ゼロから築いた飲食店経営とスタッフを幸せにする仕組み｜株式会社おーうえすと
父の跡を継ぎ、赤字からV字回復を実現。社員の幸せを最優先に、出店とキャリアアップの両立を目指す大西社長の経営哲学に迫る。
株式会社おーうえすと 代表取締役 大西僚太郎 （おおにしりょうたろう）
Q：大西社長、今日はよろしくお願いします。まず最初に大西社長がどういった経緯でおーうえすとさんを経営されるようになったのか？といったことからお聞かせ頂けますでしょうか？
僕が大学４年生の時に大手スーパーを早期退職した父が、退職金を資金にして東三国海鮮食堂おーうえすとを創業しました。当時はそんな父がかっこよくて就職活動そっちのけでお店を手伝う事にしたんです。しかしお店はわずか２ヶ月で赤字に転落。引き際が良いのか悪いのか、父は即座に撤退を決めました。しかしその時僕は「そのまま引き下がったら恰好がつかない」と思い、右も左も分からない状態で事業を引き継ぐことを決断したんですよ。
Q：学生さんの頃に人生の転機となる決断をされたんですね。右も左も分からない状態から引き継がれたとなると、引継ぎ直後は大変だったのではないでしょうか？
幸いなことに立地が良かったからか常連のお客様は徐々に増えていったんです。そんなお客様から日々厳しいご意見を頂戴するようになっていきました。そして頂戴したお客様からのご意見を真摯に受け止め、その翌日には改善する、といった事を毎日毎日繰り返していったんですよ。そうしたら少しずつですが地域の皆さまに受け入れて頂けるようになっていきました。
Q：ご自身にとって「耳障りなことにも耳を傾ける」とても大切な経営姿勢ですよね！おーうえすとさんを支えてくださったお客様にはどんな思いをお待ちでしょうか？
もう本当に感謝しかありませんよね。もちろん今なお数多くのお客様に支えられていますが、当時のお客様がいらっしゃらなければここまで来れていなかったと思います。またこうやって厳しいご意見を頂戴し即座に改善し、更にはお褒めのお言葉を頂く。このようにしてダイレクトにお客様とやり取りできる事が飲食店の良さである、と感じています。
Q：ありがとうございます。共に頑張ってくれたスタッフさんにはどんな思いをお持ちですか？
ありきたりな言葉かも分かりませんが幸せになって欲しいと思っています。ひとつの仕事を続けていくには厳しい局面に直面することもあると思います。しかしながら、そういったことを乗り越えていくからこそ幸せになれるんだと思います。僕はスタッフが幸せになるようにするために存在しています。そして僕がそう思うように店長など部下を持つ人間には、その部下を幸せにしていって欲しいと思います。そしておーうえすとに関わるみんなが幸せになることが僕の幸せでもあるんですよ。
Q：ありがとうございます。関わるスタッフを幸せにしていく為に、経営者として大切にしている考え方などがあればお聞かせください。
やればできる。これに尽きますね。右も左も分からなかった僕が第一歩を踏み出し続けた結果ここまで来ることが出来ました。やれば出来るんですよ。逆にやらなかったら、なにも出来ないんです。ですので従業員を幸せにする為には、まず何をすべきか？を考え即座に行動に移すようにしています。この考え方は僕の根底に流れている基本的な考え方でもあるんですよね。
Q：確かに第一歩を踏み出さなければ何もできないですよね！具体的にはスタッフさんの幸せの為に、どのようなことに取り組まれておりますでしょうか？
当社はこれからどんどん出店していきます。その新しいお店もスタッフがより良い環境で働けるようなお店づくりをして行こうと思っています。例えば天ぷら専門店ですがこのお店では長期間、働いてくれた年配のスタッフに任せることにしました。なぜかと言いますと年配のスタッフの方が揚げ方などの知識も豊富で、玄人感が出ることでお店の雰囲気も出てより客単価が上がりやすいお店になるからです。そしてカウンターのみのお店にすることによってカウンター越しに注文をとる事ができますのでオーダーを取る際もそこまで苦にならないんですよね。
Q：素晴らしい取り組みですよね！ありがとうございます。スタッフさんのやり甲斐も増えそうですよね！
そうですね。おーうえすとに来て良かった、と思って欲しいんですよ。ですので店舗を出店していく事と並行してしっかりとキャリアを築ける仕組みも取り入れております。副店長→店長→エリアマネージャーとキャリアアップしていける仕組みも取り入れていますし、結果的に独立したい！というスタッフがいればそれに応じたすべてのスキルを学べる環境を提供していこうと思っています。
Q：店舗出店と並行してキャリアアップしていける、との事ですが具体的にはどのようにしてキャリアアップしていくのでしょうか？
