「帰ってこれる職場」をつくる──人脈・教育・挑戦が交差する職場力|株式会社orb
オマール海老の掴み取りで話題の「orb」が、なぜ人が辞めない飲食店なのか?月1回の全体Mtgで“自分に価値をつける”文化、卒業生が戻ってくる社風。その秘密を、代表・佐野知成が語る。
株式会社orb 代表取締役 佐野 知成(さのともなり)
Q:佐野社長、今日はよろしくお願いします。まず最初に佐野社長がどういった経緯で、オマール海老で勝負をされようと思われたのか?をお聞かせください。
お初天神に僕たちにとって、モデルとなるようなオマール海老を使ったお店があって、そのお店は高級志向のお店だったんですよね。そのお店を見て、料理のクオリティも下げずに、雰囲気もバル業態にして気軽に入って頂ける雰囲気にし、その上でリーズナブルな価格にしていこう!と思った事がオマール海老で勝負しよう!と思ったキッカケですね。そしてそこから更にひねって「オマール海老の掴み取り」や「掴み取ったオマール海老のグラム当てクイズ」という発想を取り入れ「楽しさ」を追求しました。
Q:ありがとうございます。そういった経緯で、オマール海老のお店といえばorbさん!というほどのお店になられたんですね!そこに行きつくまでに、何かご苦労されたことなどはありましたか?
僕は何事にも「楽しさ」を追求しているので苦労を苦労と思わないんですよね(笑)。強いて挙げるとすれば、今が一番苦労している時期かもしれないです。今まで作り上げてきたお店のコンセプトをもっともっと世の中に広めていって、たくさんの方々に海老料理を楽しんで頂きたい、と思っているんですよ。今、まさしく、そこに挑戦していて、ひとつの壁にぶち当たってるところなんですよ!

Q:「掴み取り」ができるお店なんて、そうそうないですもんね!その壁をどう乗り越えようとされてるのでしょうか?
「ひねり、動く」この考え方で行動していくことはもちろんの事、美味しさと一緒に楽しさを追求していき、今いるスタッフとこれから仲間になるスタッフと共に、この壁を乗り越えていこうと思っています。
Q:ありがとうございます。ここで「スタッフ」という言葉が出ましたが、今までorbさんを支えてきてくれたスタッフにはどのような思いをお持ちでしょうか?
とにかく楽しんで仕事をして欲しい、と思っています。そもそも飲食店の仕事というのは楽しいものなんですよ。世の中では「3K」なんて言われてますが決してそんな事はないんです。お昼頃に起きて仕込みをしてお店をあけて、お客さまと楽しい会話をしながら、時にはお酒を頂戴することもある。こんな楽しい仕事はない!と心の底から思っているんですよ。

Q:確かに…。なんか3Kという言葉自体が一人歩きしているイメージがありますよね。orbさんでは、その一人歩きしているイメージに対して何か具体的に対策されてることなどはございますか?
弊社内では3Kと言われるような労働環境は、もうなくなっていると思っています。正社員であれば1日9.9時間以内の勤務/年間105日以上の休日を必ず取る、この2つは、僕からのトップダウンで現場に強制的に徹底させています。その上で福利厚生を30個くらい用意してきましたね。
Q:30個ですか!人気の高い代表的な福利厚生をお聞かせください!
交通費支給や各種手当てなんかは当たり前のことですが、正社員には「繁盛店めぐり」をすると1店めぐる度に1人あたり3,000円を支給しています。アルバイトの同行もOKです。そして現場の判断でキャンプに自由に行ける制度なんかもありますね。焚き火をツンツンしてるだけでスタッフ同士で仲が良くなります(笑)。それは結果的に風通しを良くすることが目的ですね。昔は体重×20㌔の重さでベンチプレスが出来たらボーナス20万!なんていう制度もありましたね。

Q:聞いてるだけで楽しそうですよね!自由にキャンプに行けて、繁盛店に行って勉強もできちゃう!素晴らしいですね!ありがとうございます。次にこれから仲間になる求職者の方々に対して取り組まれてる事をお聞かせください。
適正な給与支給/年間105日の休み/福利厚生を充実させていく。この3点は絶対です。それにプラスして一緒に仕事する事ができるのなら、是非とも楽しさを追求しながら仕事をして欲しい、と思っているんですよね。中でもお客様とのコミュニケーションは特に楽しんでもらいたい、と思っています。どうしたら楽しいコミュニケーションが取れるようになるのか?のノウハウも僕たちは持っていますので、その辺りも是非、学んでもらえたらと思いますね。
Q:ありがとうございます。コミュニケーション能力はあらゆる場面で必要になってきますしね!コミュニケーション以外にorbさんで働くと、こんな事が学べるよ!といった他社にはない強みがあればお聞かせください。
人生にとって糧になるような人脈が僕たちorbにはあると思っています。今までに一緒になって楽しみながら働き、結果的に独立をしていったり、もちろん個人的な事情や、夢を追いかけて別の道を歩んでいく仲間もたくさんいました。でも一度、orbを卒業していったスタッフも必ず帰ってきてくれるんですよね。というのも毎年8月のお盆に従業員も、卒業していった仲間も、一部のお客様も、一緒になって旅行に行ってるんですよね。そんな企画を年1でやってるからか、退職してしまったスタッフが、もう一度、入社して来てくれる、なんてことも1度や2度ではないんですよ。帰って来れる場所を作る。そういう環境を整える為の旅行でもあるんですよ。そのあたりが他社にはない強みかな、と思っています。
あと、これは強みではないかも分かりませんが、月に1回「自分に価値をつける」ということを目的とした全体Mtgを行っています。このMtgでは4つの恒常的なテーマを設けています。一つ目は飲食店の仕事とは?これはお客様が何を考えてお店にご来店されてるのか?を考える事が仕事である。二つ目は第一印象の取り方。これは第一印象が好印象であれば、その後のコミュニケーションもうまく行く、という考え方です。三つ目は仕事の教え方。その仕事内容はもちろんの事、その仕事が必要である意味から伝えていく事。そして、四つ目はお金儲けのテクニックです。これはお客様と表面的なやり取りをするのではなくもう1歩、2歩突っ込んで接客・会話をすれば、またorbをご利用頂ける、といった考え方です。是非、皆さんとこういった考え方を共有して楽しんで仕事ができたらな、と思っております。

