことがわかりました。

「ラーメン」は、中国(21.2%)とアメリカ(19.5%)からも票を獲得しています。

日本のラーメン=豚骨ラーメン?

ラーメンと言っても、スープによって味は別物。
ラーメンの種類で訪日外国人から好まれるのは、豚骨⁽³⁾です。

豚骨ラーメンがもっとも評価されている国は、韓国。韓国人の肉好きが影響している可能性が考えられています。

「外国人観光客は「豚骨」を日本のラーメンの代表として見ているのかもしれない」という見解もあるようです。

行列のできるラーメン店の代表格として『一蘭』や『一風堂』が挙げられますが、どちらも豚骨ラーメンのお店。

「ANNnewsCH」のニュースでは、豚骨ラーメンで有名な『麺処 金田家』を事例に、ロンドンでの豚骨ラーメンブームが紹介されていました。

 

 

フランス・パリのオペラ座界隈でも、ラーメンブームが起こっており、その中心を『一風堂』や『なりたけラーメン』といった豚骨ラーメン店が担っています。

アジア圏、欧米諸国に関係なく、豚骨ラーメンがグローバル規模で好まれている事例は枚挙にいとまがありません。

寿司や割烹料理といった洗練された味わいだけではなく、濃厚でこってり系の豚骨ラーメンも日本を代表する和食として、その魅力が世界規模で浸透しているのだと、筆者は考えています。

勝負は事前に決まっている

勝負は事前に決まっている

 
豚骨ラーメンを筆頭に、人気日本食として不動の地位を確立しつつあるラーメン。
なぜ外国人の行列ができるお店と、できないお店があるのでしょうか。

ヒントは、外国人による情報収集の特性にあります。結論から言えば、訪日外国人は旅行サイトではなく、SNSやブログ、口コミサイトから、旅行に関する情報を集めています。

この行動を理解した上で対策をしなければ、集客を期待できません。では、どのような特性があるのでしょうか。

国土交通省の調査⁽²⁾では、出発前に得た旅行情報源で役に立ったものが発表されています。

・1位「個人のブログ」(31.2%)
・2位「SNS」 (21.4%)
・3位「自国の親族・知人」(17.5%)

日本旅行の様子を紹介する個人ブログが、もっとも票を獲得しました。

世界的に知られる旅ブロガーが、日本のグルメ事情を伝えているブログは多数あります。一例を紹介しておきます。

「OneStep4Ward」
https://onestep4ward.com/

「adventures around asia」
https://www.adventuresaroundasia.com/

「madame oreille」
https://www.madame-oreille.com/

「Aussie on the Road」
http://www.aussieontheroad.com/

ラーメン店に限って言えば、アメリカのブライアン・マクダクストン氏が有名です。訪れたラーメン店は1000軒以上。

「Ramen Adventures」(http://www.ramenadventures.com/)というブログで、食べたラーメンを記事にして紹介しています。中には1つのレビューに対して、約20万件のアクセスが集まることもあります。

このような旅ブロガー・グルメブロガーによる記事が、訪日外国人にとって旅行をするための情報源です。

ただし今回のコラムではブログではなく、とくに近年、利用者が増加しているSNSについて掘り下げてみます。なぜならブログからSNSの時代にシフトしつつあるからです。

人気ブロガー自身が、ブログだけではなくSNSを重宝しています。先ほど挙げたブロガーもSNSを駆使しながら情報発信しています。

SNSについて、国別ごとの利用率はどうなっているのでしょうか。国土交通省の調査⁽²⁾では韓国・中国、香港で、SNSが重要視されていることがわかりました。

・1位「韓国」(39.8%)
・2位「中国」(28.4%)
・3位「香港」(22.0%)
・4位「タイ」(19.8%)
・5位「台湾」(16.6%)
・6位「アメリカ」(14.9%)

