店長・マネージャー必見!指揮者から学ぶリーダー論<一章>

オーケストラをする指揮するマエストロから、飲食店でスタッフをまとめるリーダー(店長やマネージャー)のあり方をテーマに、コラムをお届けしています。

前回は、なぜ指揮者が飲食店における店長・マネージャーと言えるのかを、筆者なりに見解を示しました。

小澤征爾氏によるセミナー動画を紹介しながら、指揮者によってオーケストラのパフォーマンスが変わることを見てきました。

誰がリーダシップを発揮するのかによって演奏が異なるように、飲食店でも店長・マネージャーの力量次第でスタッフの働きぶりに差がつくのです。
では、いい指揮者とはどんな特徴があるのか。
今回からのコラムで詳しく見ていくことにしましょう。

指揮者がやるべき仕事は、指揮をするだけではない

指揮者がやるべき仕事は、指揮をするだけではない

そもそも指揮者とは、主にオーケストラや吹奏楽・合唱・ビッグバンド等で、各パートの演奏をまとめる役割を担う存在です

やるべき仕事はおもに2つ。

・オーケストラの演奏をまとめること。
・作曲家の世界観を理解・構築して、演奏家に伝達すること。

一見シンプルですが、楽譜だけではなく作曲家の世界観にまでアプローチをすることや、それをオーケストラの演奏で再現することは、たしかに難しい作業です。

しかし、やるべきことはたった2つ。
それにもかかわらず、なぜ指揮者によって大きく差が出てしまうのでしょうか。

2015年に公開された『マエストロ!』という映画があります。

指揮者の天道を演じるのは、西田敏行さん。
主演は、ヴァイオリニスト香坂役の松坂桃李さん。

内容は、解散した名門オーケストラの元団員たちが再結成をする話。復活コンサートに向けて集まってみたが、場所は廃工場。

そして天道は、指揮棒ではなく大道具を振り回わす正体不明の人物。はじめは破天荒ぶりによって団員は不平不満を爆発させてしまうが、実はすべて理由あってのこと。

自信を喪失した団員、人生に挫折をした団員。そんな負け組オーケストラたちのやる気や演奏力が、天道によって徐々に引き出されていく、そんなストーリーの映画です。

予告編の映像だけでも、指揮者の言葉に吸い寄せられます。

「わしら人間は誰でも死ぬ。音と一緒で一瞬や」「お前ら、この演奏が今日で最初で最後やと思って弾いたことがあるか」。稽古中、惰性で楽器を奏でるメンバーに投げかけるひと言です。

まるで音楽だけではなく、自分の人生、毎日との向き合い方も、だらだら送っているだけではないかと突き付けられます。

ここでローム株式会社が運営する「小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトⅩⅣ」を取り上げておきましょう。

2016年に開催された若手音楽家を育成する企画なのですが、オーボエ奏者の1人がこのような発言を映像内でしています。

「小澤先生は、ぼくらに指示で音楽用語でもちろんやってくれるんですけど、ぼくとしてはもう自分の生き方を、こう指導されているようなというか。いろいろ小澤先生に言葉をいただいているような気がして・・・」

彼のコメントを耳にして、ふと思い出した話があります。

京都市内の焼肉店で店長を務める方に、インタビューをした時のことです。

焼肉店を経営する動機について伺いました。

「以前、働いていた焼肉店の店長に影響を受けました。すごくアイデアマンだし、新しいチャレンジをどんどんしはるんです。で、めっちゃポジティブ。男としてカッコいいなと思いました。焼肉屋をしてるんじゃなくて、お店の営業を通して自分の人生に挑んでる。店長からは、そんなこと言われたことないですよ。でも、そう見えるんです。」

さらに当時のエピソードも教えてくださいました。

「あれこれ細かい指示をするような人でもなかった。でも店長がいると、みんなやる気出すし、上手いこといくんですよ。ぼくも、自分に自信ない方ですけど、店長とおったら自信湧くんです。例えば、お肉の部位によって、美味しくなる焼き方がかわるようなメニュー表を作ったんですよ。そしたら褒めてくれるんじゃないんです。こういうのん欲しかったんや、なんで思いついたん?とか、とにかく喜んでくれたんです。さすがに自信持てましたね。」

さいごに

この経験のおかげで、自分のお店を持ちたいと目指すようになったという店主。
まるで指揮者と演奏家のような関係を彷彿させる話です。

次回はどんなタイプの指揮者が、オーケストラたちのモチベーションを引き出すのかを、そして飲食店リーダーでは、どんな活用ができるのか考えていきましょう。

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