ビュッフェから学ぶ!飲食業界のトレンドと経営のコツ
新規顧客の集客や新メニューに悩んでいる個店も、このビュッフェの流行を上手に取り入れることは可能です。ホテルから個店までのさまざまなスタイルをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか?
スイーツや季節のフルーツを目玉にして、ホテルのブッフェはさらに進化!
以前は、豊富な料理が主体のホテルブッフェも、最近は、マンゴーやいちご、メロンなど季節のフルーツをメインにしたものや、抹茶といった日本人だけでなく、インバウンドの外国人旅行者もターゲットにしたメニューにするなど、より個性を際立たせるようなスタイルが目立ちます。それが功を奏して、毎年その“目玉となる食材”のブッフェを楽しみにしている多くのリピーターがいます。ホテルの場合、「他では食べられない」、「旬の食材」、「高級感」といった要素がゲストの心を魅きつけているのでしょう。さらに一歩踏み込んで、「朝採り」や「オーガニック」、「産直」といった食材でPRをしているところもあるようです。
そういった高級感と特別感を打ち出してる一方で、リーズナブルさを前面に出しているホテルブッフェも存在します。それが、昨年一気にブレイクした「1000円ランチブッフェ」。ランチのみの90分制で、11時半と13時の2部制でしたが、どちらも予約のとれないホテルレストランとして大人気に。今もその人気は続いています。
サラダやパン、ドリンクなど一部のみのブッフェスタイルも広く浸透中!
ブッフェやバイキングといっても、すべてを食べ放題、飲み放題にする必要はありません。現に、メインは数種類から選び、その他のスープやサラダ、パン、はては漬物といった一部のみブッフェスタイルにしている飲食店も多数存在するからです。例えば、韓国料理店ならキムチ、ラーメン店でも漬物やサラダ、洋食店でもスープやサラダ、パンといった、比較的店にとって大きな負担にならないような種類が多いようです。また、ちょっと小洒落た店では、通常のコーヒーや紅茶に加え、フルーツや野菜を漬けたデトックスウォーターの飲み放題を売りにしているところも。美意識の高い女性の心をくすぐる、“デトックス”が重要なキーワード。作り方としてはシンプルだけれど、実際美味しくてお替りしたくなります。「身体に良いものを取り入れた」という満足感もありますね。こういったヘルシー感は、女性だけでなく男性にも通じるものがあるようです。
好きなものを好きなだけ、自分で選べること。プチ贅沢&お得感がブッフェの魅力
ブッフェやバイキングの大きな魅力は、何といっても「好きなものを好きなだけ」食べれる贅沢さにあります。これが、いわゆる食べ放題。しかも料理やドリンクの種類が豊富であれば、さらに嬉しい。特に女性やファミリーの支持が高いのは、こんなに多くの種類の料理を自分で作ることなく、一度に味わえる点です。それがリーズナブルな料金であれば、そこにお得感が加わります。美味しければ、リピーターになるのも当然ですね。
けれど、多忙なサラリーマンやOLのランチは、そうはいきません。限られた時間で満腹感と満足感を得なければならないからです。そこで、そういった人たちをターゲットとした飲食店は、サラダやスープ、パン、漬物、ドリンクなどの一部食べ放題を実施しているといえます。短い時間でも、例え一部でも食べ放題や、コーヒーお替り自由は、客の立場からするととても嬉しいから。「今日は、どこに行こうかな」と考えた時に、自然に足が向いてしまうことになるのです。
食べ放題、飲み放題でも、店にとっての負担は、意外に低い!
食べ放題や飲み放題、ブッフェやバイキングといえば、言わずもがな、客が自分で取りに行くスタイルです。ということは、店にとってはスタッフの人数が少なくて済むという利点があります。また、いちいち盛りつけるという手間と時間の節約にも。ということは、店にとって効率よく節約と利益を生むことができるということになるシステムといえそうです。食いしん坊は、「元をとってやる!」という気まんまんの人もいますが、食べ放題やブッフェの店では、「元をとる」のではなく「料金を気にせず」、「バラエティ豊かな料理を好きなだけ食べる」ということに気持ちは移行していくもの。そこから生まれる満足感とお得感、贅沢感が、食べ放題や飲み放題、ブッフェやバイキングスタイルの店を選ぶ基準になっていきます。お店にも、お客さまにも、両方にとってウィンウィンの法則といえるのです。さらに、たくさんの料理を選べる店ならば、一度ですべての料理を味わうことはほぼ不可能。そうすると、「次は、あの料理を食べよう」という次の目標が生まれ、リピートへとつながっていくことになるのです。
ただ、個店では、すべての料理を食べ放題にするのは難しいかもしれません。そういった場合は、まず一部の料理を食べ放題、もしくはドリンクのお替り自由にしてみるのも手だといえるでしょう。実際、ランチタイムの街角のお弁当スタンドでも「玄米と白米」の2択ができるくらいなのだから。店の存在を覚えてもらう手段としても有効といえそうですね。とりあえず、ランチのサービスとして、何かを食べ放題、もしくは飲み放題、もしくはお替り自由という表現で打ち出してみるのは、いかがでしょうか?手始めにランチタイムから始めてみるのがおすすめです!