新人スタッフのやる気をなくす教え方NG集|飲食店での体験談を紹介

「こちらから指示しなければ動かない」「何度同じことを繰り返し教えても覚えてくれない」など、飲食店経営者の皆さんの“スタッフ育成”の悩みはつきないものです。

 

ついつい、スタッフのミスや態度にイラっとして、頭ごなしに怒ってしまったり、なだめすかしたり、そんな指導の方法をしていませんか?

飲食店のオーナーの方や、店長の方に必見!

今回は、思わずやってしまいがちな「スタッフのやる気をなくす指導方法」をNG集にしてまとめてみました。また、筆者の飲食店でのアルバイトの経験と、「マンガでわかる!行動科学で部下が勝手に育つほめる技術」を参考に、指導方法の改善策もまとめています。ぜひ今後のスタッフとのコミュニケーションの方法などの参考にしてみてください。

①性格や人格を指摘する

実はやってしまいがち!?スタッフのやる気をなくす教え方NG集
1つ目は、スタッフを注意するとき、性格や人格を指摘してしまうことです。

例えば、新人のスタッフが何度指導しても同じミスを繰り返してしまったとき、「なんでこんなことできないんだ!」「本当にダメだな!」と声を荒げてしまったことはありませんか。

筆者がまだ飲食店で働き始めて間もないころ、ハンディの使い方がよくわからず、オーダーの取り間違いのミスを何度もしていました。その頃は、店長からいつも

「なんでいっつも同じミスをするんだ!」
「いい加減覚えろ!」
「本当にグズいな」

と叱責される日々でした。新人の頃はそのせいで働くのが本当に嫌でした・・・。

これでは、感情のままにイライラを一方的にぶつけている、いわゆる「怒る」という行為です。これは実質的に相手のやる気を削ぎ、スタッフの行動自体をさらに委縮させてしまう恐れがあります。

正しい方法は、人格の否定ではなく、あくまで相手のためを思って行動を注意する「叱る」ことです。スタッフがミスをしてしまった場合、どんな行動が正しく、何をすればミスを回避できたかを、スタッフの行動のみに着目して指摘しましょう。例えば、筆者のようなオーダーの取り間違いのミスを指摘する場合、「焦ってハンディを曖昧に入力し、お客さんにオーダーの確認を再度しなかったのがよくなかったな」と、間違っていた行動を的確に示すのが大切です。

怒りの感情をコントロールし、スタッフの今後の成長を期待して叱ってあげましょう。

怒りやイライラとうまく付き合う方法はこちらをご覧ください。

②指示内容がアバウト

実はやってしまいがち!?スタッフのやる気をなくす教え方NG集
2つ目は、スタッフへの指導内容が漠然としていて分かりにくいことです。

ここでまた、筆者の飲食店でのアルバイト経験談を例に挙げてみましょう。
ホール業務をしていた筆者は、ある時お店が忙しくなって来店が相次いだ時間帯に、仕事の優先順位が混乱して分からなくなり、パニックに陥ったことがありました。

その時、一緒に働いていた社員に、
「しっかりしてくれよ、わかるだろ?」
と言われて、いや、それが分からないから混乱しているんだ!と抗議したことがあります。

皆さんはどのように指摘をしていますか?「しっかりしろ。」「やる気を出せ。」という常套句で、頭ごなしに指導していませんか?
これでは、言われているスタッフも“何がいけなかったのか”、“どうすれば改善できるのか”が分からないため、また同じようなミスを繰り返す事態になりかねません。

ここで参考にしていただきたいのが、行動科学マネジメントで定義されている「MORSの法則」

M(mesuarable:計測できる)、O(observable:観察できる)、R(reliable:信頼できる)、S(specific:明確化された)という条件をすべて満たす指示が望ましいといわれています。

例えば、「お客様に10回デザートをおすすめする、お店のメニューを毎日5個覚える」など数値を盛り込んで指示の内容を具体化することで、スタッフ側も実行しやすくなりますし、それができていなくても、指示する側から対策が提案しやすくなります。

また行動をしているか、していないかの二択だけで相手を簡単にほめることができるので、指導内容を具体化・数値化することで、誰もが簡単にほめ上手になれます。

さらにワンランク上の教え方として、スタッフのタイプに合わせたコミュニケーションを心がけてください。効率を重視する人、正確性を重んじたい人など、さまざまなタイプがあります。個人に合った指導ができれば、よりスムーズに人材育成ができます。詳しくは、以下の記事をご覧ください。

☑店長との相性問題も解決!人間関係に役立つコミュニケーションタイプ診断

③目標設定・管理されていない

 
叱るだけ・指摘するだけでは、スタッフのやる気は損なわれるばかりです。
持っている才能を伸ばすことができません。
 
なにか教える場合は、指導者がまずは見本を見せて教えることは大切なのです。
しかし、ただやってみせて、覚えてもらうだけでは効果はありません。
 
スタッフに目標を持ってもらうことが重要です。
目標があれば、それを達成するためにアドバイスを受け入れられるようになります。
 
目標を立てるポイントは
  • 具体的であること
  • 期限が設けられていること
  • チーム・お店で進捗・達成状況を共有できること
です。
 
たとえば、「来月までに1人で開店準備をできるようになる」という目標を立てたとしましょう。
実行するのはスタッフですが、どこまでできるようになった、あとどれだけの課題があるのかを日々共有するのは、先輩や店長、お店のメンバーです。
 
もし達成できれば、一緒に共有して成長を味わうことができます。教え方が下手な人は、目標を与えるのが下手ということができます。
 
目指すべきものがない、目の前の仕事の目的がないスタッフは、素質や才能があっても、モチベーションを持ってもらいづらいでしょう。

スタッフが前向きに働ける職場環境へ

いかがでしたか?「あるある!」「やってた!」と思わずうなずいてしまった行動も多かったのではないでしょうか。

自分の感情論のみで怒りをぶつけたり、指示する内容が漠然としていて何をしたらいいかわからないことが、スタッフのやる気を下げる原因となっていしまっているようです。

また、もう一つ大切なこととして、叱るにしても、褒めるにしても、ベースとして絶対にあるべきことはスタッフとのコミュニケーションの場を常に設けることです。

スタッフが「もっとがんばりたい」、「成果を出したい」と前向きに働けるような職場環境を作るために、今一度チェックしなおしてみましょう。

やる気をうまく引き出す方法として、こちらの記事もご活用ください。

☑ゆとり・さとり世代を即戦力に!やる気を引き出す指導法

【参考文献】
石田敦『マンガでわかる!行動科学で部下が勝手に育つほめる技術』(宝島社)

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