飲食業界で進み始めるプラスチック廃止運動に注目
丈夫で軽く量産もできるということから、飲食業界や店舗でもさまざまなプラスチック製品が使われています。
しかしプラスチックは、便利さと同時に環境問題の原因の一つとなっていることはよく知られていますよね。
環境問題への関心が高まる中、世界では飲食店のプラスチック製品を廃止する運動が広がっています。
今回は日本でも始まった飲食業界におけるプラスチック製品の廃止運動について、大手企業の取り組みなどを紹介していきます。
●目次
飲食業界がプラスチック削減に向けた取り組みを開始
世界の大手飲食店を中心に、プラスチック製品を廃止する動きが広がっていることをご存知でしょうか。
日本の飲食店でもプラスチック製品を使うことが多く、テイクアウト用の容器などでは実に多くのプラスチック容器などが使われています。
多くのプラスチック製品が使われているということは、多くのプラスチックごみを排出しているということ。
年間で約9400万トンものプラスチックごみが排出されており、その量の多さから日本は「プラスチック大国」とも呼ばれています。
出典:http://www.env.go.jp/council/03recycle/y0312-01/y031201-2r3.pdf
環境を破壊するプラスチックごみたち
世界のプラスチックごみが増え続けた場合、2050年には海のプラスチック量が海の魚の数よりも多くなるとまで言われています。
プラスチックごみの処理についてはリサイクルもおこなわれていますが、実際は全てのプラスチックごみが完璧にリサイクルされている訳ではありません。
環境問題への関心が高い欧州においても、プラスチックごみの約70%はリサイクルされずに埋立地行きとなっているのが現状です
また日本でも、家庭から出るプラスチックごみの約84%がリサイクルされずに中国へと輸出されていたことが最近のニュースによってわかりました。
その中国もプラスチックごみの輸入を今年1月に禁止したため、全国のプラスチックごみが飽和状態になりつつあるのです。
このままプラスチックごみが増え続けてしまえば、海洋生物の環境をさらに破壊していくこととなり、水産資源の減少にも繋がってしまいます。
なぜここまでプラスチックごみのリサイクルが進まないかという、リサイクルがあまり効率の良いごみ処理の方法ではないからなのです。
プラスチックごみを新しい製品にするためには、大量のエネルギーや工程を必要としますからね。
これからの新しい環境問題の取り組みとしては、プラスチックごみ自体の量を減らすことが最善となっていくことでしょう。
大手飲食企業のさまざまなプラスチック削減例
さてここからは、大手飲食企業が取り組んでいるプラスチック削減対策をご紹介していきます。
◆スターバックス
プラスチック製の使い捨てストローの使用を禁止し、2020年までに世界中の店舗で全廃することを発表。
また今後は、ストローを使う必要のないプラスチックのふたを提供するほかに、紙製など非プラスチック製のストローを導入する予定。
◆マクドナルド
イギリスとアイルランドでの店舗で紙製のストロー導入を決定。また2025年までには、プラスチックストローを全て廃止することを決定。
廃止後は順次紙製のストローを導入して代用していくことを発表した。
日本国内のマクドナルドはまだ決定していないものの現在検討中とのこと。
◆すかいらーくグループ
2018年12月にガスト全店で、2019年3月に和カフェchawanで使い捨てプラスチック製ストローの廃止を決定。
さらに、同系列店のバーミヤン・ジョナサンなど13ブランドでもプラスチック製ストローの廃止を決定。
今後は飲食業界にも環境問題への配慮を求められる
毎日の生活や飲食店で、必ずは使用されているプラスチック製品。
食器や調理器具などをはじめ、さまざまな物にプラスチックが使われています。
一方で、ストローのようにすぐ捨てられるだけの物にまで利用されているのは大きな問題です。
小さなプラスチックごみがどんどんと積み重なっていき、今の私たちの環境や資源を脅かし始めているのです。
飲食業界や飲食店では、これからさらにプラスチック製品廃止の動きが活発になっていくことでしょう。
プラスチック製品廃止を通じ、飲食業界が率先して自然環境や海の資源を守っていく運動を進めてきたいですね。