弊社は上司が部下の育成に責任を持ちます。店長が副店長を育成し、エリアマネージャーは店長を育成するといった具合です。つまり自分自身の後継者を育てる事によって社員のキャリアアップに繋がり、且つ出店店舗を任す事ができる人材が育ちます。こうする事で店舗出店と並行してキャリアアップしていける仕組みが出来るんですよね。そして上司である人間は、自分自身がどのようにして今の役職を任せられるようになったのか？といった経験をもとに後継者育成にあたる事で、無理なくこの仕組みを定着させることができます。ごく当たり前の事かも分かりませんが、とても重要な事として捉えています。
Q：ありがとうございます。おーうえすとさんで頑張ればおのずとキャリアアップしていけるので、スタッフさんは安心して働けますね！最後に読者の皆さんへメッセージをお願い致します。
僕からお伝えしたいことは一つで「考える前に動きましょう」という事です。年を重ねる毎にどんどんチャレンジできなくなっていくものです。ですのでチャレンジ出来るのは皆さまのように若い時しかないとさえ思います。こんな僕も学生の時に事業を引継ぎ、料理もしたことがない接客もしたこともない人間が23年間も飲食業を続ける事ができました。失敗を恐れずにチャレンジしていきましょう！
株式会社おーうえすと エリアマネージャー 山中謙吾 （やまなかけんご）
Q：続いてエリアマネージャーの山中さん、よろしくお願いします。まず最初に山中さんの得意な分野からお聞かせください。
得意とは言えないかも知れませんがワイワイしている雰囲気のお店づくりをすることを意識して日頃から仕事をさせて頂いております。
Q：ありがとうございます。そういった雰囲気を出していくために日頃から心掛けてらっしゃることはございますか？
ありきたりかも知れませんがコミュニケーションをしっかり取っていく事です。スタッフとのコミュニケーションは当たり前のことお客様とのコミュニケーションもしっかりと取るように心掛けています。
Q：「ワイワイした雰囲気を出せるコミュニケーション」と言ってもなかなか出来る事では無いかと思います。どのようにしてそういった雰囲気を出せるようになっていかれたのでしょうか？
僕は2019/9におーうえすとに入社をしたのですが、その時のエリアマネージャーがとても厳しい人だったんです。もちろんその厳しさのお陰で今の僕があるのは言うまでもない事なのですが、自分がその方と同じ立場になった時、僕には同じように厳しく接することができないと思ったからなんですよ。ですので僕はコミュニケーションスキルを伸ばして、それを活かしてワイワイした雰囲気を出せるお店づくりをしていこうと思ったんです。
Q：なるほど。もちろん厳しさも必要かと思いますが厳しさだけでは、うまくいくものもいかなかったりしますもんね！ところで山中さんはどういった経緯でおーうえすとさんに入社をされたんですか？
入社前は実はとあるBARを経営していたんですよ。そしてそのお店におーうえすとで働いていた元スタッフの常連さんがいらしたんです。その方がおーうえすとに戻られるタイミングで誘って頂いたのが入社するキッカケでした。その時はBARを続けていくか？迷ってた時期でもありましたからね。
Q：そのような経緯がおありだったんですね。入社前に期待された事があればお聞かせください。
しっかりと安定して給料を頂けて自分自身のキャリアがしっかり築いていけるのか？といったところに期待をしていました。なにせ自分でBARをやっていた時の環境はヒドかったですから…。「もう１回お店をやるか？」を聞かれたら絶対にやらない！と思う程に厳しい環境でした。
Q：そうだったんですね。実際に入社をされてみていかがでしたか？
いや、それが期待通りの会社だったんですよ。かなりホワイトな環境でした。週休２日でしっかりとボーナスもあります。今では産休制度と育休制度も整備されました。働く女性にとっても優しい環境になったと思います。
Q：それは嬉しいですね！「キャリアが築いていける」といった部分についてはいかがでしょうか？
僕は最初、新大阪店に配属させてもらったのですが間もなくして副店長になる事ができました。先ほどもお話させて頂きましたが当時のエリアマネージャーが厳しく育ててくれお陰です。そして当時の店長がどうしても実家に帰らないといけなくなり、そのタイミングで新大阪店の店長にならせて頂きました。そして無事、売上目標を達成し2023年10月にエリアマネージャーにならせて頂きました。
Q：昇格おめでとうございます！今後、会社に期待される事があればお聞かせください。
店舗数が今の倍くらいになって必要なポジションがもっと増えたらいいと思います。
Q：ありがとうございます。最後に読者の皆様へメッセージをお願いします。
出来る出来ないは別にしてどんどん新しい事にチャレンジして行って欲しい、と思いますね！
