仕事がうまくいかない人に共通する6つの言葉の習慣(後編)
仕事ができない人・うまくいかない人に共通する言葉の習慣を、6つにまとめて紹介します。
前編では、3つの習慣を取り上げました。言葉だけでなく、その言葉が生じた要因も解説しました。普段の考え方が、口癖になっているためです。同時に、言葉の習慣を見直していく提案もしています。改善しなければ、仕事ができない人・うまくいかない人から抜け出すことは難しいでしょう。
前回の内容は、詳しくは以下から確認ください。
『仕事ができない人・うまくいかない人に共通する、6つの言葉の習慣』(前編)
後編では、残りの3つの習慣を取り上げます。1つずつチェックできる内容にまとめているので照らし合わせてください。
6つの言葉の習慣④~⑥
④「~の苦労をした甲斐があった」
何事においても目標を達成したり、ステップアップしたりするためには努力が求められます。
人によっては苦労という言葉を使います。
「接客の苦労をした甲斐があった」
「集客の苦労をした甲斐があった」
「売上達成をするための苦労をした甲斐があった」
そもそも四苦八苦をする必要は、本当にあるでしょうか。
接客レベルや集客力をアップさせたり、売上達成させたりするには、すべて苦労が付きものという考えが背後にはあります。とくに仕事ができない人・うまくいかない人にとって、仕事は苦労すなければ成就しないと認識しています。
しかし、これは接客が上手くなった、集客力のレベルが上がった、繫盛店や黒字店舗になったと言っているだけに過ぎません。
わざわざ苦労という言葉を使わなくても構いませんし、むしろ人生を好転させる言い方があります。
「接客を特訓したおかげで、仕事を楽しめるようになりました」
「集客に力を注いだことによって、多くのお客様が来店し、感動を味わってくださった。店長としての経営手腕も上達して嬉しい」
「売上達成に尽力したおかげで、自信がついた。経済的にも豊かになり感謝に溢れている」
望ましい人生を送るために、苦汁の日々を送らなければという考えも言葉もいりません。
もし成果が得られない場合は、苦労を重ねたのに、失敗してしまったと自信喪失を招きます。新しい挑戦をすることに、どんどん腰が重くなって行くことでしょう。
⑤「もし可能であれば~したい」「出来ることなら~したい」
「~したい」という願望はありますが、実際には「出来ない」「無理」だと思っている場合に、この言葉は生まれます。
また本当にするのであれば、相当な努力が必要だと考えているのではないでしょうか。
「もし可能であれば、昇格・昇給したい」
「出来ることなら、リピーターを増やしたい」
ここで問題は、実現することが困難・不可能と考えていることではありません。
もっと奥深く心理状況を見てみましょう。
困難・不可能という発想は、恐れに基づいています。
チャレンジするだけのモチベーションがあるか。
叶えるだけの実力・能力があるのか。
失敗をした時にはどうなるのか。
人によって、千差万別の不安や迷いが生じていることでしょう。この恐れが、やる気をブロックしてしまうのです。とりわけ仕事ができない人・うまくいかない人は、恐れ強く持ちます。
現実的な実現可能性に関係なく、喪失したやる気によって、やることなすこと邪魔をされてしまいます。
時には、無理矢理にやる気を上げてチャレンジする方もいます。
しかし不安や迷いが根底にあるので、成功は難しいでしょう。やる気も続きません。
解決する方法は、恐れから逃げずに、しっかりと向き合うことです。
どんな恐れがある、何に不安や迷いがあるのか、具体的にしてみて下さい。
例えばチャレンジするだけのモチベーションがあるか気になるなら、その想いを受け入れましょう。モチベーションがないからと言って、自己否定する必要はありません。肯定もいりません。
しばらくすると不安はあるのに、それでも挑戦したい自分もいることがよく見えてきます。
今の自分に出来る限りの勇気を出そうとしていること、最大限の選択をしようとしていることを認めて下さい。
そうすれば発言も変わります。
「これまで自分を守るために恐れは必要でした。
しかし不安や悩みと向き合えた今。
恐れがあってもなくても、次のステップに進むことが可能です。
昇格・昇給をするため、リピーターを増やすためにモチベーションの有無は関係ありません。着実に努力をしていくことが出来ます。」
このような会話が自分と出来るようになると、もう大丈夫です。
漠然とした恐れを抱えたまま、向き合わずに日常を過ごすことから卒業しましょう。
⑥「~しなければならない」
自分のパワーを失った時に生じる言葉です。
以下のような発言の場合、選択の自由が損なわれてしまっていると考えられます。
「リーダーならしっかり部下を育成しなければならない」
「どんなに体調不良でも、仕事をしなければならない」
「お客様に満足して頂けるよう完璧なサービスをしなければならない」
自由意思がなく外圧的で、強制的な働きかけによって、責任のあるポジションを担わされている状態です。選ぶ余地がないため、他人に対しても厳しくなってしまいます。
なぜなら判断をする軸が、善悪のどちらかになっているためです。
義務を果たさなければ悪。その一方であれば善。
この基準を持ったままだと自分にも他人にも、無理強いをさせるようになります。また責任感に押しつぶされるようにもなるでしょう。とくに仕事ができない人・うまくいかない人は、自分を必要以上に責めたり、他者に対しても責任を求めます。
この解決策は、選択する自由を与えることです。
どちらかを選んで責任を取ればいいだけ。
わざわざ〇×をつける必要はありません。
例えば、体調不良で仕事をするか休むかは選べるのです。
「もし休んだ際に、どんな事態になったとしても責任を引き受けられるなら、休むことを”選ぶ”。責任を取れないなら出勤することを”選ぶ”。」
たった、これだけのこと。
選ぶことが出来るどうかは、極めて重要なのです。
重圧に押しつぶされずに、他者を操作しなくて済みます。
仕事や家庭などあらゆる場面で、選択の自由があるのか、それとも義務だけと考えているかで、人生が大きく変わってくることでしょう。