応募者を辞退することなく雇用へ導くたった1つのコツ
かつて筆者が働いていた飲食店の店長からは、
「求人応募はあっても面接時にドタキャンされる。」
といったような辛辣な悩みの声もよく耳にしていました。
せっかく数十万~数百万近いお金をかけて求人広告を出していても、これでいては水の泡。
しかし、応募者が辞退する理由は意外にも雇用側(店側)に起因する可能性もあるのです。
今回は、応募者を辞退させることなく雇用へ導くたった1つのコツをご紹介いたします。
◆コツはたったの1つ「確実に面接を行う」こと。
表題の通り、覚えておくべきことはたったの1つで「確実に面接を行う」ことが大切です。
求職者を雇用するためには、まず【面接】の時節を設定しなくてはなりません。
しかし自分で応募しておきながら意外にも面接を行わない人が実は9割もいるということを皆さんはご存知でしょうか?
右図は、「エン人事のミカタ」が196社の企業向けに「面接前の辞退経験の有無」のアンケートを集計したものです。ご覧の通り92%以上の企業が面接を辞退された経験があると回答しており、人事泣かせの求職者が多いように感じられますね。
応募した求職者の心理を大きく2つに分けて考えてみると、「ここが良くて応募した人」と「とりあえず応募してみた人」の2パターンに分かれます。
雇用側からすると、前者の方が良いというのは言うまでもありませんが、相当な好条件あるいは、求職者の強い意志がなければ、ほとんどの場合が後者となります。
現役求職者に意見を聞くと、
「複数の求人を同時応募したから1件1件覚えていない」
「応募したけど返事が来ずにどうでもよくなってしまった」
という声も挙がっており状況によっては応募中に求職者の温度感が下がってしまうことも珍しくありません。応募したのに面接をせず辞退する人が多すぎる状況では面接を確実に実行することが内定・雇用に大きく影響を与えると考えられます。
◆面接向上率を上げるためにすること3つ
これは求職者の記憶に応募先(あなたの店や会社)のことを覚えてもらうこと、応募者の「ここで働きたい」という温度感をキープするために行うことです。1つずつ確認してみましょう。
①連絡のレスポンスを早くする。
皆さんは毎日求人応募をチェックしていますか?
応募をしてからの連絡が遅ければ遅い、選考期間が長いほど、選考辞退が多い傾向にあります。
とあるデータによると、応募した翌日までに連絡がほしいという求職者は全体の7割にも及ぶとか。
確かに、筆者も数年前は就職活動をしていましたが、連絡が遅いと感じた職場に対する志望度は少なからず下がり他求人に目移りしていた記憶があります。応募者とのやり取りをスピーディーに行うことが、採用を成功させるための前提となります。
②留守番には必ずメッセージを。時間を変えて3度まで。
応募先からの電話があっても折り返し電話をかける人の割合は、たったの半分。
若者だけにしぼると割合は3~4割程度ともっと低くなってしまいます。そのため、電話をかけて不在だった場合は必ず留守番メッセージを入れるようにしてください。
留守番メッセージを残すだけで折り返し連絡が来る可能性が約2割ほど上がるとされています。
また、かけなおす場合は1日に3回までがベスト。それも時間を変えて、昼休みや就業後を狙って連絡するようにしてみてください。
また、SMS(ショートメッセージ)を利用することもかなり効果的です。
ショートメッセージはメールとは少し違って、電話番号同士で送受信するメッセージなので電話番号さえ分かれば、必ず相手に届きます。これらを実践することでぐんっと求職者とのコンタクトがとりやすくなりますよ。
③油断は禁物!面接時にはほんのひと工夫を。
冒頭でもお伝えしましたが、無事連絡が繋がり面接の時節を組んだものの
当日ドタキャンしたり、無断キャンセルするということも最近ではよく見受けられます。
このような事態の防止策として意外にも有効なのが「当日の飲み物を聞く」ということです。
例えば「当日お飲み物をご用意するのですが、紅茶とコーヒーどちらにしますか?」など、応募者に自ら1つ選択してもらう項目をつくることで、親切に対応されていると感じられるようにするのです。この質問をすることで、某飲食店では面接率が30%向上したという事例もありました。
他にも、当日来る経路を確認し最寄り駅・経路を教えてあげたり、名前を何度か繰り返し呼ぶこと、当日に事前確認の連絡を入れることも有効です。
まとめ
2019年も「人手が足りない」問題は採用担当者の大きな悩みですが、
一つ工夫をするだけで大いに改善することもできるのです。
ふつうあってはならない「ドタキャン」や、やむを得ない「辞退」について求職者だけの問題として考えるのではなく、雇用側が求職者側の目線に立って工夫することで、面接率、雇用率をアップさせることができます。1件1件の応募に対し、スピーディに、そしてこまめに、そして丁寧に対応することで確実な面接の回数を増やしていきましょう。