飲食店で働く人が直接申請できる新型コロナ関連の休業給付金
そこで政府は新た支援策として、「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」という制度を新設しました。
今回は、新型コロナウイルスの影響を受けた正社員やバイト・パートの方々が知っておきたい「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」について詳しくご説明します。
●目次
- ・新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金とは
- ・新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の申請方法
- ・新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金でもらえる金額
- ・飲食店で働く方々こそ新型コロナウイルス感染 対応休業支援金・給付金の申請を
●新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金とは
新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金とは、新型コロナウイルスの影響で勤務する中小企業や店舗が休業させられ、さらに休業中の賃金(休業手当)を受けられなかった労働者個人に対して支援金・給付金を支給する制度です。
今回の緊急事態宣言では、政府が中小企業や飲食店などに休業要請を打診しました。
この休業要請によって企業や店舗が営業自粛・休業した場合、企業や店舗の判断によって休業手当が支給されることがあります。
しかし、経営が厳しいと判断した企業や店舗では休業手当が支給されないというケースが多発しました。
飲食店で働く正社員やパイト・パートの方々の中にも、上司や店長から休業指示が出たにもかかわらず休業手当が支給されなかったという人がたくさんいます。
この問題に対して政府は、労働者個人への支援として「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」を新設したのです。
新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金は、7月10日より申請が開始されていますが、以下の条件のいずれにもあてはまる場合が支給対象となりますので注意してください。
【支給対象条件】
①2020年4月1日~9月30日までの間に事業主の指示によって休業した中小事業主※の労働者
②その休業に対する賃金(休業手当)を受けることができない方
※中小事業主の範囲は以下の通りです(休業開始時点での条件)
・卸売業:資本金1億円以下または従業員100人以下
・サービス業:資本金5网万円以下または従業員100人以下
・小売業(飲食店を含む);資本金0万円以下または従業員人以下
・その他の業種:資本金3億円以下または従業員人以下
●新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の申請方法
次に、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の申請方法についてご説明していきます。
新型コロナウイルス感染症対応支援金・給付金の申請方法は、現時点で郵送のみとなっています。
他の支援金・給付金のようなオンライン申請の対応については現在準備中とのことです。
新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の大きな特徴は、労働者本人が国に対して直接申請できるという点です。
また、労働者本人だけでなく事業主が申請書をまとめて提出することも可能です。
新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の申請にあたっては、申請書の他にいくつかの必要書類があります。
【申請に必要な添付書類】
・本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード表面の写しなど)
・キャッシュカードや通帳の写しなど振込先口座を確認できる書類
・休業前の賃金額及び休業中の賃金支払状況を確認できる書類
(給与明細や賃金台帳の写しなど)
最後に、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の支給申請書と記入時の注意点を見ていきましょう。
労働者本人が申請する場合、支給申請書と支給要件確認書に必要事項を記入して郵送で提出します。
◆支給申請書
申請する労働者本人が記入する書類。
申請者の名前や生年月日、休業している事業所の情報や休業期間などを記入する。
◆支給要件確認書
申請する労働者本人と休業先の事業主が記入する書類。
事業主は支給要件確認書に以下の項目などを記入する。
・雇用保険適用事業所番号
・労働保険番号
・労働者の雇用保険
・事業主の名前、事業書名、事業主の認印
【書き方の注意点】
・支給申請書内にある「支援金・給付金の対象として申請する期間」は1日~末日までの
日付を記入するので、給与計算の締め日と混同しないように注意しましょう。
・支給要件確認書には事業主の名前と認印までが必要となるので、認印の押印忘れに注意
しましょう。
●新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金でもらえる金額
新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金を申請するにあたって、一番気になるのは支給される金額です。
どれくらの支援金・給付金がもらえるのか分かれば、これからの生活費のやり繰りなどを考えられるようになりますよね。
新型コロナウイルス感染症対応休業支援・給付金の支給額の算定方法は、以下のようになっています。
◆支給額の算定方法
休業前1日あたり平均賃金の80 % ※1 × 休業実績※2 = 支援金額
※1支給額は1万1,000円が上限
※2各月の日数(30日または31日)- 就労または労働者の事情で休んだ日数
支給額の算定方法を用いて、具体的にどれくらいのお金がもらえるのかシミュレーションしてみました。
・週4日勤務・月 10万円の収入がある飲食店従業員が4月~ 5月まで休業指示された場合
平均賃金の計算:100,000 + 100, 000 - (30日 + 31日)= 4918.03円
平均賃金(4918.03円)× 80 % × 休業日数(16日)= 62,950円(1円未満四捨五入)
このように、月10万円の収入がある飲食店従業員の方であれば62,950円の支援金・給付金をもらえるということになります。
これだけの支援を受けられるというのは本当にありがたいですよね。
●飲食店で働く方々こそ新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の申請を
飲食店に勤め、 営業自粛や休業要請によって生活が苦しくなった方こそ知っておくべき「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」。
今回のコラムで、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の申請方法や支給額がより具体的にわかったと思います。
一時的にでも無収入となってしまった方々は、新設された新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金を忘れずに申請しておきましょう。
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