店の価値を上げるなら1つだけ「〇〇にこだわりなさい。」
と専門分野にあわせて「調味料」にこだわりをもっている飲食店が多い今日この頃。
値段が多少高くても、より美味しい料理を提供するため品質の高い調味料を使用する・・・
かつては高級レストランなどでよく耳にしていたことですが、近年では居酒屋、カフェなど幅広い業態で調味料に重きを置いている店舗が多く見られるようになりました。
その要因として、近年みられる健康ブームに伴い消費者の「調味料」に対する価値観が変わってきていることが1つの理由であると挙げられます。
この風潮に合わせて2017年前ごろから、減塩・油控えめとったようなヘルシー&健康志向が求められ串かつや天ぷら屋さんといった業態でも「オリーブオイル100%使用」「当店はヒマワリ油のみを使っています」など、調味料に関する謳い文句が顕著にみられるようになりました。
これは、調味料をこだわることで店の「付加価値」を上げるため。
一般の消費者が気にするかは微妙なところですが
素材を生かす調味料は、分かる人こそ分かる部分でもあるのです。
筆者がかつて取材にいった兵庫県の甲子園口の焼鳥屋さんでは、
調味料にこだわることで他店との差をつけようと試みている人気の焼鳥屋さんがありました。
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<これは面白い!13年愛され続ける甲子園口の焼鳥屋が他店と差をつけるためにこだわったのは〇〇だった。>
このお店は兵庫県の甲子園口で開業して以来13年間、
新規のお客様を獲得しつづける人気焼鳥店です。
メインとなる食材「鶏」はもちろんのこと
・岩塩
・ミル挽きの山椒
・自家製醤油
・秘伝のたれ
など「素材を味わうための調味料」に重きを置き、この店だけの美味しさを定着。
そうすることで長年にわたり、新規、常連両方のお客様を来店させることに成功しました。
一方でコストの部分を考えると「そんな些細な事にこだわるメリットはないのでは?」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。しかし店主は「食材が新鮮なんてのは、もうどの店でも当たり前ですから。山ほどある飲食店の中で選んでいただくためには、鮮度ではない何かで勝負が必要だと思いますよ。」と、些細なことへこその気配りが大切であるといいます。
このことに関して、大阪「北新地」にある某割烹料理店の店主は「店の価値を上げるなら調味料を1つこだわるとよい」とプロの料理人目線でその意味を説明してくださいました。
店主:「調味料は主役(素材)を引き立てる名脇役。どんなに良い魚を使っても使用する調味料が悪ければ、素材のもつ旨味は最大限に引き出されへん。良いものを使おうとするとやっぱり値段は張るけれど、お客様にも分かるくらい味の違いに差が出んねん。“本当に美味しいものを”と考えるなら調味料こそこだわるべきものやと思うで。」
また「ジャンルは違えど居酒屋も食堂も一緒ちゃう?料理人たるもの常に美味しさを求める、それが仕事を全うすること。」と、料理を提供するものとして店主自身の持論を述べました。
良質な調味料の単価は高いですが、1人前の料理に使用する原価でいえば、業務用の安い調味料に比べて数十円の差です。その差が大きいと言えば確かですが、メインの肉や魚に比べると1人前あたりの原価は低い割に、美味しさと満足度が増すのであれば「アリ」ではないでしょうか。
上質な塩や醤油といっても、高ければ何でもいいというわけではなく
店の味に合い、且つコストに見合う威力を発揮してくれる調味料を使いたいものです。
しかしながら「良い調味料」との出会いはそう簡単ではありませんよね。
次回のコラムは、グルメライターが厳選したおすすめの調味料をご紹介いたします。
食べ物にもっと美味しさを追求したいという方は必見!プロも絶賛する味わいとの出会いを店舗の付加価値向上のためにぜひ活用してみてくださいね。