有名店でなくても食通のお客さんを集める方法
知る人ぞ知る名店とでも言っておきましょうか。
認知度はなくても、不思議とお客様が途絶えない飲食店があります。
一方で有名店にも関わらず、平日の夜に行くと意外と空席が目立つなんてことも・・・。
この違いは、一体どこにあるのでしょうか。
「人気」と「認知」の違い
お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣氏が手がけた書著『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』
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に、その答えはあります。
最近は、絵本作家としても大活躍中の西野氏。
クラウドファンディングで1億円を調達。『えんとつ町のプペル』という作品は32万部の大ヒット中です。
この成功事例を生み出したノウハウ、そして考え方、想いが書かれた本書には「人気」と「認知」の違いについて説かれています。
「人気」とは、ファンがいること。
そして「認知」とは、ファンがおらず高い好感度があること。
好感度を上げるためには、テレビで嘘をつかなければならない。
美味しくないものも美味しいと言わなければならない。
一方で人気を獲得するために、もっとも大切なのは何か。
信用だと西野氏は主張しています。
そして信用を数値化したものが、お金であると。
信用を稼ぐ、鉄板焼き屋の事例
実際に、信用を稼いでいる鉄板焼き屋を事例にして紹介をします。
大阪・ミナミで、神戸牛をカジュアルに食べられる鉄板焼き屋です。
決して有名店ではなく口コミサイトでも高評価ではありませんが、驚くほど高いリピーター率を誇っています。
お店のオーナーシェフに詳細をインタビューさせていただきました。
「A5ランクの神戸牛を、ホテルのような空間で食べたいお客様もいるでしょう。
でも日常的に、いいお肉を食べたい方だっているはずです。
鉄板焼きって和食なんですよ。敷居の高い感じではなく、普段の食事感覚で食べてもらうのがいいですね。
だから、あえてちょっと崩した雰囲気にしています。予算も、一般的な鉄板焼き屋よりも2~3割、安く食事できます。」
高級食材だからと言って、わざわざ高級店で食べる必要はないと考えるオーナーシェフ。
「うちにはお医者さんや経営者、芸能人など、成功されている方が沢山来られます。
良いものを食べ尽くしたグルメな方ばかりです。でも、ほかの店へちょっと浮気をしに行っても、必ずと言っていいほど戻って来られます。
こちらの方が面白くて、居心地がいいみたいです。」
さらに続けて、
「私もホテルや高級店で勤めていましたが、お客さんとの距離が遠い。でも、今はすごく近いです。朝まで一緒に飲むこともあるし、ワガママも言ってもらえます。
例えば、焼きそばが食べたいとか言われたら、スーパーに麺を買いに行って、鉄板で作りますよ(笑)。ホテルの鉄板焼き屋で、焼きそばはさすがに言えないでしょ。
いつも神戸牛を焼いている鉄板で作る焼きそばは最高ですよ。以前は、料理の味を覚えてもらっていましたが、今は私のことを覚えてもらっている感じです。
今後、店舗を拡大するつもりはありません、近い将来、一見さんをお断りにします。よりお客さんと深い関係で、お店を作っていきたいんです。」
オーナーシェフが見ているのは数字ではなく、お客様の反応。
お客様は、人気店や高級店で日々の食事をしたいわけではありません。
また、より上質な肉や高級食材を提供することも可能です。
食材で差別化をしようとする飲食店も少なくないでしょう。
しかし、そこにお客様が求めていることはないと、オーナーシェフは考えています。
むしろ重要なのは、食事が楽しめる環境づくり。
もちろん来客数や売上も大切ですが、それ以上にお客様の本音へと向き合っています。
抽象的な表現にはなりますが、今回の学びを5つにまとめると、
1つ目は、日常的に通いやすいこと(場所・建物・空間)。
2つ目は、良心的な価格設定であること。
3つ目は、居心地が良いこと。
4つ目は、距離感が近いこと。
5つ目は、ワガママが言えること。
といった土台があって初めて、信用を獲得できるのではないでしょうか。
ここまで振り返ってみると、既知の事実を振り返っているように見えます。
とくに一般的な個人経営の居酒屋やバーでは常識的なことも含まれます。
しかし、それをラグジュアリーな鉄板焼きというスタイルで展開しているのではないでしょうか。
さいごに
今回の記事が有名店・認知店ではなく、本物の人気店を目指すきっかけになれば幸いです。
弊社でも集客に関して、今まで成功実績を積み重ねてきました。
無料診断も受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
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【参考文献】
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西野亮廣『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』幻冬舎、2017