前株と後株の違いって?法人化に伴う「株式会社」のベストな付け方を解説!

株式会社と名乗る企業の称号には「株式会社〇〇」と「〇〇株式会社」という2通りの呼び方があります。

 

「株式会社」が前にあると前株(まえかぶ)、後にあると後株(あとかぶ)といいます。

  • 「法人化する場合、どちらの称号をつけるべき?」
  • 「前株と後株って、なにが違うの?」

株式会社の立ち上げに悩んでいる方に向けて、外食企業の経営・集客サポートを専門とする株式会社PPRが、ベストな付け方を解説します。

結論からいえば、信頼性を獲得するなら「前株」、社名を覚えてもらいたいなら「後株」をおすすめします。「株式会社」を表記する位置の指定はありません。経営者の「好み」と「センス」で決めることができます。

したがって、なにに重きを置きたいのかで選んでください。基準にすべきポイントを挙げながら、事例も紹介していきます。企業を「株式会社化」しようとお考えの方はぜひチェックしてみてくださいね。

◎前株・後株を決めるのは「好み」と「センス」が9割

前株(まえかぶ) 後株(あとかぶ)

「株式会社○○」

「○○株式会社」

株式会社をアピール

自社名をアピール

信頼性が高い

ブランド力がある

ベンチャー企業向き

老舗企業向き

 

前株・後株を決めるのは、
ずばり、創業者の「好み」と「センス」です。

株式会社は、法人登記をする際に商号に「株式会社」というワードを入れる義務があります。会社法六条二項で、以下のように規定されています。

「会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない。」(引用:会社法 | e-Gov法令検索

しかし、その「株式会社」を表記する位置の指定はありません。前に入れても後ろにいれても問題なし。社名の“真ん中”に入れてもOKなのです。これを中株といいます。

ただし会社の顔となる社名ですから
一度決めたらコロコロ商号を変えるわけにもいかないですよね。

それでは、何を基準として株式会社を名乗ればいいのか?
後株・前株の特徴と合わせてみていきましょう。

その1.前株(まえかぶ)

その1.前株

 

前株には、株式会社が会社名よりも前の位置にくるという意味があります。

「株式会社〇〇」の表記には、信頼性を得やすいメリットがあります。
前株での商号は、何よりも「株式で経営している」ということを社名でアピールできるからです。

そもそも株式会社は、株式を発行して投資家から資金調達しその代金で事業活動を行う会社のこと。過去は、設立に1,000万円の資本金が必要だったことから、とてもハードルの高い企業形態でした。

そういった経緯もあり株式会社のもつ最大のメリットは「企業イメージの良さ」
信用を勝ち取りたいという経営者の方は記憶に残る「前株」を選ぶ傾向にあります。

ちなみに前株の株式会社は以下の企業が挙げられます。

  • ・株式会社くらコーポレーション
  • ・株式会社リクルートホールディングス
  • ・株式会社セブン‐イレブン・ジャパン

グローバル化に伴い、アルファベット・カタカナの社名が目立つようになってきた昨今、「株式会社〇〇」と前株を名乗るのは、比較的新しい会社であるとも言われています。

ちなみに関西の飲食店に特化した求人サイト「食ジョブ」を運営する、わたしたち「株式会社PPR」(https://www.ppr-do.co.jp/)も、「前株」です。2011年に設立したベンチャー企業なので、前株の方が会社のイメージに合っているかもしれませんね。

☝「前株」のポイント
・株式会社としての運営を強調
・現代的なイメージ

 

その2.後株(あとかぶ/うしろかぶ)

その2.後株

「〇〇株式会社」と、後株の会社は、戦後から続く老舗企業に多いことから
創立からの歴史が長く伝統的な企業ブランドという印象をもたれやすいです。

例えば、

  • ・三菱自動車株式会社
  • ・ヤフー株式会社
  • ・ワタミ株式会社

会社名を前にもってくることで社名を覚えてもらいやすいメリットもあり、
社名をブランドとして売りたい場合は、後株を選ぶ経営者が多いです。

また、「社名が認知されるだけで良い」といった株式を強調したくないという経営者も中にはおり、後株からは特定の人に謙虚さも伝えられるといった見方もあります。

☝「後株」のポイント
・伝統的な老舗ブランドを売り出せる
・会社名を覚えてもらいやすい

 

◎ユニークな「株式会社」の事例紹介

前株か後株は大切なんですが、
社名にもセンスが必要です。

おまけとして、ユニークな「株式会社」の付け方をしている会社を、
飲食業界から厳選してお届けします。

【前株】
①株式会社のみもの。(https://nomimono.co.jp/
「カレーは飲み物。」「とんかつは飲み物。」のカレー専門店、とんかつ専門店を東京中心に展開する株式会社。「世界一のカレーを創る。」をコンセプトに、カレー界の名言である『カレーは飲み物』をそのまま社名にしています。

