地域に愛されるお好み焼きブランドの挑戦と人づくりとは|千房株式会社

創業50年を迎え、世界に「千房」を発信する中井社長が語る、理念継承・人材育成・コロナ禍の全社員正社員化など“人に寄り添う経営”の真髄。

千房株式会社 代表取締役社長 中井貫二(なかいかんじ)

Q:中井社⾧、今日はよろしくお願いします。まず最初に中井社⾧がどのような経緯で千房さんに入社をされたのか?この辺りからお聞かせください。

私は入社するまでは野村證券で働く證券マンだったんですよ。千房に入社する、なんていう考えは全くありませんでした。というのも創業者である父は「跡継ぎは⾧男だ!」と決めていて私もそれを信じていました。ですので野村證券の人事部にも「500%継ぐことはない!」なんてよく言ってましたよ。それどころか野村證券の社⾧に本気でなろうと思ってました。そんな時に既に事業を引き継いでいた兄が急逝してしまったんです。リーダーを失った千房は混沌としていました。そんな千房を見て父から言われ続けてきたある言葉を思い出したんです。「今のお前があるのは千房で働く従業員が頑張ってきてくれたからなんだ」と。この言葉を思い出した時に私を育ててくれた千房に恩返しをしよう!と心に誓い2014年7月に入社を決意しました。

Q:そんな経緯がお有りだったんですね。ありがとうございます。2018年に代表取締役社⾧に就任された、とのことですが経営者として大切にされている考え方などがあればお聞かせください。

創業者の想いを私の代でブラさない事です。この会社を作った理念を今の時代に合わせて伝えていけるようにする事が私の役割だと思っています。

Q:身なりは人を表す、なんて諺がありますが大切な考え方ですよね。1973年に創業された千房さんですが今までに何万人、何十万人という方々が御社を支えて来られたと思います。そんな方々へはどんな思いをお持ちでしょうか?

感謝しかないですよね。千房を支えてくださってきた方々は私の命の恩人なんですよ。少しだけ幼少期のお話をしますと中井家には「従業員は家族である」という家訓がありました。ですので入社式から社員旅行まであらゆる行事に参加してきたんですよね。幼少期に家族同様のお付き合いをさせて頂いてきたからこその私なんです。

Q:なるほど。だからこそ恩返しをされたい思われたんですね。ありがとうございます。具体的にどのような恩返しをされてこられましたか?

あらゆる決断は全て従業員のために下す、ということを徹底してきました。その中でも他社さんでは絶対にやられていないだろうな、といったことがあって、それはコロナ禍にパート制度を廃止して全てのパート社員を全員、正社員にしました。一般的に考えて売上の上げにくい環境であれば、特定の地域や時間で勤務をされるパート社員やアルバイトスタッフがコスト削減の対象になります。しかし私たちは地域限定社員という新たな制度を設け、パートさん達の不安を解消していこう!という取り組みを行いました。

Q:それはもう恩返しの域を超えてますよね。コロナ禍に解雇された方は10万人を超えた、なんていうニュースもありましたし、かなり安心されたと思います。この辺りから質問の色を変えて、読者さんが気になっていそうな質問をさせて頂きますね!御社では入社された新入社員の方がまず取り組まれることはどんなことなのでしょうか?

入社式の前にユニトピア篠山という施設で2泊3日の研修を行います。そこで基本的な動作や声出しなどをやります。研修でできなければ現場でも出来ないですからね。そして現場に配属されますが、現場での必要な知識は全てOJT(職場内訓練)ですね。

Q:ありがとうございます。しっかりとコストをかけて泊りがけでやられるんですね。もう少し柔らかいイメージを持っていました。

いえいえ、そこはしっかりとやりますよ。全ては従業員が幸せになってもらう為の必要なステップだと思っています。まずは基本的なことから学んで頂き、次に現場の事を覚えて頂く。こういった流れも全ては次のステップにいって頂くためのステップなんですよね。多少、厳しいところもあるかも分かりませんが、それが私達経営陣の責務だと思っております。

Q:どんな仕事でもステップアップは必要ですよね。ここで「ステップ」という言葉が出ましたが、千房さんでは入社された社員さんはどのようなステップを踏まれていくのでしょうか?

