音楽を聴くと仕込みがはかどる?ホットで旨い邦楽・9選後編
前回は、作業中に音楽を流すメリットを2つ解説しました。それは作業効率と人間関係をより良くするためです。とくに音楽によって親密な関係を構築できる「類似性の法則」を重視しました。
今回は「類似性の法則」の成功事例と、グルメをテーマにした邦楽9曲を厳選して取り上げます。
BGMは新人に選曲させろ!ある鉄板焼き屋の成功事例
まず「類似性の法則」について、ある飲食店の事例を紹介します。
大阪市内にある鉄板焼き屋のオーナーにインタビューを実施。その一環で音楽の活用方法について、興味深い話を教わりました。
開店準備中(10時~11時)と休憩時間中(15時~17時)を活かして、音楽を流しているそうです。流す音楽は、スタッフによる選曲。
『以前は、ラジオを適当に流してたんですよ。でも、この時間(開店準備中と休憩時間中)を上手く活かせないかと考えたんです。とくに新入りのメンバーに、好きなバンド・アーティストの楽曲を流してもらうように一任してみました。』
すると先輩のスタッフから新メンバーに声をかけて、自然な会話が生まれていったそうです。
「この曲いいな、なんていうタイトル?」「この感じ好きやわ、ちなみにこんなバンド知ってる?」と弾んで、一気に親密度はアップ。なかにはミュージシャンのファンになったスタッフ同士で、ライブやコンサートに足を運ぶこともあるとか。
これこそ「類似性の法則」の実践例ではないでしょうか。さらにオーナーも自ら楽曲を選んでいます。
その際のこだわりは、飲食をテーマにした楽曲やアーティストに限定していること。グルメをテーマにした楽曲や、お酒を飲みながら聴きたい楽曲など、同じ飲食店で働いているためか距離感が近くなりやすいそうです。
グルメをテーマにした邦楽9選
以下では食べ物やドリンク、飲食店をテーマにした9曲を紹介します。
今までにも各時代ごとに話題になった楽曲はいくつもあります。
例えば、江利チエミの「酒場にて」やシブがき隊の「スシ食いねェ! 」、SEX MACHINEGUNSの「ファミレスボンバー」などジャンルを問わず、挙げればキリがありません。
ほかにも怒髪天の「酒燃料爆進曲」
BEGINの「オジー自慢のオリオンビール」
といったドリンクに特化した楽曲もあります。
今回はリズム・テンポが良く、スタッフ同士でもネタにしやすい、近年の楽曲を厳選してみました。
①CHAI「ほれちゃった」
■NEOかわいいバンドを称する、人気沸騰中のガールズバンド。餃子への愛を歌ったハイセンスな曲です、
②MONO NO AWARE「マンマミーア!」
■独特のメロディーや歌詞が注文されているエレクトリック系のニューホープ。人生をカップヌードルに例えたり、詩的な歌詞の中にぼんじりやサバが登場して面白い。
③打首獄門同好会「日本の米は世界一」
■3ピースのラウドロックバンド。米の品種から定食、丼のメニュー名まで羅列していく歌詞は、インパクト強烈。
④くるり「琥珀色の街、上海蟹の朝」
■結成20年を超えた日本を代表するロックバンド。「上海蟹食べたい あなたと食べたいよ」というコーラスで、ポジティブでありながらも柔らかい唯一無二の空気感に包まれる。
⑤韻シスト feet.鎮座dopeness&チプルソ「ホットコーヒー」
■大阪発のヒップホップバンドによる人気ラッパーとのコラボ曲。ホットコーヒーを飲みながら過ごす時間を、お洒落でスタイリッシュに演出。
⑥ドミコ「グレープフルーツジュース」
■不思議なサウンドに虜になる2ピースバンドドミコ。懐かしくも新しいサウンドに合わせて、海岸の波打つ風景が浮かび上がってくる楽曲。
⑦tricot「melon soda」
■京都発。中嶋イッキュウをフロントマンに変拍子を強みに持つロックバンド。人との別れを、メロンソーダのような後味で表現した曲。
⑧RHYMESTAER「梯子酒」
■ヒップホップ界のカリスマ的なグループ。どんちゃん騒ぎと歌詞に出てくるように、居酒屋で盛り上がり、次の1件も行きたくなるナンバー。
⑨SANABAGUN「居酒屋JAZZ」
8人組のジャズ・ヒップホップグループ。楽器1つ1つが、高い演奏力で迫りくる1曲。まさにタイトルの通り、居酒屋を舞台に謳いあげるJAZZ。
さいごに
今回の記事を参考に、ご自身でも仕込み中・開店準備中に流したいBGMを探してみてください。