発達障害・ADHDが働きやすい飲食店バイトの探し方・前編|体験談を紹介

発達障害の人でも働きやすい飲食店はあるのでしょうか。結論から言えば、現実はそれほど甘くはないのですが、バイトを探す上でのコツがあります。

今回は発達障害のある筆者自身が、カフェで3年間バイトをした実体験に基づいてコラムをお届けします。シリーズですので、前編・後編でチェックしてくださいね。

この前編では発達障害の人への理解を深めながら、彼がら働きやすい飲食店の特徴について解説します。

●目次

15人に1人は発達障害(筆者もアスペルガー症候群・ADHD)

15人に1人は発達障害(筆者もアスペルガー症候群・ADHD)

近年よく耳にするようになった発達障害。

発達障害は、児童生徒のうち15人に1人はなると言われています。この時代において、決して珍しい障害ではありません。
(参照:通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について|文部科学省

発達障害によって起きる弊害の多くは、不注意・周囲に合わせるのが苦手で、接客が上手くできないといったものがあります。これらの弊害は脳の障害からくるものなので、個人の努力ではどうにもなりません。

そんな発達障害ですが、バイトを含め飲食店業に5年勤める筆者は、発達障害の一つ、アスペルガー症候群とADHD(注意欠陥多動性障害)を併発しています。

今回は発達障害であった筆者が、発達障害でも働きやすいバイトの探し方について、自身の経験をもとに、シリーズで徹底解説します。

「発達障害だけどカフェでバイトがしてみたい!」

「今ファミレスで働いてるけど、もしかして自分って発達障害…?」

と悩んでいる人は、是非ともこの記事を読んでみてください。

前編では、発達障害・ADHDの特徴や弊害を解説しながら、どのような飲食店が働きやすいのかを言及します。後編は、おすすめの飲食店と避けるべきバイトを紹介しています。こちらからご覧ください。

そもそも発達障害とは?

そもそも発達障害とは?

厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」によると、発達障害とは、、生まれつき脳の作りが通常と違っているために、さまざまな問題が起こる状態を指します。自閉症スペクトラム障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)などのタイプがあります。
(参考:発達障害|厚生労働省

成長するにつれてストレスを過度に受けやすく、不安症状やうつ症状に陥ることがあります。本人は怠けて過ごしているわけでなくても、学校や職場では「さぼっている」「集中力がない」と思われることも珍しくありません。

このような結果、発達障害の人は周りから怒られたり、叱られたりしやすく、自己肯定感が下がり、自己嫌悪感を持ちがちになります。

しかし発達障害は病気ではなく特性のひとつであり、自分の得手・不得手を理解することで、生きにくさを解消していくことができます。苦手なことを避けて、得意分野を伸ばすような行動をすれば、自分らしい人生が形成できるでしょう。

発達障害でも飲食店のバイトはできるのか?(体験談)

発達障害でも働きやすいバイトの探し方~カフェ・ファミレス編・前編

発達障害であっても飲食店のバイトをすることはできるでしょうか。

結論から言えば、残念ながら発達障害の人は飲食店のバイトに向きません。直接的な表現にはなりますが、その訳を丁寧にお話します。

筆者は発達障害者ですが、障害を持っていることを知ったのはカフェのバイトを始めて3年目になった頃でした。

当時は自分がいくら努力してもミスが治らず、「あなたには人の心がないのか」と勤務先のオーナーからも叱られ、大変苦しい思いをしました。そんな時にオーナーの娘さんから心療内科を勧められて、ようやく自分が発達障害であることを知りました。

心療内科の先生曰く、発達障害の人にとって一番鬼門の職業は飲食店業のような接客業です。発達障害によって起こる弊害には以下のものがあります。

<発達障害が引き起こす弊害>

  • 目移りしやすい
  • マルチタスクができない
  • 人の話を聞いている最中でも別のことを考えてしまう

・自分の中に独自のルールがあり、それを曲げられない

こういった弊害は無意識のうちに起こります。「ミスの頻発」や「人の話を聞かない」、「興味のあることだと自分の話だけをしてしまう」といった発達障害の人がよく起こす問題行動は、本人が意図しないところが起こるのです。

また発達障害の人は他者に合わせるのが苦手な傾向にあります。悪意はなくても自分中心になりがちなので、もともとのコミュニケーションスキルが一般人に比べて低いのです。

発達障害の筆者が飲食店のバイトができるようになった理由

発達障害の筆者が飲食店のバイトができるようになった理由

筆者自身、自分が発達障害だということを知らずカフェのバイトを始めました。上記で挙げたような問題行動を起こしていたので、それは過酷なものでした。

しかしオーナーや他の従業員から指導をして頂きながら、3年経った頃にはようやく人並みのバイト業務がこなせるようになりました。

発達障害の症状には個人差があります。なかにはコミュニケーションが苦手ではないという人もいます。しかし表面上はコミュニケーションができていたとしても、無意識のうちに自分を抑え込んでいるケースも珍しくありません。

気づかないうちにストレスをため込んで、精神疾患を引き起こす危険性もはらんでいます。表面的に症状が明らかな方が、自分でも問題を発見して、周りの協力を促しやすいのかもしれません。一方で周りの空気や他人の意見に合わせようとして、うまく自分を表現できない人やストレスを発散できない人は注意が必要です。

いずれにしても努力次第によっては、発達障害の人でも飲食店のバイトは可能です。本人の気持ちや意志次第で、自分の道を切り開くことができます。ですが、生まれつきコミュニケーションスキルが低い傾向にある発達障害の人が一般人と同じようにバイトをするには、困難がつきまとうと覚悟しておいた方が良いでしょう。

発達障害・ADHDの人が働きやすい飲食店とは

発達障害でも働きやすいバイトの探し方~カフェ・ファミレス編・前編

発達障害の人が一番働きやすい環境は、発達障害に対して理解のある職場です。しかし、そういった職場を探すのは容易ではありません。

発達障害は誤解を受けやすく、人によっては「さぼっている」「やる気が感じられない」と言われてしまうこともしばしば・・・。「発達障害の人は障害を言い訳にして努力を怠っている」という批判もあります。残念ながら発達障害は目に見えません。したがって周囲からの理解は得られにくい傾向になります。

また飲食店で勤務する人の多くは健常者がほとんどです。マニュアルや職場体制もすべて健常者に合わせたものになり、発達障害に配慮された職場はほとんどありません。(あくまで飲食店業に限ります。職種によっては障害者枠という、障害者のみの雇用を募集しているところもあります。障害者の就労支援情報はこちらから調べてみてください)

筆者がカフェで働いていた頃、自分が発達障害であることを告白した後にオーナーから言われた言葉は「あなただけに合わせていられない」というものでした。

探せば発達障害・ADHDの人が働きやすいよう配慮された飲食店もあるかもしれませんが、現実的にそういった職場はほとんどないと考えた方がいいでしょう。そもそも、来店するお客様も健常者が圧倒的多数ですから、少数派の発達障害・ADHDはどうしても配慮の対象から外れてしまうのです。

発達障害でも働きやすいバイトの探し方~まとめ~

発達障害でも働きやすいバイトの探し方~カフェ・ファミレス編・前編

発達障害の人が飲食店で働くにはかなりのリスクを伴います。とはいえ、すでに飲食店業に勤めている人や、それ以外にバイト・就職の選択肢がない人もいるでしょう。

後編では発達障害でも働きやす飲食店のポイント、避けるべき飲食店の特徴など、発達障害の人向けの職場探しについて解説しています。

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