お客様の希望に合わせて低コストでワインを提供する方法
飲食店の激戦区で、お店はなんと創業40年以上。
継続的な店舗運営のコツについてインタビューをする中で、興味深いことを教わりました。
ワインセラーを持たなくても、美味しいワインを提供できるワケ
それは「ワインの扱い方」です。
日本料理を提供するお店ということもあり、一番人気のお酒は日本酒。
しかしながら、ワインにも根強いファンがついています。
驚かされたのは、ここからです。
なんと女将曰く、お店にはワインを常備して
「うちは決して広い店じゃないので、ワインを置けるスペースがありません。ご注文がある度に、買いに行っています。
といっても、歩いて数十秒のところに酒屋がありますから、すぐに買いに行けます(笑)」
予約を受け付ける際、あらかじめお客様からワインの希望を聞いておくようです。
頃合いを見計らって、ワインを酒屋まで買い出しに行きます。
もし予約ではなく当日の急な注文であったとしても、酒屋が近いので対応は可能。
わざわざ買いに行くのは、手間がかかるのではないかと聞いてみると、
「ワインを保管する方が大変です。
酒屋さんならいつも美味しい状態で出してくれるので、安全してお客様にも飲んでいただけます」
あくまでもお店は、日本料理を専門にした割烹。
お酒を得意としているわけではありません。
むしろ、お酒専門のプロに任せた方が堅実でしょう。
ちょっとした気温の変化や扱い方によってクオリティが変わるワイン。
酒屋によって方法に違いはあっても、買い手の手に渡るまで丁寧に管理しておかなければなりません。
さらに店頭では、値段帯や味わい、料理との相性をふまえて、最適なワインをベストな状態で提供してもらうことも可能です。
このようなから背景からワインを常備しなくても、美味しいワインをお客様に提供することが出来るのです。
また、一定量を定期的に仕入れるわけではありません。
したがって、コストがかかるように見えます。
ですが電気代や設備代、または在庫を抱えるリスクに比べると、
負担は多くありません。
このお店の事例で言えば、顧客単価は約1万円。
7千円前後のコース料理で、お酒は3千円から5千円のドリンクを注文される方が大半。
したがって、3千円から5千円の範囲で採算がとれるワインを買い付ければ問題ありません。
さいごに
今回の記事を参考に、扱っている食材や飲み物で、
つねに在庫を抱えてコストをかける必要があるのか考え直すヒントにしていただければ幸いです。
ご紹介した取り組みはワインではなくても、ほかの食材・飲料でも転用はできます。
サービス力の向上による顧客満足度アップ、コスト削減による利益上昇につながるきっかけになるかもしれません。