お客さん同士が、どんどん仲良くなっていく?お店づくりとは
飲食店で食事をする楽しみの1つは、お客さん同士での交流。
といっても、新規のお客さんには緊張や遠慮があります。常連さん同士でも、なにかきっかけがないと、打ち解けるのは簡単ではありません。
今回は、お客さん同士でのコミュニケーション活性化の成功法を、実例とともに紹介します。
テーブルが、お客さん同士が仲良くさせる!?
店長、曰く。「うちのお客さんは、はじめてのご来店でも、常連さんでも、すぐに打ち解けられるように、ある仕掛けをしています」。
それは、テーブルです。
実は、お店にはテーブルが1つしかありません。奥間には予約制の個室もあるのですが、宴会以外の通常営業では、あまり利用されません。
手掘りの木製であしらわれた、巨大な円形テーブルが、お店の中央に置かれています。15名前後の大人で囲めるくらいの大きさで、向かい合っている席は80㎝間隔で離れています。両端はお誕生日席で、1名ずつ着座可能。
オーナー店長が目指すのは、「大家族で食事をするような空間、“最後の晩餐”みたいな光景と言えばイメージしやすいかも(笑)」
来店したお客さんは、テーブル席に案内されます。空いている時には、等間隔に座れます。しかし、ピーク時である20時~22時にかけては、70~80%以上は席が埋まり、お客さんで賑わいます。
ピーク時とオフピーク時の対応方法
例えば、
<オフピーク時>
■常連さんが来店の場合は、お客さん同士を店長が紹介しあう。
■新規さんが来店の場合は、料理・食材の説明をする。ほかのお客さんも耳を傾けてくれる。珍しい食材・旬の食材(「へしこ」や「島らっきょう」など)を使っているので、質問やレスポンスが生まれやすい。お客さん同士が、自然に会話をし始める。
<ピーク時>
■新規さんが来店の場合は、「混んでいてすいません」「変わったお店でしょ」と店長から話せば、常連さんも合いの手を入れてくれて、会話が始まる。
■常連さんが来店の場合は、ほとんど店長からは話しかけない。信頼しているので、任せている。
といった方法で、大家族で食事をしているような光景が、毎晩のように繰り広げられるようです。
イベントや企画を開催して、お客さん同士の交流を図る方法もありますが、お店づくりの演出で日常的なコミュニケーションの活性化に成功した事例を紹介しました。お店の自慢は料理だけじゃなく、お客さんも!!という店舗づくりを検討される際に、参考にして頂ければ幸いです。