”つきだし”でお客さんの心をつかむ方法
オーダーした料理が出されるまでの間、お酒の肴として嗜めるようにと、飲食店では提供されています。
しかし、”つきだし”料金(200円~500円前後)がかかるため、不要だと感じているお客さんも多いようです。
不評であれば提供しない方がいいのかもしれません。一方、”つきだし”でお客さんの心をつくむことが出来れば、提供する価値はあるでしょう。
今回は、”つきだし”で成功した京都の居酒屋店の事例を紹介します。
”つきだし”は主力商品?
売れ筋は、京都伏見の酒蔵から仕入れる約10種類の日本酒。あとは、全国から50種類以上の銘酒を扱っているので、日本酒ファンのお客さんで毎晩賑わっています。
そんな居酒屋で大人気の”つきだし”は、なんと主力商品である「日本酒」だそうです。
オーナーに詳しく聞いてみると、
「はじめて仕入れた銘柄や珍しい日本酒を”つきだし”として出しています。食前酒のような感覚でしょうか。2~3口で呑める量。あとお酒に合う小料理も肴としてセットで提供しています。これが好評なんです」
日本酒を”つきだし”にした合理的な理由
①売れ筋以外の日本酒は、売れ行きが一定ではないため、在庫になるリスクがある。でも日本酒の豊富さはウリしたい。そこで安定的に提供するために、”つきだし”として出すことにした。
②お客さんにとって普段呑まない銘柄を、はじめて注文をするのは冒険。試飲してもらってもいいが、確実にオーダーされるわけではないので、お店側もリスクがある。”つきだし”として提供することで、注文するかどうか判断してもらえる。
③”つきだし”を呑んだお客さんの反応で、次にどんな銘柄を仕入れようかマーケティングできる。評価の良くない銘柄を仕入れて失敗する可能性も低くなる。
結果的に、主力商品である日本酒を”つきだし”にすることで、在庫管理や顧客満足度アップ、マーケティングに活用することが出来ました。
さらに、もう1つ良い効果がありました。
はじめて来店されるお客さんと会話をするきっかけになったようです。
「”つきだし”に出した日本酒について説明するので、、お客さんとスタッフで自然な会話が生まれる。さらに、珍しい体験ができたと喜んでもらえる」
と、オーナーは”つきだし”の相乗効果を実感していました。