飲食店のブラックバイト問題|お店の特徴・見分け方・対策を紹介

不当な給与や労働時間で働かせるブラック企業の問題。
最近では働き方改革という流れもあり、多くのブラック企業の実態が明るみに出ています。またブラック企業での労働だけでなく、アルバイトという形態でも不当な給与や労働時間で働かされるというケースも出てきているのをご存知でしょうか。

これがいわゆるブラックバイトというもの。

ブラックバイト問題は様々な業界で起こっており、飲食業界においても少なからず発生している問題です。

バイトだからといって気軽に入社を決めるのはちょっと危ないかもしれません。

ここでは、飲食店のブラックバイトについて詳しくご紹介します。自分たちでできる見極め方や対処法を見ていきましょう。

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●目次
社会問題にもなっている違法なブラックバイト
学生もブラックバイトに要注意
ブラックバイトの見分け方
ブラックバイトで働いてしまった時の対処法
自分の身を守るためにブラックバイト対策をしよう

社会問題にもなっている違法なブラックバイト

社会問題にもなっている違法なブラックバイト

ブラック企業と同じく、ブラックバイトもまた深刻な社会問題となっています。

そもそも“ブラックバイト”という言葉が登場したのは2013年頃と言われています。
中京大学教授の大内裕和氏が提唱したことによって、世間などでも広く使われるようになっていったようです。

このブラックバイトが急増した原因の一つとして、パート・アルバイト・派遣などの非正規雇用に頼る会社が増えてきたことが挙げられています。

総務省が発表した「労働力調査(詳細集計)平成30年(2018年)平均」)では、2018年平均の役員を除く雇用者5596万人のうち、正社員は前年に比べ53万人増加して3476万人。非正規の社員は84万人増加して2120万人となっているようです。

また、人件費の削減などを目的として正社員の数を減らしたという企業もあるようです。

このような流れによって、アルバイトで働く非正規雇用の人たちに責任の重い仕事が任されるようにもなってしまいました。

無理やり長時間労働をさせられたり、休日出勤を強要させられたりなど、労働する人に対して理不尽な扱いをするような経営者もいるようですね。職場でのパワハラや厳しい言動に悩まれている方は、ストレス深刻度をチェックしてみてください。

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学生もブラックバイトに要注意

学生もブラックバイトに要注意

ブラックバイトは社会人やフリーターだけでなく、学生にとっても注意が必要です。まだ社会経験の浅い学生の方は、アルバイトや会社先からの理不尽な要求を拒否することがなかなできません。

そんな弱さにつけ込まれることで、様々な労働問題に巻き込まれてしまうようです。

学生の中にはバイト収入に頼って生活する方もいて、安易にバイトを辞めることが難しい場合も多くなってきているようです。

こうした学生の状況もあって、アルバイトに正社員並みの業務やノルマを課せられたり、劣悪な労働環境で働かせたりする企業などが増加しているようですね。

違法労働を強いるブラックバイトは、働く人の身体と心まで壊してしまう危険性があります。
危険なブラックバイトに入ってしまうのを防ぐためにも、ブラックバイトの見分け方をここで学んでみましょう。

未成年の労働時間については、こちらをご覧ください。

高校生のバイトは何時までOK?平均バイト時間や法律違反になる事例を紹介

ブラックバイトの見分け方

ブラックバイトの見分け方

危ないブラックバイトに入ってしまわないためには、その見分け方を学ぶのが一番の対策。
ここからは、ブラックバイトかどうかを判断する5つの見分け方をご紹介します。

しっかりと見分け方を覚えて、自分でブラックバイトかどうかを見極められるように備えておきましょう。

1. 長時間残業・深夜残業を強制させられる

ブラックバイトで一番多い問題が長時間労働。
労働基準法では一日で8時間、週40時間という法定労働時間が定められています。それを超えての超過労働は、企業などと36協定を結ばない限り基本的にはできません。

これを超えての労働を強いられる場合は、その企業や勤務先がブラックバイトである可能性が高いと考えてよいでしょう。

2. 不当に安い給料(時給)

ブラックバイトの中には、最低賃金よりも低い給料で働かせるようなところもあるようです。特に個人店では、雇用者側が最低賃金などを把握していないこともあるとか。

最低賃金未満の給料しか支払われない場合には、労働基準監督署への申告も考える必要があるでしょう。

また給料は平均で提示していたとしても、ノルマの未達成や遅刻への罰金を強制的に科して給料から天引きするという悪質なケースも多くあるようです。

3. 休日や有給休暇を自由に取得できない

長時間労働や強制的な残業を命じるだけでなく、休日・休暇の取得に自由がない場合もブラックバイトである可能性が高いです。

特に飲食店では、休日を申請した時の代わりの人員を探してこいなどという要求をされることが多いようですね。この場合も極めてブラックバイトである可能性が高いと言えるかもしれません。

