6次産業が次世代に贈る新しい飲食業界のカタチ

みなさんは「第6次産業」という産業を耳にしたことがありますか?
××=6次産業
6次産業(ろくじさんぎょう)とは、農業や水産業などの第一次産業が、生産だけでなく食品加工・流通販売にも業務展開している経営形態を表します。農業経済学者の今村奈良臣が提唱した造語で、 このような経営の多角化を6次産業化と呼びます。
俺の飲食道!6次産業が次世代に贈る新しい飲食業界のカタチ
農林水産省の公式ホームページによると、

6次産業とは、1次産業としての農林漁業と、2次産業としての製造業、3次産業としての小売業等の事業との総合的かつ一体的な推進を図り、農山漁村の豊かな地域資源を活用した新たな付加価値を生み出す取組です。これにより農山漁村の所得の向上や雇用の確保を目指しています。(農林水産省公式ホームページ)

と説明されています。

つまりは、少子高齢化社会の深化に伴い一次産業である農林漁業が右肩下がりで衰退しつつある今、
農林漁業者(=1次産業従事者)が、これまでの原材料供給者としてだけではなく、収穫した野菜や米、果物を使って加工食品を作る(2次産業)、それを流通・販売(3次事業)し、「経営の多角化」を進めることで、農家の人々の収入を向上し事業と経済を豊かにしようと試んでいるのです。

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図参照元:http://6-ch.rpi.co.jp/know/pg182.html

実はこの6次産業、農業を行う1次産業従業者だけでなく飲食経営者にも関連の深いものだったりします。今回のコラムでは「6次産業が次世代に贈る新しい飲食業界のカタチ」をテーマに業界の最新ニュースや導入企業の事例をご紹介いたします。

2019年5月 6次産業を導入している企業例

まず、関西圏で行われている6次事業の一例をみてみましょう。

【かける小松菜】株式会社横江ファーム

滋賀県草津市の株式会社横江ファームでは6次産業化に際して、計画栽培・計画出荷、安心・安全の提供を柱とし、生産から商品開発、販売までを一貫して行っています。「かける小松菜」はとれたての豊富な栄養素を含む野菜を手軽に食べられるよう生産者の農家ならではのアイデアから生まれました。


<どんな商品?>

いろんな料理にさっとかけるだけで小松菜が食べられる新感覚小松菜ソース。
旨味が凝縮!化学調味料を使っていないので安心して食べることができます。

【京の九条の葱の油】こと京都株式会社

京都府京都市伏見区のこと京都株式会社では、京野菜イタリアン「イル・ギオットーネ」の笹島シェフと京都老舗の「山中油店」と協力し、「京の九条の葱の油」を開発・販売をスタート。3大コラボで事業の6次産業化を行いました。

<どんな商品?>

京野菜で代表的な九条ねぎの豊かな香りをぎゅっと閉じ込めたフレーバーオイル。オリーブオイルのようにパスタや炒め物に使えるのはもちろん、豆腐や納豆などにそのままかけても深みのある香りと味わいを楽しめます。九条ねぎの繊細な香りを生かせるのは各専門のプロの知識があってこそ。生産者が販売・流通に加わることでより質の良い商品になったのではないでしょうか。

↓詳しくはこちら
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/renkei/6jika/attach/pdf/syohin_jirei_02-6.pdf

野菜農家から果樹農園、漁業協同組合などが生産する食糧を、プロならではの発想と想いをもって加工・製造・販売までを一貫する「6次産業化」はいまや全国地方で取り組まれています。
食材を一番よく知る生産者が企画・販売に関与することでよりその素材を美味しく食べられるという点や、食品のトレーサビリティ化によって商品への安心感・付加価値が生まれるのです。

ある場所では、農業を次世代につなぐために。ある場所では、事業の高価値化を図るために。
2019年も、6次産業は最も新しい産業として評価されているのです。
食に関わる飲食人にとっては注目の新産業ですね!

注目!飲食店が一次産業に参入する逆パターンも

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これまで一次産業の従業者が2次産業、3次産業を一貫させるという話をしてきましたが、逆に「飲食店が一次産業をはじめる」というパターンもあるのです。

その発端となったのが、山口県内に17店舗の飲食事業を展開する株式会社エブリシングという企業です。

当企業では、かつてより各店舗でも取り扱っている地酒の生産(1次産業)に携わっていました。地元の人々と協力しながら、酒米の稲作、地酒づくり、そして店舗営業を通して消費までに触れる一貫の流れを各店舗の社員やアルバイトを交えて体験するなど、身近な食の生まれから消費を学ぶといった取り組みを行っています。


そして2018年、11月29日(いい肉の日)6次産業の本格化に向けて、代表の平重氏は「株式会社つなぐファーム」を創業。県内の耕作放棄地などで肉用の肥育・生産を行い、加工から消費までを担うという農山漁村地域の活性化と再生を目指す事業を展開しました。肥育した牛肉は「山口放牧牛」のブランドとして、同社が運営する直営の焼肉店で提供します。
6次産業が普及しつつある中でも、耕作放棄地の解消をも兼ねる6次産業の取り組みは、全国的にも珍しく「株式会社つなぐファーム」は平成30年2月26日「六次産業化・地産地消法」に基づく「総合化事業計画」として農林水産大臣により正式に認定されました。

農家でもないのに飲食経営者が、なぜこのような6次産業に踏み切ったのか。
その理由を平重代表はこれからの経営で目指す形として2つの想いと共に述べています。

「まず一つ目の思いは、グローバル化・少子化がさらに進んでいき、今後も1次産業は衰退していくと思われ、わたしたち「食」に携わるものとしては、消費だけでなく生産までも関わる事によって、日本の農業とか漁業を守りたいという思い。

そうしてもう一つの思いが、従業員を一生かけて面倒みれる会社にしたいという思い。飲食業は年齢を重ねると体力的にも働くことが厳しくなりますが、生産物流部門の創設によって50代60代になっても働き続けられる事ができると考えています。」

(出典元:明日をつかむプレミアムグルメマガジン「OPEN」vol.29 2018Winter版より引用)

株式会社エブリシングでは、食に携わる者として地産地消だけでなく、食の生産から加工までを携わることで地域の一次産業の活性化が生まれ、地域の活力・魅力を大きくしていくことが目標。そして、そうすることが次世代に向けた自分たちの役割であり、方法として6次産業を選択したのではないでしょうか。

株式会社エブリシングの公式HPはこちら:http://www.everything.co.jp/htm/

さいごに

以上、新産業「6次産業」についてご紹介するコラムでした!
生産から加工、販売、消費までを一貫させ付加価値を上げる、食の流れを見える化するトレーサビリティという考えは今の飲食業界では知っておきたい最新知識。さらには、飲食から1次産業へと参入し6次産業を立ち上げるという珍しい逆パターンもあるということをぜひ今回のコラムでは知っていただければと思います。

その他、飲食と農業(一次産業)に興味のある方はこちらの過去記事もおすすめです!

【実録】 大阪の”下町ロケット”⁉父の「情けない」という思いが生んだ『次世代農業』
前編:
https://colum.shokujob.com/wp/news/2018/12/4843/
後編:
https://colum.shokujob.com/wp/news/2018/12/4874/

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