クラウドファンディングで新型コロナと戦う飲食店を応援

みなさんはクラウドファンディングというものをご存知でしょうか?

クラウドファンディングとは、インターネットなどを通して活動資金を募る仕組みです。新型コロナウイルスで打撃を受けた飲食店を支援するための企画が立ち上がっています。

企画に賛同した人にはクーポンや前払いチケットを贈呈するなど、飲食店と賛同者がWin-Winになれるという点も大きなメリットですね。

売上の激減に悩む飲食店関係者にとっても新たな試みとして注目されているため、 これからクラウドファンディングを始めてみたいと考えている方もいることでしよう。

そこで今回は実際にクラウドファンディングを始めた飲食店の実例などをご紹介し、クラウドファンディングの概要や注意点などについて触れていきます。

●目次

●新型コロナウイルスによって外食産業や飲食店がピンチに

クラウドファンディングで新型コロナと戦う飲食店を応援

新型コロナウイルスによって、外食産業・飲食業界は過去に類を見ないほどの大きなダメージを受けています。

営業自粛が解除された現在でも新型コロナウイルスの脅威は薄れておらず、完全に外食を控えているという人もまだたくさんいるようです。

そして、大手の飲食・外食関連企業以上に大きな痛手を負っているのが街の飲食店です。

飲食店の多くは営業自粛や営業時間の短縮によって売上が激減しており、まさに窮地に立たされる状況が続いています。

帝国データバンクの調査によると、「新型コロナウイルス関連倒産」は全国に約250件判明しています(2020年6月現在)。

その内、「飲食店」は約30件、「食品卸」は約20件、「食品製造」は約20件となっており、外食・飲食関連企業が倒産企業の約3分の1を占めているのです。

出典:新型コロナウイルス関連倒産ー帝国データバンク
https://www.tdb.co.jp/tosan/covid19/index.html

このデータに掲載された企業数に事業縮小によって閉店した個人経営の飲食店や大手チェーン店の支店などを加えると、さらに数値は増えるでしょう。

また、昔から営業を続けていた老舗有名店の閉店も相次いで起こっています。

大阪・新世界にある大きなふぐの看板で観光名所としても有名な老舗ふぐ料理店「づぼら屋」。

昨年では外国人観光客も多く訪れていましたが、緊急事態宣言を受けて4月8日から休業。
その後は営業を再開することなく閉店となりました。

創業100年の歴史を持つ「づぼら屋」の閉店は、地元大阪の人たちにも大きなショックを与えています。

このような老舗店の他にも街や商店街の中でシャッターの降りた店舗を見かけることが増えており、新型コロナウイルスによる影響を感じずにはいられません。

●飲食店を応援するためのクラウドファンディングが続々開始!

クラウドファンディングで新型コロナと戦う飲食店を応援

新型コロナウイルスによって危機的状況に立たされている外食・飲食産業や飲食店ですが、対策の手を打っていないわけではありません。

事業を継続するための取り組みや対策を考え、どんどんと実行している事業者・経営者・オーナーも多くいます。

そんな飲食店が行っている取り組みの中で、特に注目されているのがクラウドファンディングです。

◆クラウドファンディングとは

群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語がクラウドファンディング (crowdfunding)。

インターネットなどを通して自分の活動・夢・目標などを広くアピールして発信し、その想いに共感・賛同した人たちから活動資金を募る仕組みです。

クラウドファンディングでは幅広いプロジェクトが実施されており、以下のように有名人による企画の成功事例も多くあります。

  • キングコング西野氏の「えんとつの街のプペル展」プロジェクトが4,600万円超を調達
  • 映画「この世界の片隅に」における制作資金として3,900万円を調達

◆クラウドファンディングの注意事項

クラウドファンディングによる資金調達には、以下のような注意点もあります。

  • 資金がすぐに集まるとは限らない
  • 企画が頓挫したときのリスクがある

クラウドファンディングにおいては、夢や目標となる企画を発信することで多くの人の心を動かすことが重要になっていきます。

そのためには、企画に対して本気度や詳細な事業計画の提示が必要です。

時間的コストがかかる場合もありますが、それを考慮して企画を完遂するように心がければきっと大きなメリットを与えてくれるでしょう。

●飲食店のクラウドファンディングは常連客が主導で行われることも多い

クラウドファンディングで新型コロナと戦う飲食店を応援

飲食店が行うクラウドファンディングではお店側から企画を発信することもあれば、お店に通う常連客の方々が企画を発信することもあります。

例えば、常連客の人たちが主導となって店舗存続のための資金を募る応援企画を立ち上げるといったケースです。

ファン主導の応援企画は、お店側主導の企画よりもお店を守りたいという熱意や共感がより伝わりやすいという傾向もあるようですね。

飲食店の支援を目的としたクラウドファンディングの実例

クラウドファンディングで新型コロナと戦う飲食店を応援

ではここで、飲食店支援を目的としたクラウドファンディングの実例を見ていきましよう。

◆大阪の飲食店を応援しよう!飲食店応援プロジェクト#みらい飯

食創造都市大阪推進機構(大阪商工会議所・伀財)大阪観光局)が企画したクラウドファンディング。

「店舗指定コース」と「地域応援コース」の2つの応援方法を用意しており、店舗を指定して応援するだけではなく地域の飲食店を応援することもできる。

集まった支援金を参加店舗に送金され、資金の補填などに利用される。

◆新型コロナウイルスに負けない!つくばの飲食店応援プロジェクト

茨城県つくば市の飲食店支援を目的とした応援チケット事業のクラウドファンディング。

将来使用できる食事券を企画賛同者の方々に購入していただき、その売上を飲食店へ事前に譲渡する事業として行っている。

◆【ROSAcoffee】店舗存続のための資金調達に関するプロジェクト

2015年10月に宮崎県宮崎市にお店をオープンした『スペシャルティコーヒー』を扱うコーヒーショップ、ロッサコーヒーROSACOFFEEが企画したクラウドファンディング。

店舗でのカフェ営業、従業員の雇用含め現在の形を今後維持することが難しくなったため、ショッブオーナーが企画を開始。

2020年6月時点で支援者数282人、支援総額200万円の調達を見込んでいる。

コロナによって浮き彫りになった常連客や固定客を掴むことの大切さ

クラウドファンディングで新型コロナと戦う飲食店を応援

飲食店を支援するために、現在でもさまざまなクラウドファンディングの企画が立ち上がっています。

その中でクラウドファンディングを成功させる飲食店もあれば、逆にクラウドファンディングに失敗する飲食店もあります。

成功と失敗の一番の違い。

それはやはり、常連客や固定客をしつかりと掴めているかにかかっていると言えるでしょう。

「良いお店だからこそ、コロナに負けず長く続いてほしい!」

アフターコロナの飲食業界においては、このようにお店を愛してくれるファンや常連客との関係を深めることがより大切になっていきます。

外食産業・飲食業界にとって大きな変化が起こっている今、事業者・経営者・オーナーの方々の経営方針を改めるべき時がやってきているのかもしれません。

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