ちなみに有給休暇はアルバイトであっても申請できる制度なので、恐れることなく有給休暇を取得するようにしましょう。

4. パワハラ・セクハラなどが横行している

賃金や労働時間の他に、上司などから受けるパワハラやセクハラも大きな社会問題となっています。

雇用主という立場を使って理不尽な暴力や嫌がらせ行為をされた場合には、労働基準監督署だけでなく警察などへの相談も視野に入れなければいけません。

パワハラやセクハラの問題はなかなか申告しにくい問題ではありますが、恐れずに告発することが大切です。

5. 不当な研修を受けさせられる

高時給を提示している求人募集だったとしても、研修期間を不当に長期化されて低賃金のまま雇われ続けるといったケースにも注意が必要です。

不当に長い研修期間が続く場合は、その理由を雇用主に聞いてみましょう。その理由が理不尽なものだった時には、労働基準監督署への申告や早期の退職も検討した方がよいかもしれません。

近年は、働き方改革が推進されています。飲食店でもワークライフバランスを重視した働き方が重視されています。詳しくは、こちらの記事をご確認ください。

QOLが決め手!働き方改革で飲食業界の労働時間問題はどう変わったのか

ブラックバイトで働いてしまった時の対処法

ブラックバイトで働いてしまった時の対処法

1. 労働に関する法律を学んでおく

ブラックバイトに対して一番早くできる独自の対処法としては、労働に関する知識を付けることが挙げられます。

どのような働き方が違法でどれくらいの罪になるのかを知っていれば、自分の言葉でしっかりと反論や意見を言うことができます。

また労働基準法などの知識を持っておけば、自分でブラックバイトかどうかの判断が即座にできるようにもなりますね。

2. 労働基準監督署に相談する

労働に関する法律の知識を付けたとしても、自分だけの力で問題のある企業やお店を訴えることはなかなかできません。

そんな時には、ブラックバイトでの被害を労働基準監督署に訴えるということも対処法の一つです。

サービス残業・休日出勤などを強制させられた場合など、内容によっては刑事罰の対象になりえることもあるので、勇気を出して相談してみましょう。

3. 不当な環境のバイトは早期に辞める

すでにブラックバイトで悩んでいるという場合は、早急にその職場から退職することをおすすめします。しっかりと退職したい理由を述べて退職の意思を伝え、問題のある職場からは一刻も早く抜け出しましょう。

退職の意思を伝えても辞めさせてもらえない場合には、退職届を提出してしまえば問題はありません。

退職届は直接手渡すのが一番ではありますが、受け取ってもらえなかった時には内容証明郵便で退職届を郵送するという方法もありますよ。

ですがこちらは最後の手段とも言えるので、退職の意志はできるだけ直接伝えることを心掛けてください。とくにバイト初日や数日で辞める場合、伝え方や法律のことを知っておいてください。

バイト初日で辞める方法とは?すぐ辞めたい場合に役立つ給与や法律のこと

自分の身を守るためにブラックバイト対策をしよう

自分の身を守るためにブラックバイト対策をしよう

様々な業界でブラックバイトの問題が大きくなるにつれ、それを巧妙に隠すような求人も増えてきています。

たとえば、ブラックバイトの特徴として

  • 求人情報(仕事内容や勤務時間、給与に関する記載や画像)が極端に少ない。
  • 1年中、積極的に大量応募している(早期退職する人が多い可能性がある)。
  • 未経験OK・履歴書不要など応募条件がゆるい(この場合は、判断が難しい)。

などが挙げられます。

一概には言えませんが、ブラックなお店かどうかを注意しながら、しっかり求人検索をしてください。店名で検索をすれば、お店の雰囲気や環境がわかるサイト・SNSもあるので、情報収集もしていきましょう。

今回はブラックバイトについて5つの見分け方をご紹介しましたが、これからもブラックバイトに対する対策と新しい知識を学んでいくことが大切です。

飲食業界に関わる人たちにとっても、ブラックバイトは真剣に考えるべき大きな社会問題の一つ。

人手不足を理由に不当な働き方を強いたとしても、また新たな問題を生み出してしまうだけです。以前に多くの飲食店で問題となった“バイトテロ”も、不当な労働環境で働かされていることが原因かもしれません。

働き方改革が提唱される今の時代だからこそ、「雇用する側」「働く側」が一緒に飲食業界の労働環境について考えていかなければいけませんね。

自分に合った仕事の選び方について、こちらの記事をお役立てください。

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