しかしSNSと言っても国別によって、おもに利用されているSNSは異なります。「香港」「タイ」「台湾」は、Facebook・YouTubeがメイン。

「韓国」では「Facebook」「YouTube」に加えて、「NAVER Cafe」という自分と同じ興味関心を持つコミュニティに入れるSNSも多大な影響力があります。

「中国」で利用されているのは、中国独自の「Weibo」「WeChat」。「アメリカ」は、「YouTube」が寡占状態にあります。

世界全体で見れば、動画サイトである「YouTube」の影響力の高さを物語っています。いずれにしても、訪日外国人がどこの飲食店を訪れるかは、インフルエンサーや著名人、友人・家族によるSNS情報が決め手になっているということです。

事前情報によって、すでに勝負は決まっていると言っても過言ではありません。つまりラーメン店に行列ができるか否かは事前に決まっている、ということです。

では、どのようなラーメン店が、インフルエンサーや人気アカウントによって、SNSで投稿・シェアされやすいのでしょうか。訪日外国人にウケやすく、注目を浴びやすいのでしょうか。

飲食店がお店のSNSを運用する方法はいくつもありますが、どうすれば外国人から投稿されやすくなるのか、という方法はあまり明かされていません。

訪日外国人向けの味を追究することは必須です。しかし情報収集の時点で勝負がついているので、SNSでアップ・シェアされやすい方法についても研究すべきでしょう。

後編ではYouTubeで紹介されているラーメン店を事例に、外国人からSNSで紹介されやすいポイントを解説します。

さいごに

さいごに

 
ラーメンブロガーのブライアン・マクダクストン氏も、自身の
YouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/user/brianramen)を開設しています。

現時点でチャンネル登録者数は53,069人(2019年8月5日時点)。ミシュラン1つ星を取得した『鳴龍』や『蔦』が、約80万再生を誇っています。

『鳴龍』
 

 

『蔦』
 

 

ブライアン・マクダクストン氏のブログを読まなくても、YouTube動画を見るだけで、各店舗の魅力がわかりやすく伝わります。かつシズル感や臨場感もあるので、文字・写真情報よりも、来店の促進剤となりえるでしょう。

時代の流れとともに、人気グルメブロガーもYouTubeをはじめとするSNSを活用する動きが起きています。

ラーメン店は、グルメサイトや広告に掲載しながらも、どうすればSNSに投稿されるのかを意識した集客に手腕を発揮しなければなりません。外国人が訪日をする前に勝利を収められるように、今回・次回のコラムを活かしてください。

【参考文献・リンク】
⁽¹⁾国土交通省|訪日外国人の消費動向 訪日外国人消費動向調査結果及び分析 平成 26 年 年次報告書
https://www.mlit.go.jp/common/001084273.pdf

⁽²⁾国土交通省|訪日外国人の消費動向 訪日外国人消費動向調査結果及び分析 平成 29 年 年次報告書
https://www.mlit.go.jp/common/001230775.pdf

⁽³⁾日本交通公社|国籍と訪問地域でみた訪日客の「ラーメン」に関する分析
https://www.jtb.or.jp/column-photo/column-inbound-noodle-kawamura/

外国人客の集客に関するコラム

『なぜ、あの飲食店は中国人観光客(訪日外国人)といい関係を築くことができるのか』<1>
https://colum.shokujob.com/human_resources/2018/06/3072/

『なぜ、あの飲食店は中国人観光客(訪日外国人)といい関係を築くことができるのか』<2>
https://colum.shokujob.com/human_resources/2018/06/3078/

『いつも外国人観光客で賑わっているレストランは○○を活用していた』<前編>
https://colum.shokujob.com/store_operation/2018/07/3398/

『いつも外国人観光客で賑わっているレストランは○○を活用していた』<中編>
https://colum.shokujob.com/store_operation/2018/07/3400/

『いつも外国人観光客で賑わっているレストランは○○を活用していた』<後編>
https://colum.shokujob.com/store_operation/2018/07/3402/

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