「やりたいことがわからない問題」を解決する方法(前編)
「好きなことが見つからない。」
「何をしたいのかわからないから、仕事が決められない。」
「やりたい仕事じゃないから、退職・転職をしたい。」
このような悩みを抱えている方は、飲食業界でも少なくありません。
世の中は、やりたいこと・好きなことを仕事にすることが最善とされる風潮があります。
心理学者の榎本博明氏は、キャリアプランに悩まされる若者たちを「やりたいこと難民」(1)
と呼んでいます。
「やりたいことがない」「やりたいことがわからない」ことは、多くの若手労働者・求職者に降りかかる問題です。
とくに近年は、やりたいことを自己実現する成功者に注目が集まっています。IT関係の仕事で独立をして田舎暮らしを実現した方、動画サイトで遊びや趣味を仕事にする方など。
好きなことで生きる若者が、メディアで取り上げられるようになりました。
2000年代後半から、ノマドワーカーやフリーエージェントという働き方が普及し始めたことも、記憶に新しいことです。
今回は、「やりたいことがわからない問題」を解決する方法についてコラムを、シリーズでお届けします。
前編では、悩みを解決するための考え方を提案します。
仕事を選ぶための5つの条件とは
そもそも「やりたいことがわからない」ことによって、なぜ悩まされるのでしょうか。
「やりたいことがないから」という理由ではありません。
むしろ、働く上で優先すべきことはなにか整理できていない可能性が考えられます。
働く目的はなにで、どんな目標を実現したいのか。そのためには、どのような条件を最重視して仕事を選べばいいのか。
これが明確でなければ、不安になるのも仕方ありません。とは言え、なにから考えていけば整理できるのかも難しいところです。
そこで、仕事を選ぶために判断基準となる条件を5つにまとめてみました。以下の項目を参考に、大切にしたいことをチェックしてみてください。
①ライフスタイルで大切にしたいこと
<項目>家庭/子育て/学業/サークル/趣味・習い事/遊び/資格取得・専門性を高める/将来の独立・開業/副業など
②労働条件で大切にしたいこと
<項目>時給・給与・待遇/福利厚生/研修制度/休日・休暇など
③労働環境で大切にしたいこと
<項目>グループ企業・老舗店舗/個人店・新規店舗/地元店舗/都心部店舗/お店のデザイン・空間/制服・仕事着・髪型など
④働き方で大切にしたいこと
<項目>チーム体制が中心/個人作業中心/ルール・マニュアルが確立/個人のやり方を重視/ノルマ・売上が評価される/即戦力として働く/しっかりと研修を受けてから活躍
⑤人間関係で大切にしたいこと
<項目>同世代スタッフが多い/上長に相談しやすい/飲み会・旅行・イベントごとがある/仕事以外では干渉しない/上下関係が明確など
それぞれの条件で大切にしたい項目は、どれでしょうか。複数ある場合は、どのような優先順位でしょうか。
これが明確になれば、やるべき仕事、選ぶべき会社・店舗が立体的に見えてきます。後編では、今回紹介した考え方によって、どうすれば仕事が見つかるのか具体的な事例で紹介します。