職場でのイライラが爆発寸前!怒りの根本原因を知ってこまめに発散する方法
キレてしまった自分を責めて、イライラする自分の気持ちに蓋をする方法を探していませんか?
感情を抑える方法を考えるのは逆効果です。イライラが爆発しやすい人がくり返さないためには、次の2つを心がける必要があります。
- 怒りの原因である本当の気持ちと向き合うこと
- 小さな怒りの芽を見逃さず、こまめに発散すること
とはいえ、筆者も半年くらい前まで、仕事でもプライベートでも「我慢」と「爆発」を繰り返すタイプだったので、難しいのはよくわかります。
私もが実践してイライラが落ち着いた、日常的に小さな怒りを溜め込まないための方法を紹介するので参考にしてください。
ただし、時にはあえて怒ることが必要なシーンもあります。いざという時に相手を改善させる計画的なキレ方も解説します。
今の心の状態を知りたい人は、こちらのチェックリストも試してみてください。
☑職場のイライラが限界!仕事でストレスがたまる原因&対策・セルフ診断付き
●目次
あなたは感情的なのではなく、感情を抑えすぎている
上司にキレたり、職場で怒ってしまったりして、後悔しているあなたへ。
イライラは厄介ですが、爆発するとさらに面倒です。
後に引きずりますし、日々の業務や職場の人間関係にも支障をきたしてしまうためです。
辛い気持ちをくり返さないために、根本的な原因を掘り下げてみましょう。
まずは怒りの感情を言語化
まずは怒りの感情を言語化
爆発するまでも、会社に行くとイライラすることが多かったはずです。
心にあるモヤモヤを言葉にしてみましょう。
心理学者の宗像恒次氏による心理療法のSAT(サット)療法では、怒りの感情は次のような表現になっています。
SAT療法とは、がんやうつ病、様々な心身症の治療、メンタルヘルスの現場で用いられているイメージ療法です。
今から2つのワークを実施してください。
- 1.次の表の中から、あなたがキレてしまったときの感情に当てはまる言葉を、<怒り系の感情>から選んでください。
- 2.イライラした際、相手に言いたい言葉を、<心の声・言いたい言葉>から探してみてください。
怒り、悔しい、不満、敵意、嫌悪感、不信、攻撃心、拒否感、憤り、憎しみ、軽蔑、うらみ、むかつく、 恥ずかしい、自己嫌悪、同情心、後悔、自責、罪の意識、罪悪感、(強い)情けなさ
ふざけるな/ばかにするな/ちゃんとしてよ/バカやろう/じぶんばっかり/いいかげんにして/なんであの人が/わかってよ/ (自分に対して)情けない/なにやってんだ/怠けるな/ごめんね
(参考:宗像恒次『SAT療法』,金子書房,2006年8月)
怒り系の感情は、1つではありません。そして、怒りの裏側には、あなたの心からの叫びが潜んでいます。見えない感情を、ワークによって、見える言葉に落とし込んでいきましょう。
怒りは二次感情であると知る
日本アンガーマネジメント協会理事の戸田久実さんによると、怒りの裏側にあるのは、「悲しい」「つらい」「寂しい」「不安」「苦しい」などの一次感情だと語っています。
「怒りは強い感情のため、その裏側に潜んでいる感情になかなか気付けないのですが、怒りの裏側には、本来分かってほしい感情である『一次感情』を見つめることが大切」
(参考:アンガーマネジメント協会)
「悲しい」「傷つく」などの一次感情を感じたとき、自分を守ろうとするエネルギーとして、二次感情の怒りが生まれるわけですね。
怒りは発熱に似ています。ウイルスに粘膜が感染すると、免疫を活性化させるために、体温が上がります。ウイルス=1次感情から守るために、発熱=二次感情が生まれるのです。
怒ってしまったこと自体は悪いことではありません。発熱は、風邪の原因ではないのと同じです。対処すべきは、ウイルスに感染したこと(免疫力の低下)です。
怒りの根本原因は、どこにあるでしょうか。感情爆発に至るまで、自分が本当に分かってほしかった気持ちに向き合わなかったことです。
このことで心が傷ついてしまわないように、相手を許せない気持ち、つまり怒りが芽生えてしまいます。あなたの感情は、あなたのことを必死に守ろうとしていることがわかります。
職場の小さな不満が爆発するワケ
職場で上司に理不尽な仕打ちを受けた。
同僚に嫌味なことを言われた。
そんなとき、イライラを抑えようとすればするほど、あなたの心で怒りは増していきます。
怒りはあなたにとって、心の一次感情を守るための正当な感情だからです。
自分自身や、自分の大事なものを大事に扱ってもらえなかった。その時に「つらい」「苦しい」と感じている自分を、他者から守ろうとして湧いてくるエネルギーが「怒り」です。
なので、二次感情である「怒り」を消そうとしても無駄です。
一次感情である「大切にされなくて悲しい」「馬鹿にされて傷つく」などの思いを汲み取り、怒ること以外で自分を守るための行動をとらなくてはいけません。
会社をキレてやめるとか、職場の上司にひどい暴言を吐いてしまうとか、取り返しがつかなくなる前に、まずは向き合うことです。
怒りの芽とどのように向き合い、日常的に解消するか、次の章で解説します。
職場で爆発する前にやっておくべき、小さな怒りの解消法
職場でイライラが溜まってきたら、次の3ステップを実践してください。
①気分転換をする
1.深呼吸する
怒りの感情にはピークがあり、ピークは6秒しか持続しないと言われています。
大きく深呼吸をして落ち着きましょう。
怒りをコントロールするアンガーマネジメントの手順はこちらの記事で解説しています。
☑飲食店での人材育成にも役立つアンガーマネジメントとは
2.太陽の下で運動をする
軽い散歩でもいいので、体を動かして気分転換しましょう。
一定のリズムで体を動かしたり、日光を浴びたりすると、精神の安定に関わる神経伝達物質「セロトニン」が分泌されて心を穏やかにしてくれます。
私もイライラしやすい日は、外に出ると落ち着くことが多いです。
3.甘いものを食べる
好きなものを食べることで気分転換が図れるだけでなく、糖質はセロトニンを合成する手助けになります。
また、脳が疲れているときはブドウ糖を取ることで、脳のエネルギー補給にもなります。
私もよくブドウ糖が多く含まれるラムネをおやつとして食べます。
気付かないうちに低血糖状態で不機嫌になることもあるので、常備しておくのがおすすめ。
手軽に買えて美味しいスイーツはこちら。
➽SNSで話題の業務スーパー買うべき神スイーツ5選
気分転換をしても気持ちが晴れないときは、体が疲労しているかもしれません。十分な睡眠・休息を心がけましょう。
睡眠でストレス解消する方法については、こちらを参考にしてください。
➽仕事ストレス&疲れを残さない!上質な睡眠をとる3つの方法
②ノートに書く
「何が嫌だったのか」「何を脅かされそうだと感じたのか」を考えて、一次感情と向き合ってみてください。
あなたがどうしても守りたかったものが見えてきます。
(例)
・イライラした出来事
➪飲食店の仕事で、お客さんに暴言を吐かれて腹が立った。
・何が嫌だったのか?
