お客様の心を掴むのは笑顔じゃない!?人気店員の条件とは
他の人よりも一歩先を行く、デキる接客術とはいかなるものか!?今回は第一弾【備え編】ぜひチェックしてみてくださいね。(居酒屋甲子園公式HP http://izako.org/)
その1.自分のおすすめと、本日のおすすめを備えている。
すぐに答えられなかったり、「え~っと…え~っと」とその場で探しているようではお客様に「この店のスタッフのくせに店のこと知らないのか!」と思われてしまうのがオチ。月30軒食べ歩くグルメライターの筆者も、このような対応をされたことが何度かありますが「あぁ、このお店もったいないな~。」と思ってしまうのが事実です。
ちなみに筆者がおすすめのお店はこちら。
中には「ん~、食べたいもの食べてください!」と、とっても素敵な笑顔で答える店員さんもいますが、実はそれも△。どれにしようか決めきれないから、お客様はこの店の魅力を知っているであろうスタッフにあえて質問をしているのです。
この対応だと、お客様の気持ちを汲み取ることが出来ていませんよね。
こういったときのために、スタッフさんが準備しておきたいのは
2つのおすすめを常に準備しておくということです。
①あなた個人のおすすめ
お店の趣向関係なくあなたが一番この店で美味しいと素直に思うメニューを
お客様にすぐ伝えることができれば良いのです。
これはその店の味を知る、あなただからこそできるはずのこと。
居酒屋甲子園の覆面調査官に〈良いスタッフ〉として認められた多くの方が
「自分のおすすめ」を備えていたことも取材によって明らかになっています。
②お店全体のおすすめ
2つめは「お店のおすすめ」です。海鮮を取り扱う居酒屋などでは、多くの場合グランドメニューではない「本日のおすすめ」メニューがあったりしますよね。大分産の関サバや、兵庫県産のホタルイカ、愛媛県産のみかん鯛など…「今日はこれを仕入れてありますよ!」と一言すすめるだけでお客様は今日だけの特別なお得情報を得られたと喜んでくれるはずです。
おすすめを聞かれた際、さらに「何系が好きですか?」と聞けることも大事です。野菜が苦手な人だったりとお客様の好みは人それぞれ。また、お腹いっぱいのお客様にステーキなんて場違いなメニューをすすめれば「この人接客初心者?」と逆効果にも成りかねません。せっかくなら一番合うものを教えてあげたいというあなたの優しさがお客様に伝わります。
お客様の希望を知るには聞く技術が大切。傾聴する力をつけるには、こちらの記事をお役立てください。
また、これまで出した料理や現在注文しているお酒に合わせて追加メニューを提案するのも上級テクニック。
お酒との相性、食べ合わせや値段まで汲み取ることが出来ればあなたは接客のエキスパートへと近づくことが出来るかもしれません。
その2.酒・食材についての知識を備えている。
例えばお酒。あるカクテルがどのリキュールの組み合わせでできていて、どんな味わいなのか、ということや、この焼酎が何県産のものでどういった飲み口なのかを説明できるかということです。こういった知識を兼ね備えておくと、お酒に詳しくないお客様や、焼酎・日本酒通のお客様に大変喜ばれやすいです。
①お酒が好きじゃないお客様へ
合コンに来ている男女のグループのうち一人の女性がお酒が苦手だった場合を例にして考えてみましょう。みんなアルコールをガッツリ飲んでいるのに自分は少しも飲めないとなると、その方は少し負い目に感じてしまうかもしれません。無理してビールを飲んでも美味しくないだけ。
そんな時・・・
「“レゲエパンチ”は烏龍茶と甘めのピーチリキュールを使ってるので紅茶感覚で飲めますよ!」
「ジンジャーエールとライムシロップを合わせた“サラトガクーラー”は、他の方が飲まれているモスコミュールに似たノンアルカクテルなのでお酒気分も味わえます♪」
と、あなたが教えてあげるだけで、お客様の気まずさや気負いを少しでも減らしてあげることができます。200種類以上のカクテルをグランドメニューに持ち、オペレーションの良さに定評がある某居酒屋SのスタッフKさんは
「ソフトドリンクしか飲めないお客様も、時にノンアルカクテルを提案することで喜んでくださる方も多くいらっしゃいます。それより、逆に提供している側がカクテルの中身を答えられないのはかなり残念ですよね・・・。」
と、飲食の接客業するなら最低限備えるべき知識であると語ります。
②お酒が好きなお客様へ
焼酎や日本酒を好む大人の男女に、お酒の銘柄や産地・蔵元・味をきちんと
お伝えすることができれば「おっ!この店員やるなぁ!」と思ってもらえます。
「黒霧島」や「中々」「獺祭」など、ほとんどの人が知っているであろう有名なお酒もありますが、日本には認知されていないだけで数えきれないほど沢山の銘柄酒が存在します。特に焼酎や日本酒は「初めて聞いた名前だ!」と思われることが多く「これってどこのお酒ですか?辛口ですか?甘口ですか?」と聞かれることもしばしば。
ソムリエとまではいかなくとも、味わいは一般的に辛・甘口どちらなのか、何県産なのかという知識を備えるだけでも十分です。
もっと上を目指すなら、苦手でもあなた自身が試しに一口飲んで、個人の意見を素直に伝えるのも説得力があって良し。「この酒はスッキリとしていてお刺身にとっても合います。」「辛口派の私は、若干ニガテでした!」「こちらの限定ラベルは通常とは違う季節限定の生酒なので今年飲めるのは今だけですよ!」と、意見や感想を話すと、より丁寧で、通の方もきっと喜んでくれるはずです。
なお、ビール好きのお客様も多いので、美味しい注ぎ方を習得しておきましょう。コツをまとめたので以下のコツをご活用ください。
【注意】おすすめや説明は“空気を読んだ上で”行う事!
「居酒屋甲子園」の覆面調査官に評されたスタッフによると、これらの「備え」を使う際には1つ条件があると述べます。
それは接客で最も重要になる、お客様の空気を読むということ。
お客様は様々なシーンや目的で飲食店を利用されます。
ある時は会社の宴会。ある時はデートのためにご来店されるでしょう。
もし記念日デートで、二人の世界が出来上がっているカップルにあなたが聞いてもいないおすすめを突然つらつらとしゃべり続けたとしたら、ムードが台無しですよね。
あるいは、静かに飲みたいお一人様に、いきなりしつこく知識をペラペラと説明し始めても「少し放っておいてほしいんだけど・・・。」と逆効果になります。
「今日は会社の飲み会ですか?」と用途を事前に聞いたり、メニュー選びに悩んで決めきれないお客様に対して「何かおすすめしましょうか?」と声をかけてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。
以上、一歩先手を行く飲食店スタッフが備えていた2つのこと「おすすめ」と「知識」についてご紹介しました。相手の様子や性格を見ながら、提案することが、笑顔とは一味違う、お客様の心を掴む2つの方法だったのです。ぜひ参考にしてみてくださいね。
さらに接客力を上げるためのノウハウは、以下の記事をご覧ください。