【成功店に学ぶ最新経営術】飲食店でIoT技術を活かす方法
今回は最新技術を使って、飲食経営をするための方法を探っていきます。今までの事例を紹介しながら、成功させるポイントを考察します。
IoTとは
IoTとは、Internet of Thingsの略です。
一般的にはモノのインターネット化として浸透しています。
IoTによってインターネットにつながることのなかったモノが、インターネットに接続されるようになりました。
わたしたちの身の回りにある家電から医療、建設、交通、物流、製造などの現場でIoTは導入されています。
例えば、家電はIoT家電と呼ばれています。洗濯機や掃除機、冷蔵庫、給湯器、エアコン、ウェアラブルデバイスの重力や音、温度、振動、光などの情報を、クラウド上にある人工知能が処理をして、効率よく動作させることができます。
IoT家電は、スマートフォンやタブレットと連携して、端末をリモートコントロールとして遠隔でも操作することも可能です。
外食産業でIoTを導入するメリット
日常生活だけではなくビジネスシーンでもIoTは積極的に活用されています。とくに飲食店経営においては、どのようなメリットが挙げられるでしょうか。
①来客数予測ができる
店内にセンサーを設置して、ビッグデータを収集・解析します。ビッグデータから集客する人数・時間帯の予測を立てることが可能です。来客に合わせて、クーポン券や割引券、プロモーションやイベント対策を準備できます。また集客状況に応じたスタッフのシフト管理が実現します。
②時間を短縮化できる
レジや会計にかかる時間が短縮可能です。大手コンビニエンスストアチェーン・ローソンで導入されている「ローソンスマホペイ」を事例に挙げます。
商品に貼付された電子タグを読み取ってゲートを通過すれば、アプリと連携して自動決済ができます。決済の利便性が高くなるだけではなく、業務の効率性も上がります。
③リアルタイムでの運営ができる
IoTによって正確な状態を、リアルタイムで把握できます。例えば在庫管理や賞味期限情報管理に利用できます。人手で確認する必要はありません。在庫が不足すれば自動発注できるシステムもあります。過剰在庫で無駄な廃棄ロスも防げます。
④働き方の最適化ができる
店舗スタッフの動線を分析することができます。従業員の動き方をデータ化して、収集・分析することで、適切な業務内容を振り分けることが可能です。
ほかにもIoTによって人件費・コスト削減や業務効率化、トラブル・ミスの回避など、さまざまなメリットが飲食店経営では得られるようになります。
飲食店での導入事例
<いけす円座/すし八咫>(https://www.keyterrace.co.jp/)
和歌山県南紀白浜にある『いけす円座/すし八咫』。来店客の自動決済にIoTが導入されています。技術は「IoTおもてなし顔認証サービス」と呼ばれています。
顔情報とクレジットカード情報が登録されており、飲食店の決済だけではなく、同エリアにあるホテルの出迎え業務・客室の解錠、商業施設でのショッピングの自動決済が可能。
収集したビッグデータはマーケティングに活用して、効果性の高いキャンペーンを提供できます。
<有限会社ゑびや>(http://www.ise-ebiya.com/)
三重県伊勢市にある、創業100年の老舗企業『有限会社ゑびや』。観光客が集まるスポットで食堂「伊勢ゑびや大食堂」、土産物産「ゑびや商店」、屋台「あわび串屋台」を運営しています。
ある店舗にて在庫管理と発注にIoTを導入しました。在庫状況に合わせて自動発注をするようになり、廃棄ロスや在庫管理にかかる手間・無駄を省略化できたのです。
<吉野家>(https://www.yoshinoya.com/)
牛同チェーンで知られる創業120年の『吉野家』。アルバイトのシフト管理できるAIや、食器洗い用のロボット「CORO(コロ)」を導入して話題を呼びました。IoTについては、睡眠解析プラットフォームを、シフト勤務者に対して導入しています。社員の健康増進・睡眠改善を目的しています。
さいごに
飲食業界でIoTを導入した事例を紹介しました。競争が激しく、人手不足が深刻な外食産業においてIoTは、さまざまな問題のソリューションとなりえるでしょう。
成功させるポイントとしては、自社の問題がなにかを明確にすることです。過剰在庫・在庫管理、決済・会計、従業員不足、集客。最新技術だからといって、安易に導入しないことです。
経営課題を解決するために、費用対効果が高いとわかれば積極的に活かすべきです。これからも外食産業におけるIoT活用事例は、増えていくでしょう。飲食店経営を成功させるためにも、目が離せません。