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日本でも始まる"食品ロス削減推進法案"

日本では2月の風物詩である「恵方巻」の大量廃棄を皮切りに、スーパーマーケット・コンビニ・外食産業の食品ロス問題とその対策について議論されることが徐々に増えてきています。

世界の食品ロス問題に目を向けてみるとその廃棄量は年間約13億トンにも上り、生産された食料品の約3分の1に当たる量が毎年廃棄されているというのが現状です。

こうした食品ロス問題を重くみた各国では様々な対策や取り組みが始まっており、ついに日本でも食品ロス削減推進法案が制定されることとなりました。

今後も取り組みが進む食品ロス問題は、飲食業界にも大きな影響を与えそうです。

●目次
食品ロス削減推進法案とは?
世界での食品ロス対策の取り組み
日本で始まっている様々な食品ロス対策
食品ロス対策は企業や店舗の集客・イメージアップにも繋がる

●食品ロス削減推進法案とは?

食品ロス削減推進法案とは?

 
2019年5月。消費者庁は日本国内における食品ロス問題の現状を改善すべく、食品ロス削減に向けた取り組みについての法律を制定しました。

その法律が、「食品ロス削減推進法案」です。

・世界には栄養不足の状態にある人々が多数存在する中で、とりわけ、大量の食料を輸入し、食料の多くを輸入に依存している我が国として、真摯に取り組むべき課題であることを明示

・食品ロスを削減していくための基本的な視点として、①国民各層がそれぞれの立場において主体的にこの課題に取り組み、社会全体として対応していくよう、食べ物を無駄にしない意識の醸成とその定着を図っていくこと、②まだ食べることができる食品については、廃棄することなく、できるだけ食品として活用するようにしていくことを明記多様な主体が連携し、国民運動として食品ロスの削減を推進するため、本法を制定する旨を宣言
 
 食品ロスの削減の推進に関する法律案概要
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/housei/pdf/198hou8siryou.pdf/$File/198hou8siryou.pdf

特に飲食店や外食産業などの事業者に関しては、国又は地方公共団体が実施する食品ロスの削減に関する施策に協力するよう努め、賞味期限や消費期限などによる食品ロスの削減について積極的に取り組むよう努めるものとしています。

今までは何気なく廃棄していた食品や廃棄食材ですが、これからは廃棄される食材を削減する方法も考えていかなければなりませんね。

●世界でおこなわれている食品ロス対策への取り組み

世界でおこなわれている食品ロス対策への取り組み

 
世界では、食品ロスに対する取り組みが盛んにおこなわれているのをご存知でしょうか。この問題が世界で注目されるようになったのには、大きなきっかけとなることがあったのです。

2011年の国連食糧農業機関(FAO)が発表した「Global Food Losses and Food Waste」という報告書において、食品ロスが引き起こしている環境問題や資源枯渇などの実態が報告されました。

そして翌年の2012年には、当時の国連事務総長が「Zero Hunger Challenge(世界から飢餓を無くす)」を宣言。「食品ロスまたは食品廃棄をゼロとする」という目標を掲げ、各国政府や企業、NGOなどに対して、食品ロス問題への取り組み参加を呼びかけました。

特にヨーロッパの国々では先進的な食品ロス対策を実施しており、2014年を「ヨーロッパ反食品廃棄物(=食品ロス)年」と定めました。

以下に欧州各国やアメリカが実施している食品ロス問題への取り組みをまとめてみました。
世界ではこのような取り組みが実際におこなわれています。

<デンマーク>
コペンハーゲンにて、賞味期限切れの食品を専門に扱うスーパーマーケットの「WeFood」がオープン。近隣の食料品店から売れ残り商品の寄付にて仕入れをおこない、安価な価格で食料品を販売する事業を開始。

<イギリス>
大手小売チェーンの「Tesco」という企業は、自社の食品ロス情報を積極的に開示して企業としての取り組みを公開している。

<フランス>
2016年2月に「食品廃棄禁止法」が成立され、法律によって食品の廃棄が禁止される。ヨーロッパの国においては、いち早く食品ロス対策に関する法律を作った。

<アメリカ>
低所得者層が多く住む地域などで、「WeFood」のような規格外の食品や古くなった食品だけを安価に販売する小売チェーン店の企業が続々と登場している。

●日本国内で始まっている食品ロスへの取り組みと活動

日本国内で始まっている食品ロスへの取り組みと活動

 
世界で進む食品ロスへの取り組みですが、日本の外食産業・飲食店・IT企業などでも様々な取り組みが開始されています。

続いては、日本の企業が進めている食品ロス対策をご紹介していきましょう。

◆日本マクドナルドホールディングスは国内における商品の廃棄量を半減へ
それまでファーストフード業界では常識だった作り置き商品を提供する「作り置き方式」から、出来立てのハンバーガーを素早く提供する独自システムを構築。一定時間が経過した商品の廃棄量を減らし、完成商品の廃棄量を半減するまでに至った。

◆イオングループは食品廃棄物を2025年までに半減へ
グループ各店の食品廃棄物削減を目標として、発生原単位(売上100万円あたりの食品廃棄物発生量)を2015年度比で、2020年までに25%削減、2025年までに50%削減すると発表。

◆食品ロス削減のためのフードシェアリングサービス「TABETE」が登場
株式会社コークッキングがリリースしたTABETE(https://www.cocooking.co.jp/food-sharing/)というアプリは、飲食店と連携したフードシェアリングサービス。閉店時間や賞味期限によって廃棄される予定の食材や料理をアプリユーザーに向けて安価に提供し、食品ロスを減らしていくというもの。

●食品ロス対策は企業や店舗の集客・イメージアップにも繋がるはず

食品ロス対策は企業や店舗の集客・イメージアップにも繋がるはず

 
食品ロスは、世界の環境問題・資源問題として考えていかなければならない大きなものです。そして現在では、世界だけでなく日本でも本格的な食品ロス対策が始まろうとしています。

2019年5月に制定された「食品ロス削減推進法」では、食品の廃棄量を減らす取り組みを「努力義務」としていますが、日本でもいつかフランスのように食品の廃棄を法律によって禁止する時代が来るかもしれません。

そんな時代を迎える前に、自分たちでできる食品ロス問題への取り組みを考えていかなければいけませんね。

また食品ロスに対してしっかりと対策をおこなっている企業や店舗であるということをアピールすることで、消費者やお客様に安心感を与えるということもできるはず。

今回食品ロスに関する情報を調べていくことで、大手企業だけでなく小さな店舗でもできる取り組みがあるということを知ることができました。

今後は食品ロスなどの環境問題に対する改善活動をおこない、その活動を通じてイメージアップや集客率アップを図ってみるのもいいのではないでしょうか。

■参考URL

食品ロスの削減の推進に関する法律案の概要
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/housei/pdf/198hou8siryou.pdf/$File/198hou8siryou.pdf

日本初「食品ロス削減推進法」が成立(2019年5月24日)
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/housei/pdf/198hou8siryou.pdf/$File/198hou8siryou.pdf

[食品ロス削減]食べもののムダをなくそうプロジェクト | 消費者庁
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/

世界の食品ロス対策はどうなっている?
https://www.showa-sangyo.co.jp/csr/mottainai-life/mottainai02.html

日本マクドナルドホールディングス 食品ロスの「見える化」徹底:日経BP ESG経営フォーラム
https://project.nikkeibp.co.jp/ESG/atcl/emf/239627/060600022/

イオン/グループ食品廃棄物を2025年までに半減へ | 流通ニュース
https://www.ryutsuu.biz/strategy/j101627.html

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