➪失礼なことをされたのが嫌だった。
・何を脅かされそうだと感じたのか?
➪自尊心を脅かされたと感じたのかもしれない。
ノートに気持ち・本音を書くことで、心のモヤモヤが晴れていきますよ。
こちらの記事でも具体的に手順を解説しているので参考にしてください。
☑バイトでストレスMAXになる原因&解消方法・前編|筆者の体験談で紹介
③自分の心の大事な部分を守るための行動を起こす
ステップ②で「怒ってまで守りたかった大事な何か」がはっきりしてきました。
自分の大切なものを守るために、これからどうするか考えてみましょう。
たとえば……
- 相手に嫌だったことを伝える
- 相手との付き合い方を変える
- 自分の考え方を変える
- 転職する
(例)お客さんに暴言を吐かれると、自分の尊厳を否定されたように感じた。
・自尊心を守るには?
➪クレーマーと話すときは、相手に問題があると考える。相手と言葉と自分の価値は無関係だと考える。あるいは、職場を変えるなど。
個人的には、ほとんどの場合が「考え方を変える」「付き合い方を変える」で解決します。
自分の大切なものを守るために、相手に怒りを伝えることが一番効果的である場合は伝えましょう。
転職をするなら、自分にとっての価値観や、理想的な働き方を見直すチャンスです。こちらの記事をもとに、あなたに合った職場を見つけてください。
☑年収300万~400万の楽な仕事を公開!人生の幸せ度を上げる仕事探し術
☑楽な仕事はないは噓!考え方・探し方を変えれば簡単に楽な働き方は見つかる
ちゃんと怒るべきシーンもある
職場で明らかに失礼なことをされたときは、怒って自分の大事なもの(人としての尊厳やプライドなど)を守る必要があります。
たとえば、パワハラを受けた、嫌がらせを受けた、サビ残をさせられた・・・など、自分が尊重されていないと感じたら、正当に怒るべきです。
怒ると決めたら、冷静に伝えるよりも不快感をあらわにした方が効果があります。
1971年に発表されたメラビアンの法則によると、情報が相手に与える影響は、
- 言語:7%
- 聴覚:38%
- 視覚:55%
で、会話の内容よりも、表情や身振り、声色の印象が優先されるからです。
(例)職場でセクハラを受けたとき
曖昧に笑顔で「やめてください。セクハラです」と伝えるのではなく、真顔で低い声で「やめてください。セクハラです」と言いましょう。
これだけで、相手に与える印象に大きな違いがあります。
感情に任せて爆発するとワガママに見えます。正当性を持って堂々と(意図的に)キレると、相手はひるみます。
いざという時にしっかり怒るためにも、普段から怒りを我慢してため込まないことが大切です。
怒り方は人それぞれ。根っこには幼少期の経験があるかも
最後は少し余談ですが、怒り方には人それぞれ特徴があります。
紹介したような、静かに怒るという方法が難しい人も少なくないでしょう。
たとえば私は、相手を攻撃して言いくるめるタイプです。
友人Aは、怒ると無視して口を利かないタイプ。
友人Bは、泣きながら物にあたるタイプです。
私の母親は怒ると口で攻撃する人でした。友人Aの両親は子どもを無視する人、友人Bの母親はヒステリックで情緒不安定な人だったそうです。
あくまで個人的な意見ですが、私たちは多かれ少なかれ、怒りの発散方法を親から学んでしまっているのかもしれません。
自分の怒りにはこんなクセがあると自覚することができれば、少しずつ怒り方を変えていくこともできるんじゃないかな、と筆者は思います。
イライラは抑えると増える。自分の心を大切に
- 怒りはあなたの心を守る正当な感情。爆発したことを責めないで。
- 怒りを抑えるのではなく、一次感情に向き合おう。
- 自分の小さな怒りに気付いたら、すぐに心を守るための行動を起こそう。
感情を抑えようとすればするほど、結果的に爆発して感情的な人になってしまいます。
自分の心の声を大切にして、自分らしくストレスフリーに働ける環境を整えていきましょう。
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