主任、店⾧、エリアマネージャー、部⾧とステップアップしていってもらいますが、まずは主任になって頂く事かな、と思います。その為には入社されてから1年後に表彰される新人賞を是非、獲って頂けたらと思います。この新人賞がキャリアアップしていく為の登竜門的な位置づけになっています。毎年30~40名の方が入社されて10名くらいの方が新人賞を受賞されます。受賞者はエリアマネージャーや部⾧らが選定致しますが、その受賞者の中で選ばれる最優秀新人賞は、当日にサプライズで発表するんですよ。盛り上がりますよ!

 Q:厳しさの中に楽しさを見出されてるんですね!最後に読者の皆様へメッセージをお願い致します。

飲食業は食を通して関わる全ての人が幸せになれた上でお客様にも感謝される素晴らしい仕事です。その反面、みんなが休んでいる時に仕事をしなければいけないストレスフルな仕事でもあります。ですので、それに耐えられるだけの喜びや幸せをこの仕事に見出せるか?だと思います。食べる事が好きで人を幸せにする仕事がしたい人は是非、力を貸して頂きたいと思いますね。

千房株式会社 営業推進部部長 小山佳昭(こやまよしあき)

Q:続いて、営業推進部の小山部⾧、よろしくお願いします。まず最初に小山部⾧のお仕事内容から聞かせて頂けますでしょうか?

弊社では「店舗にはお客様に喜んで頂くことに集中して欲しい」という思いから、店舗設備の手配や故障時の対応など、店舗でやらなくて良い業務は営業推進部で受けるようにしています。また、それ以外にも販促物の手配から予算設定、商品開発から店舗開発まで多岐に渡り店舗をサポートするのが私たちの業務となっております。

Q:ありがとうございます。小山部⾧が千房さまに入社された経緯についてお聞かせ下さい。

僕は1999年、大学1年生の頃にアルバイトで入社し、その5年後に社員として入社しました。

Q:となりますと今年で社員さんとしてはちょうど20年間、ご活躍されてこられたんですね!20年となりますと大変だった事もたくさんお有りだったかと思いますが、どうしてここまで頑張ってこれたのでしょうか?

「家族のように接してくれたから」その一言に尽きると思います。主任や店⾧に昇格した時には自分のことのように喜んでくれ、社員をここまで育ててくれたご両親とのお別れの際には必ず役員が駆け付けてくれます。確かに大変な事もたくさん経験してきましたが、そう接していただく事でお世話になった会社に貢献したい!という気持ちが強かったんだと思います。

Q:ありがとうございます。企業理念にもあるように「ファミリーの心」というのは形だけではなく千房さんの根幹に流れる大切な考え方なんですね。ありがとうございます。中井社⾧には、どんな思いをお持ちでしょうか?

感謝しかありませんよ。何故そう思うのか?といいますと、僕が井の中の蛙だったことに気づかせてくれたからなんです。というのも僕は店⾧にならせて頂いたあたりから独立心が芽生えていきました。でもその気持ちは「千房の一店⾧」という狭い視野で思ったことなんですよね。しかし社⾧である中井は僕にたくさんの世界を見せてくれました。わざわざ東京のセミナーに参加させてもらったり、アメリカのダラスで2ヶ月間住み込みで働かせてもらったり、まだフィリピンにお店があった時はそこで店⾧研修として貴重な経験をさせてもらいました。そういった経験の中で僕自身の知見が広がると共に、自分自身の今の能力を知ることが出来たんですよね。

Q:そのような経験を素直に受け入れられる小山部⾧も素敵だと思います。インタビューも後半に差し掛かりますが、小山部⾧が今後、会社に期待されることがあればお聞かせ下さい。

千房のブランディングのブラッシュアップです。何故かといいますと全世界の人がお好み焼きを見た時に「お好み焼き」と言わずに「千房」と言って欲しいんですよね。関西の方って肉まんのことを「551」と言うじゃないですか?あれと一緒です。「お好み焼き=千房」これを現実にするためにコロナ禍、全国各地に出店した事によって分散した戦力を、再度、大阪や東京という都市部に戻し戦力を集約させようとしています。幸いにも来年は万博も開催され国内外から多くのお客様が大阪に来られると思いますので、大阪から全世界へ「千房」というブランドを発信していけたら、と思っています。

Q:ありがとうございます。最後に読者の皆様へメッセージをお願いします。

千房での仕事は、それ程難しいものではありません。その人の元気よさと、「ありがとう」と言われて嬉しいな、と思える心があれば誰でも活躍することが出来ます。ぜひ一緒に千房を世界に発信していきましょう。

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