「おもてなし」に一切の妥協なし。真心を届ける飲食企業|おもてなしフーズ
“おもてなし”に一切の妥協なし。コロナ禍に『矗々家』を引き継ぎ独立した上原社長が、現場主義の教育と従業員との信頼関係にかける想いを語る。
株式会社おもてなしフーズ 代表取締役 上原けい子(うえはらけいこ)
Q:上原社長、今日はよろしくお願いします。まず最初に株式会社おもてなしフーズの事業内容からお聞かせいただけますでしょうか?
大阪の曽根崎町にあるおでんを中心とした「常夜燈(じょうやとう)」、大衆居酒屋の多い難波でゆったりとお酒を楽しめる「矗々家(ちくちくや)」、そして同じく難波にある高コスパでご接待にもご利用いただける「天ぷら鉄板 菜庭-NANIWA-」の3店舗を運営している2020年10月に創業した会社です。

Q:ありがとうございます。2020年10月というとコロナ禍真っ只中ですよね。どのような経緯で創業されたのでしょうか?
私は、矗々家を含め、焼肉や居酒屋など多様な業態を運営する会社の幹部として働いていました。その会社では、複数の店舗のマネジメントや各店の女将の教育などを担当していたんです。しかし、コロナ禍に突入し業績が悪化しました。ですので、それまで好調だった矗々家を売却し、経営から切り離そうという話が持ち上がったんですよね。そして、売却先を模索する中で、身内の誰かに売ろう!という話が出ました。私もいずれはおでん屋を開き、常連客で賑わうお店を作ろうと夢見ていた身です。ですので、この話をチャンスだと捉え、思い切って矗々家を買い取らせていただいたんですよね。それが創業のキッカケとなりました。
Q:ピンチをチャンスと捉えられたわけですね。明けるのはまだか、と首を長くされていたコロナ禍だったかと思いますが、どのような考え方で乗り切られたのでしょうか?
大変な時期ではありましたが、お客さまはもちろん、従業員や取引業者さま、すべての方々におもてなしの心を忘れないようにしてまいりました。社名に「おもてなし」という言葉を入れた理由もそこにあります。私は、ただ単にお食事を召し上がっていただくだけでなく、楽しく、気持ちよく過ごしていただきたいという想いが根底にあります。ですので、美味しいお料理はもちろんのこと、ワンランク上の旅館やホテルにいるような空間を提供したいと考えています。

Q:従業員さんへはどんな想いをお持ちでしょうか?
私たちはお客さまへのおもてなしには一切妥協しません。そのため、時には厳しくなってしまうこともあります。それでも、日頃のコミュニケーションでお店を良くするための意見を積極的にくれる姿勢に感謝しています。
Q:従業員さんがいらっしゃるからこそ、お店の運営が成り立っているわけですね!さて、この辺りから「おもてなしフーズに入社すると、どうなるのか?」についてお話を聞いていきますよ!入社して最初に取り組むことはなんでしょうか?
調理希望の方は、まず最初に現場に入ります。これはどこのお店でも同じかもしれませんが、先輩につきっきりで1か月ほどのOJTがあります。先輩が手が空いているときは基本を一から学んでいただき、手が空いていないときは見て覚えていただきます。また、料理長を中心としたミーティングに出席していただき、味付けや盛付けについて学びながら、お客様に楽しんでいただくためのメニュー作りにも関わっていただくようになります。
Q:ありがとうございます。ホールスタッフについてはいかがでしょうか?
ホールスタッフも同様に、まずは1ヶ月のOJTがあります。料理の提供方法や名刺交換の仕方はもちろん、お客様のご来店時に添える簡単なお手紙の書き方についても学んでいただきます。当店は、ご接待にもふさわしいワンランク上の上質な空間を提供することをコンセプトとしています。そのため、開店前の時間などを有効活用して、きめ細やかな研修を行っていますね。

Q:なるほど。基本的には現場から学んでいくわけですね。でも、それが一番の近道かも分かりませんね!中長期的にはいかがでしょうか?
まさしく今、評価制度を作っているところなんですよ。私たちおもてなしフーズは2020年10月に立ち上げた会社で、コロナ禍しか経験してこなかった会社なんですね。ですので、コロナ禍があけた今に適した評価制度を作らないと、と思い急ピッチに整えているところです。ただ、「これができたらこんなインセンティブを!」といった一律に引く評価制度ではなく、Mtgを重ね、個々にあわせた評価制度を作っていけたらと思っております。
Q:本当にこれからですね!ここで、上原社長の考える飲食店の素晴らしさをお聞かせください。
曽根崎町、難波、という地域柄かも分かりませんが、幸いたくさんのお客さまにお越しいただくことができております。そして、そのお客さまはご年齢も違えば、ご職業も違うんですね。そんな方々をおもてなしさせていただくと、ならではのお話を伺うことができて、とても勉強になるんです。実際、矗々家も、お越しいただいたお客さまとのご縁があったからこそ、立ち上げることができたお店でした。お客さまとの出会いは、自分自身がステップアップできる貴重な機会です。そこが飲食店の素晴らしさだと考えています。
Q:ただ単に丁寧に接客しましょうというだけでは、そのようなお考えには至りませんよね。おもてなしの心を大切にされている上原社長ならではのお考えだと思います。
私には「お客さまに喜んでいただきたい」「お客さまに楽しんでいただきたい」という想いが根底にあります。これは自慢でもなく、いい人に見られたいわけでもなく、うそ偽りのない本心なんですね。先ほどもお話しましたが、そこに一切の妥協はないんです。そして結果的に、はじめてお越しいただいたお客さまが「このお店がいいって聞いてきたんだよ」なんておっしゃっていただけると、本当に幸せな気持ちになるんですよね。ですので飲食店のお仕事は、本当に素晴らしいお仕事だと思っております。

Q:幸せの連鎖ですね!最後になりますが、読者の皆さまへメッセージをお願いします。
飲食店のお仕事は、毎日のようにさまざまな方との出会いがあり、一生かけてできる奥深いお仕事だと思います。その奥深さを料理とおもてなしで追求していくことができます。ぜひ、お力をお貸しいただけたらと思っております。