『リピーターを獲得するシンプルだけど意外な方法』(前編)
新規客を集客できても、2回目以降の来店につながらない・・・という飲食店店長・オーナー様
のお悩みを、筆者自身もよく耳にします。
一方で、根強いファンが多数ついている飲食店があることも事実です。
では一体何が違うのでしょうか。
仕事帰りに何度も通いたくなる店。つい寄り道をしてしまいたくなる店は、どんな工夫をしているのか実例をもとに考察をしてきます。
”すき焼き”を無料でサービス
大阪市大正区に「くろしを」という寿司酒場があります。
名物はマグロ料理。
「トロニギリ」(600円)や「トロカマ焼き」(700円)「中おちマグロ」(600円)が超のつくほどお手頃な価格で食べられます。
「くろしを」ではマグロ料理だけではなく無料のサービスをすることで、来店客の心をつかんでいます。
例えば、柿ピーやポテトチップスなどのスナック菓子、清涼飲料・缶ジュースが無料。
なかでも驚かされるのは、”すき焼き”が鍋でふるまわれることです。
もちろん、こちらも無料。
しかも”すき焼き”につく生卵の殻には、店主の似顔絵が描かれています。
また日によっては「ばかぐらいがちょうどいい」「今日のあなたは大吉」というメッセージ付き。
訪れた顧客は、どんな心理状態に陥るでしょうか。
「こんなにサービスをしてもらって満足」ではありません。
むしろ「これだけサービスをされたら気もそぞろになるから、また行かなければ面目が立たない」という心境に近いと言えるでしょう。
これを心理学では「返報性の原理」と呼びます。
さいごに
「返報性の原理」の効果は大いに期待できます。
しかしながら、お店にとっては先行投資になります。
また見返りは期待しすぎてはいけませんが、お客様がサービスに慣れてしまって損失が生じるケースもあるでしょう。
そこで次回はリスクをとらずに、リピート客を獲得する方法についても見ていきましょう。