“和”を貫く老舗飲食企業が語る、進化と挑戦のこれから|株式会社GANKO

投稿日:2025年8月8日(金) 社長インタビュー

「がんこ」ブランドで知られる老舗飲食企業が、株式会社GANKOへ社名を変えて新たな挑戦へ。和食を軸に多業態を展開し、従業員とともに進化を目指す姿勢を小嶋社長が語ります。

株式会社GANKO 代表取締役 小嶋 達典 (こじまたつのり)

Q:小嶋社長、今日はよろしくお願いします。まず最初に小嶋社長がどういった経緯で、株式会社GANKOさまの代表取締役に就任されたのか?そのあたりからお聞かせ願えますでしょうか?

前身である がんこフードサービスに入社する前、僕は弊社のお客様が会社員の方が多い、ということもあり、その会社員の方がどういったお金の使い方をされるのか?を勉強する為に、三洋電機株式会社で2年間、お世話になりました。そこでの飲み会で当時の上司が「この後、帰って家で飯くうねん!」って言ったのは今でも鮮明に覚えていますね。「フードで単価を上げるのは難しいことなんだな」と痛感しました。そんな事を学んだ後に入社。京都の店舗に配属され3店舗目の店舗で店長を任されたのちに本部で商品企画、営業本部長を経て2018年に代表取締役に就任しました。

Q:ありがとうございます。「がんこ」と耳にすると「和」を連想される読者も多いかと思います。その当たりは意識されてのことなのでしょうか?

そうですね。社内の雰囲気も「和」がベースになっています。弊社は、とんかつやハンバーグをメインにしたお店もありますが、「がんこ」という名前のついたお店に関しては、料理はもちろんの事、日本の文化を大切にしたお店作りを心掛けております。がんこは幅広い日本料理を提供しています。なぜなら、よりたくさんのニーズにお応えする為にも、よりたくさんの日本料理を提供させて頂くようにしているからなんですよね。「がんこでよかった」と思ってもらえる料理を提供していくことを意識して日々、邁進させて頂いております。

Q:「がんこに行けば、美味しい日本料理が食べられる」という信頼感を重視されてるんですね!昨年60周年という大きな節目を迎えられた中で、たくさんのご経験をされて今がおありかと思いますが、その中でも一番、大変だった出来事を経験されたのはいつ頃なのでしょうか?

起きた出来事の中で大変だったのは、もちろんコロナ禍ですが、大変な時期と言われると「今」だと感じています。このコロナでお客様の生活様式が様変わりしました。コロナ前は二次会利用のお客様も多くいらっしゃいましたが、コロナ後に二次会需要が減ってしまったり、大人数での飲み会も減ってきております。そういった生活様式の変化に応じて、弊社も変化していかなければいけない、と思っております。具体的には大人数で飲みにいける部屋がある事が強みでしたが、その大部屋を少人数のグループの方にもご利用頂けるように個室化していっております。若い世代の方にも受け入れて頂けるようなメニュー開発などにも力を入れてるところです。そういった様変わりした環境に対応をしていく大変さや難しさを、感じていますね。

Q:ありがとうございます。これから大変な時期を共にする従業員さんへはどんな思いをお持ちでしょうか?

ありきたりなのですが「がんこで働いてくれてありがとう!」という思いでいっぱいです。そして「思うだけ」ではなく、目に見える形で具現化していかなくてはいけない、と思っています。それがコロナ禍では出来なかったので、その辺りもしっかりと体制を整えていきたいですね。

Q:従業員さんがいらっしゃったからこそ、今がお在りですもんね!小嶋社長の根底に流れるお考えってどんなお考えなんでしょうか?

お客様と従業員を幸せにする事。シンプルですが、とても大切にしている考え方です。お客様には「ここにがんこがあって良かった!」従業員には「がんこで働けてよかった!」そう思ってもらえるように行動しています。そして次のステップとしては、社会にがんこが必要とされる会社を目指していきますよ!

Q:ありがとうございます。素敵ですね!そのステップにいく為には、これから仲間になるかも知れない読者の皆さんのお力も お借りしたいところではありますよね!そう考えると読者さんは、入社後どのようなステップを踏んでいくのか?が気になるところだと思いますが、その辺りはいかがでしょうか?

新入社員の方々には、まずは将来的に、どんな事がしたいのか?をしっかりとヒアリングさせて頂きます。そのことを踏まえ、お店での勤務をして頂きますが、最初の頃は、定期的にホールスタッフの方は調理場を、調理場の方はホールスタッフを、といった形で配置換えを行いながら、お互いの仕事を理解して頂きます。と同時に、月に1回のペースで集まって頂き、企業理念や働く上での心構えを学んで頂きますね。またヒアリングも配属前の1回だけにとどまらず、定期的にヒアリングをさせて頂き、皆さまにとっての幸せが何なのか?を追求するように心掛けております。

Q:なるほど!確かに入社後の環境によって、やりたい事は変わってくるので定期的なヒアリングは大切ですよね。ここで御社の人材育成における強みをお聞かせ下さい。

弊社は和食を中心にしたとんかつ、ハンバーグ、寿司、セントラルキッチン、様々なジャンルを持っているのでたくさんの経験を積んで頂けると思います。また調理系に限らず自身が希望すれば次の役職にステップアップするチャレンジができます。一般的には上司の推薦がなければ次の役職には昇進できないのではないか?なんて思われるかも分かりませんが、弊社ではご自身が希望され昇進テストをクリアして頂ければキャリアアップして頂ける仕組みを会社として取り入れさせて頂いております。

Q:そうなんですね。ご自身の希望でキャリアアップしていけるのは確かに強みですよね!最後になりますが、食の道を志す読者の皆様へのメッセージをお願い致します。

お客様がお金を払って「ありがとう!」と言っていただけるのは、お医者さまか、飲食店くらいだと思うんですよね。お医者さまは命を救って「ありがとう!」と感謝されるように、飲食店の仕事も「美味しかったよ!楽しかった!ありがとう!」と言って頂けます。そして私たちが、お客様に幸せになって頂く為に取り組んだ事がダイレクトに伝えられる仕事だと思っています。提供するお料理や、お店の雰囲気に対して「ありがとう!」と感謝して頂けるわけです。よく考えたら凄いことですよね!その辺りは、皆さまには感じて頂きたいところではあるのかな、と思いますね。また、チャレンジ精神を持って、飲食業界に飛び込んで頂きたい、と思っています。冒険ではなくチャレンジなんですよ。冒険は失敗したらどうなるか?それは、ご想像通りの事が起こります。しかし、チャレンジであれば、仮に失敗してもまたチャレンジできるんですよね。ですので私達がんこと一緒に、チャレンジして行きましょう。