「ちょい飲み」「サク飲み」商戦を勝ち抜く3つのポイントと1つの突破口(中編)

「ちょい飲み」「サク飲み」商戦を勝ち抜く3つのポイントと1つの突破口(中編)

今回のテーマは、トレンドとなっている「ちょい飲み」「サク飲み」の可能性です。シリーズ(前編・中編・後編)でお届けしています。

前回のコラム(「「ちょい飲み」「サク飲み」商戦を勝ち抜く3つのポイントと1つの突破口」(前編))では、低予算でお酒を飲む文化について歴史を辿りました。

最後に問いかけたのは「ちょい飲み」「サク飲み」と、「せんべろ」との違いについてです。

今回は、この問題から考えていきましょう。

「ちょい飲み」「サク飲み」商戦を勝ち抜く3つのポイント

「せんべろ」ができるのは、あくまでも大衆居酒屋・酒場です。
立ち飲み屋にも多く、当初から顧客単価が安価に設定されています。

一方で「ちょい飲み」「サク飲み」は、おもに2タイプ。

1つは一般的な居酒屋やバーで低価格のセットを提供するケース。

もう1つはファミリーレストランやファストフード店、コンビニエンスストアなど、新たに商戦へと参入してきたケース。

特記すべきは、世間的には後者の動向が注目されているということです。
理由は3つほど考えられます。

効率よくスマートにお酒を飲みたい層

①プチ贅沢感(お得感)
一般的な居酒屋よりも安価で贅沢なメニューや、低価格でボリューム感のある料理が食べられること。具体的な事例は後述しますが、お得感が重視されています。

②短時間勝負
短時間での飲食が気軽にできること。飲み会といえば”終電まで””2~3軒はしご酒””2時間飲み放題”という習慣が、居酒屋離れの要因の1つでもあります。回転の速い飲食店では、短時間(例えば30分や60分)での飲食が可能です。むしろ長居することは不自然となります。

③くつろぎ感(ストレスフリー)
気兼ねなく低予算で飲食できることが挙げられます。顧客単価が3000~4000円ほどの居酒屋では、引け目を感じてしまいかねません。しかし顧客単価が1000~2000円以内のファミリーレストランやファストフード店であれば、気負うことなく飲食が可能です。(またファミリー層であれば、お子様も連れて気軽に入店しやすいこともメリットでしょう。)

すなわち「ちょい飲み」「サク飲み」とは、<効率よくスマートにお酒を飲みたい層>を主役にしたトレンドであると言えるでしょう。

ちなみに商戦に適しているエリアは、市街地(または郊外)です。仕事終わりに寄りやすいビジネス街(または住宅街)が、ターゲット層にとって好都合であるためです。日々、通いやすくてリピート率も高くなります。

冒頭で紹介した「ちょい飲み手帖 vol.4」が三宮・元町・神戸を対象していることから明らかでしょう。「せんべろ」は新開地エリアというイメージなので、戦うべき場所もターゲットにする層も異なります。

ここで飲食店において、大切なことが1つあります。

ただ価格を下げればいい、ちょい飲みセットを提供すればいい、という単純な対策では通用しないということです。

お客様は、低価格でアルコールを飲みたいわけではないからです。
むしろ“短時間で充実した飲食を楽しみたい”というニーズがあるのではないでしょうか。

どのようなサービスであれば、高い満足度が得られるのでしょうか。
そこで「ちょい飲み」「サク飲み」ニーズに対応している6店舗の事例を紹介します。

6つの先行事例

短時間で充実した飲食を楽しみたい

■和食レストラン「夢庵」(http://www.skylark.co.jp/yumean/index.html)
商品名:ちょい飲みセット(http://www.skylark.co.jp/yumean/menu/choinomi.html)
内容:生ビール(サワー・ハイボール・ホッピー)+おつまみ3種+中天ぷらor若鶏の唐揚げ
価格:799円(税別)
特徴:3種も選べる充実したおつまみ。さらにウィスキーを自分で作るトリスセット(ドリンクバー1人前付き)を599円(税別)で提供。

■デニーズ(https://www.dennys.jp/)
商品名:ほろデニセット(https://www.dennys.jp/menu/horodeni/)
内容:お酒(生ビール・レモンサワー・角ハイボールなど)1品+おつまみ(牡蠣フライ・スモークサーモンなど)1品
価格:500円(税別)
特徴:ワインコインでデニーズの人気メニューが食べられるコストパフォーマンスの良さ。

■吉野家(https://www.yoshinoya.com/)
商品名:吉呑み(https://www.yoshinoya.com/service/yoshinomi/)
内容:オリジナルのおつまみ・お酒メニューを提供。
価格:牛煮込み:350円(税込み)、牛皿(並):330円(税込み)、牛カルビ皿(並):480円(税込み)、生ビール・角ハイボール・梅酒:350円(税込み)
特徴:「ちょい飲み」商戦の先駆者的存在。今や全国展開しており、喫煙室・テレビ席を設けている店舗もあり。

■なか卯(http://www.nakau.co.jp/jp/index.html)
商品名:呑み卯(http://www.nakau.co.jp/jp/news/233)
内容:オリジナルのおつまみ・お酒メニュー(生ビール・角ハイボールなど)を提供。
価格:ドリンク全て:280円(税込み)、190円メニュー(枝豆・旨味唐あげなど):190円(税込み)、280円メニュー(牛すじ煮込み・炭火焼き鳥など):280円(税込み)
特徴:ドリンク・おつまみメニューをすべて均一価格で展開しているのが特色。注文しやすい価格設定。

■丸亀製麵(https://www.marugame-seimen.com/)
商品名:30分飲み放題(https://www.facebook.com/marugame/posts/1553909877993595)
内容:1,000円セットA(親子とじ・選べる3品・飲み放題)、1,000円セットB(うどん・選べる3品・飲み放題)、1,200円セット1,000円セットA(かつとじ・選べる3品・飲み放題)
*飲み放題メニューは、生ビール・ハイボール・レモンチューハイなど。
価格:1,000円セットA・1,000円セットB:1000円、1,200円セット:1200円
特徴:1,000円で飲み放題とおつまみ3品、最後の〆までついた抜群のコストパフォーマンス。

■和食さと(https://sato-res.com/sato/)
商品名:さとバル(https://sato-res.com/sato/bar/)
内容:120分飲み放題(キリン一番搾り・焼酎・ウィスキー・梅酒など8種類以上のお酒が飲み放題)
価格:998円(税別)*平日(月~金の終日と土曜の開店~15時まで)
特徴:さとカフェ(ドリンクバー)も利用可能。自分でカクテルを作るシステムで、レシピは50種類以上。

以上です。

これらの事例には、すべて「ちょい飲み」「サク飲み」ニーズから生まれたサービスです。「安くでプチ贅沢な飲食したい」「長居せずに、サクッとお酒を飲みたい」といった顧客のニーズが反映されています。

では、これらの先行事例からファミリーレストランやファストフードだけでなく、一般的な居酒屋やレストランでも活かせるポイントはないでしょうか。次回は、その可能性について模索をしていきます。

PAGE TOP