Q:ありがとうございます。最後に読者の皆様へのメッセージをお願いします。
飲食店の仕事は選ばれし人間がする誇らしい仕事です。一緒に楽しく仕事をしていきましょう。
株式会社orb 焼野菜 菜の音(なのね) 店長 中村 新(なかむらあらた)
Q:続いて、焼野菜 菜の音 店長の中村さん、よろしくお願いします。まず最初に中村さんの得意な分野からお聞かせください。
僕は昔から音楽が好きで聞くのも作るのも好きで、、、
Q:ちゃいます、ちゃいます!仕事の得意分野ですよ!
あぁ、そっちの話ですか。失礼しました(笑)。やっぱり料理が得意ですかね。音楽もそうなんですが、一度、知ってしまうと1~10まで知りたくなってしまう性分で、25歳の時にorbにアルバイトとして入社した時が料理にのめり込む入口だったんですよね。一番、最初にお客様に提供した料理がパスタで、そこからパスタにハマりました。社歴が今年で11年になりますが、今ではスパイスカレーにハマっていますよ。

Q:そうだったんですね。中村さんは、そもそもどんなキッカケがあって入社されたんですか?
大学時代の後輩からの紹介がキッカケでした。僕はダンスをやっていてドレッドヘアだったので当時の風潮ですと働き口なんてなさそうなものですが、orbはOKだったんですよ。なので入社しました。今でも髪型などの見た目には拘ってないですね。もちろんタトゥーもOKです。
Q:なるほど。なのでPOPな印象をお持ちなんですね。ありがとうございます。アルバイトから店長さんになられたのはいつ頃で、どんなキッカケがあったのでしょうか?
2022年10月に結婚を機にアルバイトから社員になり、その8か月後に菜の音の店長を任されることになりました。僕の場合、アルバイトの期間が長かったこともあって現場のオペレーションは社員並みに心得ていました。そんなこともあって任せて頂いたんだと思います。
Q:スピード出世ですね!そんなチャンスを与えてくれた会社にはどんな思いをお持ちでしょうか?
ありきたりかも分かりませんが、感謝しかありませんよ。今も店長としてどこまで仕事が出来ているか?分かりませんが、それはお客様や佐野が判断することです。とにかく出来る事を楽しみながらやっています。

Q:ありがとうございます。とは言え責任のあるお立場。そんなお立場でありながら楽しみながら仕事ができる秘訣をお聞かせください。
日頃より社長から「楽しんで仕事してほしい」というオーラをひしひしと感じてるからだと思いますね(笑)。その思いがダイレクトに伝わってきます。代表である佐野は本当に表裏のない人間なんですよね。そういう佐野が僕は大好きですし、実際、思いっきり楽しんで仕事してますよ。
Q:ありがとうございます。入社前はダンサーとして活動され、現在は店長としてご活躍されてる中村さんですが、入社前と後とで、orbさんの印象はどう変わりましたか?
入社前はそれほど、やり甲斐や働き甲斐には期待していなかったのが正直なところです。「ドレッドヘアでも働けるんや」くらいに思っていました。しかし、この11年間で「飲食店の仕事ってこんなに楽しいんだ」という事を初めて知りました。ですので飲食業という仕事に対する印象が変わりましたね。自分は元々、接客は苦手な方だったと思います。しかし、入社後、先輩がお客様とするコミュニケーションの仕方などを見て、真似たらいつの間にか接客が苦手だな、なんて思わなくなり、むしろ接客が楽しめてる自分がいたんですよね。
Q:苦手なことが好きになれる。素敵ですね!最後に読者の皆様へメッセージをお願いします。
夢を見て頂きたいな、と思っています。僕の夢はいずれ独立して、お客様が料理だけではなくディズニーランドのように楽しんで頂ける空間を作る事です。夢を持って仕事をするのと、そうでないのとでは、やはり仕事の質も変わってくると思います。一緒に夢を追いかけましょう。