客に嫌われる飲食店が気づかない、好感度を下げる理由 後編
意図的にではなく、知らないうちに好感度を下げてしまっているケースが多いようです。
では、嫌われてしまう飲食店はどのような理由で好感度が低くなってしまうのでしょうか。
本コラムは、その理由を2つのポイントから解明して行きます。
前編では、ハード面の問題を指摘しました。まだご覧になってない方は、こちらをチェックしてみてください。
メニュー開発や接客サービスなど、ソフト面を改善をしようとする飲食店は数多くあります。
しかし什器や設備といったハード面に問題が生じた場合、気がつきにくいこともあり対応が遅くなります。またコストや手間がかかるため、重い腰がなかなか上がりません。
いつの間にか、お客様が食事を快適に出来る環境ではなくなり、好感度を下げてしまうのです。
後編ではお客様から嫌われてしまう、もう1点の理由を紹介します。
飲食店にも襲いかかるスメハラ問題
好感度がいとも簡単に下がってしまう原因があります。
それは匂いです。不快な匂い、いわゆる悪臭は、とくに女性客を中心に逃しやすい要因となります。
最近では、スメルハラスメント(いわゆるスメハラ)という臭いによる嫌がらせが深刻化するほど、匂いによって生じる問題と向き合うべき時代となりました。
ここでB2Bマーケティングによる『「香り」や「臭い」がもたらす影響・効果に関する調査』を手がかりにしみましょう。
飲食店に限らず、日常生活における「香り」や「臭い」に対して、50万人の会社員から意見を集計したものです。
「自身が嫌いな香り、不快に感じる臭いは、「生ごみの臭い(829件、67.7%)」が最多。次いで「汗・体臭の臭い(503件、41.1%)」、「タバコの臭い(452件、36.9%)」と続きます。「飲食物の臭い(21件、1.7%)」は圧倒的に低い結果となっていますが、飲食の対象やその組み合わせによって、その結果に大きな影響を与えるかもしれません。 」⁽¹⁾
生ごみの臭いは、キッチンまたは店外から。
汗・体臭は、季節によってはスタッフや隣席の顧客、またはトイレから。
タバコの臭いは、喫煙席から流れ込んできます。
臭気によって、快適な食事のひと時を妨げられることは間違いありません。
以前、『女性客を味方につける”キレイ”な店づくり』というコラムで、トイレの清潔さが女性客の心をつかむことを主張しましたが、とくに臭い対策は重要です。
トイレだけに限らず、悪臭が漂う根本原因を特定させて、断ち切る必要があります。
例えば、
- 清掃が行き届いていない。
- 空調設備が不調である。
- 衛生管理を怠っている。
など。
徹底した掃除や、機材の修理を迅速に行いましょう。
もし臭気の原因が特定出来ない場合は、臭気判定士という匂いの専門家がいるので、プロに見てもらうのも1つの手です。
好感度を下げてしまう悪臭。
ハード面のトラブルと同じように気がつきくく、解決が難しいこともあります。
しかし冒頭で述べたように、いとも簡単に好感度を下げることが可能です。
嫌われる飲食店にならないためにも、お客様の反応を敏感に”嗅ぎ取る”ことを意識していきましょう。
さいごに
悪臭対策をして、無臭にすることが出来れば、さらにワンランク上の対策がオススメです。
それは店内やトイレに、好感度をアップさせる匂いを漂わせることです。
先ほどの『「香り」や「臭い」がもたらす影響・効果に関する調査』で、好感度の高い香りが調査報告されています。
「自身が好きな香りは「柑橘系(713件、58.3%)」が最多。次いで、「フローラル系(495件、40.4%)」、「ハーブ系(260件、21.2%)」と続きます。確かに、自宅用の消臭・フレグランス商品においても、柑橘系とフローラル系の香りを取り入れた商品は多く目にします。個人の好みやTPOにも依りますが、一般のお客様が好む香りを考慮した売場作りは、お客様との関係強化と集客力アップに貢献しそうです。」
柑橘系・フローラル系・ハーブ系のアロマやお香などが効果的だと考えられます。
今回の記事を参考にして、いつの間にか好感度を下げて、お客様から嫌われる飲食店にならないように、気がつきにくい2つのポイントに対応してみて下さい。
【参考文献・リンク】
⁽¹⁾『「香り」や「臭い」がもたらす影響・効果に関する調査』 ~香りは集客にどの様な影響を与えるか!?~|B2B MARKETING
http://b2b-marketing.co.jp/whitepapers/B2BM_report_201407.pdf