鹿児島文化を大阪から発信し続ける飲食企業|サブロクカンパニー株式会社

投稿日:2025年8月22日(金) 社長インタビュー

鹿児島の食文化を広げるため、大阪で年2店舗ペースの出店に挑むサブロクカンパニー。理念は「愛と感謝で絆を育む」。成長できる仕組みと失敗を恐れない環境を整え、仲間とともに夢を実現していく企業の姿に迫る。

サブロクカンパニー株式会社 代表取締役 藤井健三(ふじいけんぞう)

Q:藤井社長、今日はよろしくお願いします。まず最初にサブロクカンパニー株式会社の事業内容から聞かせて頂けますでしょうか?

2010年8月に立ち飲みBARサブロクを創業し、現在では薩摩×炉ばた燈火(ともしび)、炉端まるじゅう、19時のGohoubiの3店舗を運営しております。2025年から年2店舗ずつの出店を目標にかかげ、焼酎など鹿児島の食文化の魅力を広げていこうとしている会社です。

Q:ありがとうございます。BAR業態で創業された藤井さんですが、なぜ食の道に進まれ、なぜ食を通して鹿児島文化を広げていこうと思われたのでしょうか?

僕の父は鹿児島で会社を経営していましたが業績が傾き倒産。それを機に一家離散となり、僕自身も借金を抱えることになりました。返済のため大阪で法人向けの飛び込み営業を始めるのですが、営業先の飲食店の店長さんやオーナーさんと話しているうちに、自分もやれそうな気がして。それで興味が湧いて未経験でしたが思い切って飲食店を創業しました。それが2010年8月創業の立ち飲みBARサブロクです。ハイボールの注ぎ方すら分からない状態でしたが、そのお店は入口がガラス張りのお店で、あるお客さまから「外から見えないようにしてほしい」なんていわれたんですよね。そこでうちの現専務が習字が得意だったんで、そのガラス面を鹿児島弁で埋めていったんです。そこから少しづつですがお客さまが来られるようになり応援され始め黒字経営に。お店も鹿児島酒場サブロクに業態変更し、今や年2店舗ペースの店舗展開を視野にいれられるようになりました。つまり、一度は離れた鹿児島に僕は救われたんですよね。だから、鹿児島に恩返しがしたい。そう思って食を通して鹿児島文化を広げようと思ったんです。

Q:なるほど。藤井さんは波乱に満ちた人生を刻まれてきたんですね。今年で創業15周年を迎えられるわけですが、今も昔も変わらず大切にされていることがあればお聞かせください。

「論語とそろばん」なんていわれますが、本当にその通りで。鹿児島を発信していきたい!という想いだけでは発信し続けることはできないわけですよね。そのためにはやはり、経済的に成長することが必要です。ですので、淀屋橋に位置する炉端まるじゅうではランチ営業をスタートし、2025年から2店舗づつ出店。2027年には9店舗で年商5億を達成し、鹿児島文化を広げるためのしっかりとした基盤づくりをしていきたいと思っています。

Q:そのビジョンの実現にはスタッフさんの存在が欠かせませんよね。そんなスタッフさんへの想いをお聞かせください。

会社とともに成長し、ともに豊かになってほしいです。お金だけではなく、人としての考え方や生き方ですよね。謙虚で、素直で、感謝の気持ちを忘れない。そういった基本的なことから成長していってほしいと思います。そうしないとこれからの会社を担うスタッフさんはもちろん、自分の子供たちも不幸になっていくと思うんです。

Q:謙虚で、素直で、感謝の気持ちを忘れない。できそうでなかなかできなかったりしますよね。さて、この辺りから読者の方が気になりそうなことを聞いていきますよ!御社では入社してから現場に配属されるまで、どのようなステップを踏まれるのでしょうか?

今、まさしくその辺りを整備しているところなのですが、 3日間を想定しています。配属初日は座学ですね。先ほどの謙虚、素直、感謝の話であったり、給料が支払われる仕組み、学ぶことの大切さなどを研修します。「自分診断」みたいなものも外部ツールを使って取り入れたいと思っています。2日目はロープレなどを行い、その後は実際に営業中のお店に入って業務はせず、見て雰囲気を感じ取っていただきます。で、3日目にいよいよ現場配属です。サービス業務からスタートし、先輩スタッフを1人つけて5日ほど手取り足取りで仕事を覚えていただきます。そこからひとり立ちしていただく形です。

Q:それは安心ですね。中長期的にはいかがでしょうか?

これからの出店計画に合わせてしっかりと作り込んでいこうと思っています。現時点で確定しているのは「自分評価」と「店長評価」の2つの評価で役職を任せていこうと思っています。現在は、専務が3店舗を統括するマネージャーを兼ねていますが、9店舗となる数人のマネージャーが必要になりますし、それに応じて副店長、店長も必要になります。魅力的な制度にしたいですね。

Q:なるほど。会社の成長にあわせて役職を設けていくわけですね。

そうですね。先ほども話しましたが、それも会社とともに成長し豊かになってほしいと思うからなんです。もっというとサブロクカンパニーを自分のやりたいことや夢を叶えるツールだと捉えてほしい。マイホームがほしいなら、その分、お客さまを喜ばせないといけません。そのためにはさまざまな学びを日々の現場に落とし込み、そして日々を振り返り成長していかねばなりません。つまり、ご自身の夢とサブロクカンパニーの夢をリンクさせることが大切だと思っています。

Q:ここで他社にはない御社の強みをお聞かせください。

絆です。弊社は「愛と感謝で絆を育み、地域と仲間の笑顔を」を理念にかかげています。それを僕も含めた幹部たちが体現しているからこそ、サブロクカンパニーのスタッフたちは絆で結ばれているんです。また、すぐに誰でも挑戦できる場があることです。お客さまに喜んでいただけそうなことで、且つ会社の目指す方向性がズレてなければ、そのアイデアは即採用です。失敗してもいい。とにかく新しいアイデアに蓋をされることがない。そこも強みだと捉えています。

Q:終盤ですが、藤井さんの想う飲食業の素晴らしさはどのようなものでしょうか?

今日、お客さまのためを思ってやったことが、その日にレスポンスがあって、その上、お代までいただくことができることです。飛び込み営業を始める前はアパレル系のクリエイターをしていましたが、その作品がお客さまの手元に届き、喜ぶお顔を見ることはできません。しかし、この仕事は違います。メニュー構成から盛り付け、店内のBGMから値段設定まで、すべて自分たちで決められて、お客さまを喜ばせお代までいただける最高のクリエイター業なんです。最高ですよ!

Q:ありがとうございます。最後に読者の皆さまへメッセージをお願いします。

とにかく1歩を踏み出してほしい。挑戦してほしいと思います。サブロクカンパニーには失敗できる環境があります。その失敗から学び、ともに成長していきましょう。