②株式会社日と々と(https://www.bread-espresso.jp/
東京・大阪・神奈川を中心にカフェベーカリー「パンとエスプレッソと」を展開する株式会社。ルーティンのような毎日ではなく、一日、一日を丁寧に過ごすことをテーマした社名です。毎日食べるパンも、「毎日食べても飽きの来ない味」を追求しています。

【後株】
①俺の株式会社(https://www.oreno.co.jp/
「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」など「俺の」シリーズを全国展開している株式会社です。一流の料理を高級店の3分の1の価格で提供する経営スタイルが特徴です。

②UNCHI株式会社(https://www.unchi-co.com/
「人類みな麺類」「くそオヤジ最後のひとふり」「世界一暇なラーメン屋」「担担麺の掟を破る者」といった超人気ラーメン店を展開する株式会社です。読み方は、そのままで「ウンチ」・・・です。店名も社名も1つ1つにインパクトが強すぎて絶対忘れられません。

なお、飲食店など個人事業主から法人化したい人は少なくありません。法人化はメリットばかりではありません。デメリットもわかるように解説したので、こちらの記事をお役立てください。

◎前株と後株、間違えたらどうすべき?

飲食店の会計時でよくあるのが、領収書の記入ミスです。

「前株」の会社なのに、「後株」で書いてしまったり、「前株」を書き忘れたりするケースは珍しくありません。

正しい記入方法は、
宛名に「株式会社○○○○」と正式名称で記載することです。

間違えないためにも、名刺をお預かりして、確認しながら書きましょう。
もしくは一度、メモ帳なのに下書きをして、お客様に確認をしてから記載してください。

ちなみに(株)は、「○○株式会社」「株式会社○○」の略字ですが、適切ではありません。
(株)と株式会社の違いは、正式な書類や公的な文書で使えるかどうかです。正確に言えば、商号で使用できるか否かです。

株式会社をカッコ書して、省略する場合は、使用上の用途を確認しておきましょう。

領収書だけではなく、履歴書やメール、郵便物には「株式会社」と記載してください。
また「株式会社」の記入漏れも正式ではありません。詳しくはこちらをご覧ください。

なぜなら、領収書は「重要書類」だからです。
ただ失礼に値するということではなく、書類に不備があれば、社内で経費として認められない可能性があります。

税務調査などが行われた場合、正式な書類として認められない恐れもあります。
またマナーとしても、「株式会社」と記載すべきでしょう。

書き間違えた場合、
領収書を再発行することをオススメします。

小さなミスであれば、訂正でも構いません。

手順としては、間違えた箇所の二重線を引きます。
その上部に正しい会社名を記載して、訂正印を押印します。

ただし訂正よりも、再発行の方が、
お客様に対して印象よく領収書をお渡しできます。

いずれにしても社名を間違えたこと、お手間をとらせてしまったことへの
お詫びも忘れずに伝えることが大切です。

ちなみに、飲食店での会計トラブルで、「領収書の記載ミス」以外にも、
「お金が足りない」という問題があります。

適切な対処方法をまとめているので、ご活用ください。

話を戻しますと、領収書はお店側の間違いだったとしても、伝わりにくい会社名だと、ミスが発生しやすくなります。領収書以外にもメールや電話など、同じようなことは起こります。

「前株」「後株」は、こういったトラブルを回避するうえでも、

  • ●わかりやすい
  • ●覚えやすい
  • ●間違えにくい

といったポイントを押さえておきましょう。

◎結局、前株と後株どっちがいいの? 

以上、前株と後株の違いをご紹介しました。

「株式会社〇〇」と「〇〇株式会社」の選択に決められたルールはなく
どちらを選んでも法律上の問題はありません。

一般的には、後株をつける会社の方がやや多いのですが、ほぼ五分五分です。

結局のところ好みとセンスが決め手になりますが
企業としてどんなイメージをもってもらいたいかという点で
「株式会社」の位置が変わり得ることが分かりました。

また、2006年より住所が違えば同じ社名での登記も可能になったため
A社とB社の差別化を図るために、株のつける位置を変えるというパターンもあります。

株式会社化をお考えの経営者の皆さんは後株と前株、どちらを選びますか?

なお、インパクトを重視するなら中株という選択もあります。「○○株式会社○○」という具合につけるのですが、かなり希少なケースです。

いずれにしても経営者のセンスとの好みで自由に決められるので、ぜひ、今回のコラムを参考にしてみてくださいね。

※本コラムは筆者の個人的見解に基づくものです。

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