「ちょい飲み」「サク飲み」商戦を勝ち抜く3つのポイントと1つの突破口(後編)

ちょい飲み・サク飲み商戦を勝ち抜くためには? 後編

今回のテーマは、トレンドとなっている「ちょい飲み」「サク飲み」の可能性です。シリーズ(前編・中編・後編)でお届けしています。

前回のコラム(「「ちょい飲み」「サク飲み」商戦を勝ち抜く3つのポイントと1つの突破口」(中編))では、「ちょい飲み」「サク飲み」商戦を勝ち抜く3つのポイントと先行事例を紹介しました。

改めて

①プチ贅沢感(お得感)
②短時間勝負
③くつろぎ感(ストレスフリー)

の3点です。

「吉呑み」や「さとバル」といった先行事例には、これらのポイントが散りばめられていました。

「ちょい飲み」「サク飲み」商戦の突破口

しかしながら飲食店経営の視点で言うと、それ以上に気づかされることがあります。

今までの居酒屋にはない演出が1つあるということです。
それはファミリーレストラン特有のドリンクバー。

自分でカクテルを作るという楽しみ、言わばアトラクションを設けています。
とくにカクテルレシピも公開している「さとバル」が最たる例でしょう。

工夫によってはオリジナルのカクテルも作ることは可能です。
言いたいのは、ドリンクバーを導入すべきということではありません。

お客様が自ら考えて動ける導線。
簡潔には、ゲーム的な要素とでも言っておきましょう。

この仕掛けが重要なポイントになると考えられます。

ゲーム性のある時間を過ごせます。

飲み放題で言えば、制限時間内に飲める量は限界があります。
でも、作れるお酒の種類は自分次第でいくらでも可能。

その中で、どのお酒とドリンクを組み合わせるか、いかに美味しいお酒を楽しく飲めるか、考えて動かなければなりません。

お客様にとってはゲーム性のある時間を過ごせます。

これこそが、ファミリーレストランやファストフード店が流行る理由ではないでしょうか。
一方で、弱点はあります。

「NPD Japan, エヌピーディー・ジャパン(株)CRESTR」(1)によれば、2015年9月~2016年8月計の期間に「ちょい飲み」市場で前年同期比で伸びているアルコールは「ワイン」「カクテル」だと発表されています。

つまり生ビール以外にも、ドリンクを充実させることが求められています。

ニーズの多様化に伴って、豊富なアルコールメニューを揃えることは「ちょい飲み」「サク飲み」でも必要です。

ドリンクバーを提供する店舗は、既に対応できていることかもしれません。しかし生ビール・ハイボール・酎ハイを中心に提供する飲食店にとっては1つの課題であり、欠点とも言えるでしょう。

これらの考察から、1,000~2,000円の予算でゲーム感覚で参加でき、充実したドリンクを楽しめる「ちょい飲み」「サク飲み」が1つの突破口となります。

飲食店としては、「ちょい飲み」「サク飲み」を低価格サービスではなく、アトラクションだと思って、演出を考えられてみてはいかがでしょうか。

「ちょい飲み」「サク飲み」を低価格サービスではなく、アトラクションだと思って演出

さいごに

今回は、「ちょい飲み」「サク飲み」の歴史を振り返りながら、成功事例に共通する3つのポイントを紹介しました。その中で筆者がたどり着いた、今後の方向性を示唆させていただきました。

【参考文献・サイト】

(1)NPD Japan, エヌピーディー・ジャパン調べ

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